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パッチワークとは? 道具や基本の「フォーパッチ」の縫い方まで

コノトガク

手芸や洋裁が好きな人はもちろん、可愛い布地を見かけるとつい集めてしまう人も、端切れや布地が溜まっているのではないでしょうか。小さい端切れも可愛く活用できるパッチワークなら、組み合わせを楽しみながら有効利用ができます。

今回は、パッチワークの基本となるフォーパッチの道具や縫い方をご紹介します。つなぎ合わせの基本となるフォーパッチを覚えると、さまざまな作品にアレンジできるのでぜチャレンジしてみましょう。

パッチワークの基本「フォーパッチ」とは

フォーパッチとは、4枚の四角い布地を正方形になるようにつなぐ、基本のパッチワークです。余った端切れでできるので、用途に迷っていた布地も無駄にすることなく可愛い作品へと生まれ変わらせることができるのが魅力です。

このフォーパッチを何枚もつないでいけばベッドカバーやソファカバーなど大作も夢ではありません。まずは色や柄合わせの面白さが楽しめるフォーパッチから、パッチワークに挑戦してみましょう。

パッチワークに必要な道具とは?

パッチワークはミシン縫いと手縫いの2種類の縫い方があります。ミシン縫いと手縫いで必要な道具は多少変わりますが、事前にしっかり準備しておくことでスムーズに制作を進めることができます。針や糸は、使用用途に合わせて使いやすいものを挙げています。

手縫いのパッチワークに必要な道具

手縫いのパッチワークは、ひと針ひと針丁寧に縫っていく過程を楽しめるのが魅力。夢中になってしまいがちですから、時間を決めて休憩しつつ無理なく進めていきましょう。
道具は作りやすさに直結しますから、制作まえに道具がそろっているかチェックです。

■針
・ピーシング針(縫い針)
布地を縫うための針のことを言います。布通りのよい細い針が向いています。

・キルトしつけ針
キルトが挟まって厚くなったものも縫いやすい、長くて布通りのよい針。布地と裏布がズレてしまわないように、しつけで仮留めをしておきます。

・キルティング針
表地・キルト綿・裏地の3層を縫うための針です。専用のキルティング針か、短めでしっかりとした針が適しています。

■糸
布地を縫い合わせるピーシングには、50から60番の細い糸でポリエステル100%が適しています。キルティングにはポリエステル100%のほか、ポリエステルと綿の混紡もおすすめです。

■シンブル
指貫きとも言われている指先を保護するための道具です。リング状やキャップ状、革製やステンレスなど、さまざまなタイプがありますから、ご自身の縫い方に合うものを探してみてください。

手縫い・ミシン縫いに必要な道具

手縫い・ミシン縫いに共通して必要な道具を挙げています。

■布・端切れ
何枚もセットになったクロスを手芸専門店で購入したり、自宅にある端切れを使用します。販売しているクロスは、色の傾向が似ているものでまとまっている場合が多く、色合わせの手間が省けます。素材は綿100%がパッチワークに適しています。
また、素材が違うもの同士でパッチワークをすると、場合によっては洗濯で形がいびつになる可能性があります。縫い合わせも難しいですから、同類の素材がベストです。

■アイロン
縫い代を倒したり、生地を折ったりしてクセ付けする目的に使用します。ひとつの工程が終わるたびにアイロンをかけると、布地同士が落ち着いて次の作業がしやすくなります。スチームのある無しは問いません。

■チャコペン
布地に印を付けるために欠かせないのがチャコペンです。鉛筆タイプのチャコペンや洗って消えるペンタイプなどがあります。

■布切りばさみ・糸切りばさみ
布切ばさみは、厚さに関わらずよく切れるものを用意しておきましょう。糸切りばさみは、縫った糸を切るために使用します。お裁縫セットに入っているもので十分です。

■パッチワークボード
表面がザラザラしているので、布地を置くと動かずに印付けができます。また裏面は、アイロン台として使用できます。洋服用の大きなアイロン台を用意する必要がなく、とても便利です。

■パッチワーク用まち針(普通のまち針でも可)
まち針は、生地が薄く細かい作業をするパッチワークに適した、パッチワーク用のまち針がおすすめです。普通のソーイングで使うまち針も使えますが、パッチワーク用のまち針は細くて布通りが良くずれにくくなっています。

初心者さんにも簡単!フォーパッチにチャレンジしよう

今回のフォーパッチは手縫いで、6.5cm×6.5cm幅の布を4枚使用します。所要時間は約30分ですので、気軽に取り組みましょう。初心者さんはあまりサイズを大きくすると、扱いにくくなる場合もあります。

今回作るフォーパッチについて

  • 完成サイズ 10cm×10cm
  • 所要時間 30分

作り方

  1. 裏布の型紙を作ります。
    出来上がりサイズ10cm×10cmの四角を書いて、その周りに7mmの縫い代をつけてカットします。これで裏布の型紙ができました。
    ※パッチワークの縫い代は7mmが基本です。7mmの線が入ったパッチワーク用定規も販売されています。
  2. 裏布を裁断します。
    裏布の生地の上に型紙をのせて、生地をカットします。
    (型紙には縫いしろが含まれているので、型紙の通りにカットしてOKです)


    裏布が裁断できました。
  3. 表布の型紙を作ります。
    厚紙の上に5cm×5cmの四角を書きます。


    5cm×5cmの周りに、7mmの縫いしろを加えた四角ができたら、カットします。
    さらに、縫い代線を残して、中をくり抜くようにカッターでカットします。


    中心がくりぬけました。
    このように型紙をくり抜くと、かんたんに布に縫いしろ線が描け、型紙を当てたままで柄を確認できるようになります。
  4. 表生地にチャコペンで線を付けていきます。
    生地を裏返しにして型紙を置き、型紙の枠から柄を確かめながら裁断する位置を決めます。 裏側から見ているので柄が反転していることも踏まえつつ、バランスを見ながら位置を決めましょう。
    位置を決めたら、型紙の内側・外側それぞれに、チャコペンで線を書きます。


