手縫いでもミシンでも、はじめのうちは用語につまずきがちです。一度覚えてしまうとスムーズなのですが、用語がたくさんのレシピはとっつきにくいかもしれませんね。ここでは手縫いの縫い方や、ミシン縫いで出てくる用語などをご紹介します。
- 裁縫の基本の縫い方&用語を知りましょう
- 手縫いで使う糸・布・針の選び方
- 手縫いの基本技を覚えよう!
- 手縫いの基本1.玉結び
- 手縫いの基本2.玉止め
- 手縫いの基本3.なみ縫い
- 手縫いの基本4.返し針(返し縫い)
- 手縫いの基本5.半返し縫い
- 手縫いの基本6.本返し縫い
- 手縫いの基本7.コの字とじ(ラダーステッチ/はしご縫い)
- 手縫いの基本8.まつり縫い(たてまつり)
- 手縫いの基本9.奥まつり
- これだけは知っておきたい洋裁用語と便利な道具
- 洋裁用語1.縫い代(縫い代)
- 洋裁用語2.3つ折り
- 洋裁用語3.アイロン定規
- 洋裁用語4.中表(なかおもて)
- 洋裁用語5.表布、裏布(おもてぬの、うらぬの)
- 洋裁用語6.(ミシン縫いの)返し縫い
- 洋裁用語6.縫い代ガイド(ミシン縫い用)
- 用語と基本を覚えて、作品作りをスムーズに始めよう
- 通園・通学に役立つハンドメイドレシピがたくさん
裁縫の基本の縫い方&用語を知りましょう
難しそうに聞こえる用語も、覚えてしまえば思ったほど難解ではありません。手縫い・ミシン縫いを始める時に最初につまずきそうな、基本的な縫い方や用語を解説しています。各ステップは画像も載せていますから、はじめてでもきっと大丈夫。ブックマークやお気に入りに入れて活用してくださいね。
手縫いで使う糸・布・針の選び方
おしゃべりしながら、映画をみながら、音楽を聴きながら…裁縫箱と布があればすぐとりかかれるのが手縫いの良いところ。ふっくらとやわらかい仕上がりや、手間暇をかけたことの愛着も魅力です。
手縫いで使う糸や針はさまざまな種類がありますが、代表的なものはこちら。
手縫い糸
糸の太さは「○○番手」で表します。数字が小さいほど太く、大きいほど細い糸です。手縫い糸とミシン糸では糸の撚(よ)り方が違い、それぞれに使いやすいようにできています。ミシン糸を手縫いで使うと絡んでしまうのはこのためです。手縫いをする場合は手縫い糸を使う事をおすすめします。
刺繍糸
- 25番糸: 一般的に出回っているのがこちら。6本の細い糸が撚り合わさって1つの糸になっていて、用途に合わせて糸の本数を調整して使います。最もよく使うのが3本を1つとして使う「3本どり」です。
- 5番糸: 25番より太く、基本的には1本で使います。つやがあり、1本でも存在感のある仕上がりになります。
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手縫い針
洋裁用の手縫い針をメリケン針と言います。ちなみに和裁に用いるのは和針です。針の太さは「○号」で表し、数字が小さいほど太く、大きいほど細い針になります。
- メリケン針(6~7号): 太く長いので生地から引き抜きやすく、厚地を縫ったりボタンを付けたりするのにおすすめです。
- メリケン針(9号): 細くて短い針です。薄手の生地のまつり縫いや、細かく縫い目を入れていくアップリケなどに向いています。短い針は小回りがきくので扱いやすいです。
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刺繍針
1つの刺繍糸から数本を取り合わせて縫う刺繍針は、メリケン針よりも糸通しの穴が広くとられています。針が太いほど穴も大きくなるので、初めての方は太目の針を選ぶと糸通しが簡単なのでおすすめです。
針は手の大きさや、自分の好みによって縫いやすさが変わってきます。迷っている方は複数種が入ったセットを買ってみて、色々と試してみるとよいでしょう。上記を目安にご自分の好きな針を探してみてください。
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手縫いの基本技を覚えよう!
手縫いを始める時にまず覚えておきたい技を、ステップでお見せしながらご紹介します。
手縫いの基本1.玉結び
糸が抜けないように、あらかじめ糸の端を結んでおくのが「玉結び」。手縫いで最初に行っておく工程です。
玉結びのやり方
- 針に糸を通して、きき手で片方の糸端を持ちます。
- 人差し指に1回巻きます。
- 人差し指と親指で糸をよじります。
- よじってできたコブをつまんだ状態で、しごくように引っ張ると結び目ができています。
- 玉結びができました。
手縫いの基本2.玉止め
縫い終わりには、糸が抜けないように「玉止め」をします。布のきわでコブを作ると、仕上がりが美しくなります。
玉止めのやり方
- 縫い終わりの糸が出ている場所に針を置き、手で押さえます。
- 画像のように縫い終わりの糸を針に2~3回巻きつけます。
- 糸を引っ張って、縫い終わりの場所(針で押さえている位置)まで下げます。
- 下げた糸がゆるまないよう親指で押さえたまま、針を上に引きます。
- 左手の親指は玉結びが出来るまで離さずにしっかりと押さえ、針を引いていきます。
- 玉止めが完成しました。
手縫いの基本3.なみ縫い
一番基本の縫い方です。2枚の布をつなげたり、飾りとして見えるように縫う用途もあります。縫い目の幅は用途によって変わりますが、3~5mmの間で揃えるときれいです。
なみ縫いのやり方
- 針を生地の表から刺して、裏から表にもどします。
- 糸を引いて、1と同じ幅になるように表から刺し、裏から表にもどします。これを繰り返します。
- なみ縫いが完成しました。裏側も同じ仕上がりです。
手縫いの基本4.返し針(返し縫い)
玉結びだけでは抜けそうな目の粗い生地や、細い糸を使用して玉結びが小さい場合は返し針をしておきましょう。そうすることで布から糸が抜けにくくなります。丈夫に仕立てたい時にも使います。
返し針(返し縫い)のやり方
- 1針縫います。
- 糸を引き、玉結びがある最初の位置から1針をもう1度縫います。
- 1目縫えました。
- 玉結びがある最初の位置から1目飛ばした所をもう1度縫います。
- 糸を引くと、最初の1目が2回縫えて返し針が完成しました。
- そのまま、なみ縫いを続けたところです。
手縫いの基本5.半返し縫い
表から見るとなみ縫いのように見えますが、返し縫いをしながら縫っているのでなみ縫いより丈夫に仕上がります。裏から見ると1本につながっているような縫い目です。
半返し縫いのやり方
- 針を生地の表から刺して、裏から表にもどします。
- 糸を引き、1で縫った縫い目の半分の所に針を刺し、最初の1目と同じ幅で裏から表へ針を出します。
- 1目縫えました。
- 繰り返します。
- 半返し縫いが完成しました。表からは、なみ縫いと同じように見えますね。
- こちらは裏側。つながった線のように見えます。
手縫いの基本6.本返し縫い
しっかりと返し縫いをしながら縫っていく方法で、半返し縫いよりも丈夫な仕上がりです。表は縫い目がつながっていて、ミシン目のように見えます。力のかかる部分や、丈夫に仕立てたい時に使います。
本返し縫いのやり方
- 針を生地の表から刺して、裏から表にもどします。
- 糸を引き、玉結びがある最初の位置から1目飛ばした所をもう1度縫います。
- 1目縫えました。
- 最初の縫い目の端に針を刺して、1目飛ばした同じ幅の所に裏から表へ針を出します。
- 本返し縫いが完成しました。
- 裏側もしっかり返し縫いになっています。
手縫いの基本7.コの字とじ(ラダーステッチ/はしご縫い)
返し口(空いた口)を閉じる時によく使う縫い方です。折山の中を縫うことで縫い目が見えず、きれいに仕上がります。
コの字とじのやり方
- このように空いている口を閉じていきます。
- 口の端、折山の裏から表に針を刺します。
- 奥側の生地の折山に、表から針を刺し1目すくって表に出します。
- 奥側の折山から出てきた糸と同じ位置の、手前の折山を1目すくいます。これを繰り返します。
- 最後は裏側に糸を入れ、裏で玉結びします。
- コの字とじが完成しました。今回はわかりやすく大きめの縫い目で縫っていますが、細い糸を使い、細かい目で閉じるとよりきれいに仕上がります。
手縫いの基本8.まつり縫い(たてまつり)
洋服の裾やバイアスをまつる時などに使う縫い方です。表も裏も小さな縫い目しか見えず、上品な仕上がりです。今回は3つ折りした端の始末をしてみました。
まつり縫いのやり方
- 裏側を上にして縫っていきます。折山の裏から表に針を刺します。
- 糸を出したすぐ下の布の、織り糸を1~2本をすくい、針先を折山に刺します。
- 糸を引きます。
- 1目縫えました。
- 完成です。裏側には縦に小さなステッチが入っています。
表側には1mmほどの小さなステッチが見えます。本来は同系色の糸で縫うので、縫い目は目立ちません。