    外側がカット線、内側が縫い合わせる出来上がり線です。外側のカット線の通りにカットします。


    表布が裁断できました。他の表布も同様に裁断してください。
  5. 表布をお好みの位置に並べます。何度か組み替えてお好みの配置を決めてください。今回はこの並びで作っていくことにしました。

    上の2つを縫い合わせます。表裏を間違えないよう気をつけながら、苺(左上)の上に、水玉(右上)を重ねておきます。
    (水玉の左側は、わかりやすいように少しめくっています)

    縫いしろの角をきちんと合わせて、上下2ヵ所の角をそれぞれまち針でとめます。


    さらに、角と角の間を待ち針でとめます。
  6. 端から縫っていきます。
    縫い代の端から針を刺し、縫い代の半分くらいの所に針を出します。


    もう1度最初に針を刺した位置に針を刺し、返し針をします。


    写真のように角には必ず、針を刺してください、そのまま端までなみ縫いします。


    上の角も針を刺して、端まで縫います。


    最後に返し縫を1目して、玉結びしてください。


    縫えました。
  7. 下段の2枚も縫い合わせましょう。ストライプの上に花柄を置き、同様に縫い合わせます。
  8. 上下のパーツを縫い合わせます。
    縫い合わせたパーツを広げてアイロンをかけます。縫い代は交互になるよう倒しましょう。縫いしろを倒す方向は、表から縫い代が透けて見えるのを防ぐため、濃い色の方に倒すというのが一般的です。
  9. 上下のパーツを重ね、左右の角や中心のハギ目が合うように、待ち針で刺し合わせながら、とめます。


    まち針で止めました。
    (花柄の下は、分かりやすいように少しめくっています)


    先ほどと同様に縫い合わせます。中心のハギ目にも針が刺さるように気を付けます。


    上下が縫えました。
  10. 上下のパーツを開いて縫いしろを片方に倒して、アイロンをかけます。
    この場合も、縫いしろを倒す方向は、表から縫いしろが透けて見えるのを防ぐため、濃い色の方に倒すというのが一般的です。


    トップが縫えました。
    ※パッチワークやキルトの世界では、作品の表になる布をトップと呼びます。
    このまま額に入れて飾ってもかわいいです。
  11. 裏布の表側を上にしてテーブルに置き、その上にトップを中表にして重ねます。
    4つ角をそれぞれ待ち針でとめ、さらにハギ目も待ち針でとめます。
    出来上がり線のとおりに周りをぐるりと縫い、底には4cmくらい返し口を開けておきます。


    周りが縫えました。
  12. 返し口から表に返します。



    表にかえしました。角がきれいにでるよう整えます。

  13. 返し口を奥まつりします。



    フォーパッチの完成です。

色合わせのポイント

フォーパッチの色合わせは、4枚違う色柄を選ぶ方法と、2種類の生地を対角になるように配置する方法が一般的です。あまり厳密に考えず、対角にくる布地を濃い色と薄い色で合わせると、バランス良く配置できるでしょう。同系色や、全く違う色同士・白地を使ってメリハリを効かせたりと組み合わせは多数ありますが、この基本の配置を覚えておくとまとまりが良くなります。

フォーパッチを楽しむインテリアのアイデア

フォーパッチをインテリアに用いるとお洒落度がアップし、壁や食卓をアイディア次第で華やかに彩ることができます。その一例をご紹介します。

額縁に入れておしゃれな壁掛けにアレンジ

フォーパッチはそのまま額に入れてお洒落な壁掛けとして利用できます。額は100均などで購入できますので、気軽にお部屋のインテリア雑貨を作ってみましょう。また、玄関やトイレに飾ったり額に入れたフォーパッチを小さなイーゼルに置いても素敵です。好きな場所に飾って、お部屋の雰囲気を統一感のある優しい空間にしてみませんか。

小さなはぎれを使ってコースターに活用

端切れの有効活用として、コースターを作ってみてはいかがでしょう。どうしようかと困っている小さい余り端切れで作れます。
柄や色を合わせなくても、面白い組み合わせが完成したりするので、思いのまま配置してみましょう。ご家族やお友達専用のコースターでお茶の時間をより楽しく彩ります。

コースターの作り方はこちら

大きめサイズでクッションカバーにもなる

フォーパッチをどんどんつなぎ合わせれば、クッションカバーへアレンジもできます。自分の好きな色や柄で作るとより愛着も湧いて、作品作りが楽しくなるでしょう。また、綿を入れて、チェアマットにするのも良いですね。

クッションカバーの作り方はこちら

パッチワークで手作りアイテムの幅が広がる

難しそうに見えるパッチワークですが、基本のフォーパッチからはじめてみましょう。人と被ることがない布地合わせであなただけのオリジナルアイテムの幅を広げてくださいね。好きな布地や端切れを利用して、素敵なインテリアとして生まれ変わらせることができるので、手作りをたくさん楽しんでください。

このレシピのデザイナー

コノトガク
コノトガク
服飾学校卒業後、パタンナー、アパレルデザイナー、ミシン講師を勤めたあと、『モノ作りの人』となる。大好きなミシンを踏みながら毎日がうるおう布コモノを製作中。instagram:@konotogaku

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ライター

Craftie Style編集部
Craftie Style編集部
アート・クラフト・ものづくりを通して、日々の暮らしの楽しさ、彩り、新たなコミュニティを生み出すこと。そのきっかけを作るためのコンテンツをお届けします。