手縫いの基本9.奥まつり
奥まつりは複数あるまつり縫いのひとつで、先に書いたまつり縫いよりも、より表と裏の縫い目が目立ちにくい縫い方です。縫い目が出にくいので肌に触れる裏側も糸がひっかかりにくく、既製品の洋服でよくみかけます。今回は3つ折りした端の始末をします。
奥まつりのやり方
- 裏側を上にして縫っていきます。折山の上を5mmほど折り、針を裏側から刺します。
- 糸を出したすぐ下の布の織り糸を1~2本をすくい、針先を5mm折った折山に刺します(布1枚のみ刺します)。
- 糸を引きます。1目縫えました。
- 繰り返して縫い進めていきます。
- 縫えました。
- 折っていた5mmを戻すと裏側の縫い目は見えなくなりますね。奥まつりの完成です。
表側には1mmほどの小さなステッチが見えます。本来は同系色の糸で縫うので、縫い目は目立ちません。
これだけは知っておきたい洋裁用語と便利な道具
洋裁の本などでよく登場する基本的な洋裁用語と便利な道具をご紹介します。
洋裁用語1.縫い代(縫い代)
縫い代とは、生地を縫い合わせるために余分に用意しておく部分のこと。縫い目から布の端までの部分です。生地を縫い合わせるために、出来上がりサイズに縫い代をプラスして裁断します。
洋裁用語2.3つ折り
そのままではほつれてきてしまう布の端を始末する方法です。バックの入れ口やポケット口を始末するのによく使います。ミシンでの裾始末の代表的な方法でもあり、生地の端を2度折って布が3枚に重なるので3つ折り始末と言います。
洋裁用語3.アイロン定規
縫いしろを手早く折り返す便利道具です。折りたい幅の線に生地の端を合わせ、折り目にアイロンをかけます。市販品もありますが、厚紙でかんたんに作ることができます。
アイロン定規の作り方
約縦7cm×横30cmの厚紙を用意して、下の端から縫い代幅に線を書いていきます。寸法がわかるように、数字を書き込みます。
たとえば「1cm」と「3cm」2種類の縫いしろがある場合、画像のように2本の線を書きます。消しゴムで消せるえんぴつかシャープペンを使いましょう。
アイロン定規を使った3つ折りの方法
3cmの縫い代を1.5cm、1.5cmで3つ折りにします。
- 生地の端をアイロン定規の「3」の線に合わせ、アイロンをかけます。これで3cm幅の折り目ができました。
- アイロンをかけた折山に生地の端を合わせて折ります。
- 折り線でもう1度折り、3つ折りにします。3つ折りが完成しました。
洋裁用語4.中表(なかおもて)
生地の表側同士を合わせること。この逆を「外表」と言います。
生地には裏と表がありますが、無地の生地の裏表はわかりにくいものです。
綿の生地は基本的に表を外側にして販売されています。迷った場合は店員さんに聞いてみましょう。表裏がわかりにくい布は、裁断後の生地の裏にチャコペンで印をつけておくとよいでしょう。
洋裁用語5.表布、裏布(おもてぬの、うらぬの)
作品を作る場合に1枚で仕立てる場合と、裏側に別の布を付けて2枚で仕立てる場合があります。2枚で仕立てる場合、表側に使う生地を「表布」、裏側に使う布を「裏布」と言います。生地の表・裏とは別の意味ですので混同しないよう注意が必要です。
洋裁用語6.(ミシン縫いの)返し縫い
ミシンは1度縫っただけでは端からほつれてくるので、ほつれ防止に返し縫いをします。例えば縫いはじめ1cm進んだら、今縫った縫い目の上を後ろに1cmほど戻って縫い目を重ねます。さらに前にもう1度進めば3回重ねて縫う事になります。これが返し縫いです。縫いはじめと縫い終わりのほか、丈夫に仕立てたい場所に使います。
ミシン縫いのレシピや本で特に指示がない場合は、縫いはじめと縫い終わりには必ず返し縫いをしてください。
洋裁用語6.縫い代ガイド(ミシン縫い用)
ほとんどの家庭用ミシンには押さえ金の下に板があり、縫い代幅のガイド線が付いています。ガイド線に縫い代の端を合わせることで、希望の縫い代幅で縫うことができます。
下の画像の場合、1cmのガイド線に布端を合わせていますね。こうすると針の中心から生地の端までが1cmなので、1cmの縫い代で縫っているということになります。
分かりにくい場合や、ガイドが無い場合はマスキングテープなどでガイドをつけると楽です。
用語と基本を覚えて、作品作りをスムーズに始めよう
一度に全部覚えなくとも大丈夫。作品作りのなかで登場するたびに、ひとつひとつ着実に身につけるようにしましょう。必要な場面を経験することで、記憶に残りやすくなります。オリジナルに挑戦するときも用語は便利ですから、ひととおり覚えたらぜひご自身のレシピメモに取り入れてみてくださいね。
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