日本の伝統的な遊びとして親しまれているお手玉。幼い頃、夢中になって遊んだという方も多いのではないでしょうか。
そんなお手玉、おうちにあるはぎれを使ってオリジナルのものを手作ります。お子さまとのおうち遊びはもちろん、にぎる・投げる・受けるといった知育にもなるのが魅力です。
今回は、小豆とはぎれで作るお手玉の基本レシピをご紹介します。
お手玉にはさまざまな形がある
お手玉遊びは日本古来の遊びです。現在の形になったのは江戸時代とされています。
代表的なお手玉の形には、以下の4種類があります。
▼代表的な形のお手玉
俵型 | 米俵のような形 |
座布団型 | 小さな座布団のような形 |
枕型 | 四角い枕のような形、または立方体の小箱のような形 |
かます型 | 巾着袋の上部を縛ったような形 |
上記のほかにも、最近では人形や動物、特産物、野菜などがモチーフとなったユニークなお手玉も登場しています。観光地のお土産店で、その土地に縁のあるモチーフを模したお手玉を見かけたりもしますよね。
なかでも、多くの方が遊んだことのあるお手玉の形は「俵型」と「座布団型」ではないでしょうか。この2つは手に馴染む形なので、子どもでも遊びやすいのが特徴です。
お手玉の中に入れるものは?
お手玉の中に入れるものにも、さまざまな種類があります。代表的なものには、以下が挙げられます。
▼代表的なお手玉の中身
小豆(あずき | ごろごろとした手触り。お手玉作りにもっともよく使用されている。 |
お米 | 小豆よりもさらさらした手触り。 |
数珠玉 | 数珠のように小さな丸い小石。小豆よりも軽く、音も楽しめる。 |
蓮の実 | 丸薬のような形状。シャカシャカとした手触り。 |
手芸用ペレット | 人形やぬいぐるみの中に入れる重しとしても使用されるプラスチック製の粒子。シャリシャリとした手触り。 |
お手玉の中身として使用されているもっともオーソドックスなものは、小豆です。冬のお手玉あそびでは、温めておくことで、手先をじんわり温めてくれる効果もあります。
ただし、小豆をはじめ、お米や数珠玉、蓮の実は天然素材なので、虫を発生させないための熱湯消毒や乾煎りといった前処理をしておく方が安心でしょう。
生地の選び方
お手玉に使用する生地には、はぎれや着なくなった洋服、着物、浴衣などの生地を活用できます。縫いやすく遊びやすいように、柔らかい生地を選ぶのがおすすめです。
とくに、薄手の綿素材(ちりめん、リップル、ブロード、ローン等)や、シルクといった生地を使用すると、手触りもよく、お子さまも遊びやすくなります。
俵型のお手玉の作り方
お手玉のオーソドックスな形といえる「俵型お手玉」のレシピです。
生地には、薄手の綿ローン・シーチングを選びました。薄手の生地を選ぶと、重なった部分も縫いやすいのでおすすめです。
▼俵型お手玉について
完成サイズ: 約7cm×6cm
所要時間 :10分
材料と道具
材料
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道具
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お手玉の作り方
作り方
- 生地を縦11cm×横17cmにカットします。カットしたら、端から1cmの位置に、4辺ぐるりとチャコペンで縫い線を書きます。
縫い線が書けました。
- 横辺(17cm)を半分にたたんで、端を縫います。横端の縫い線の上を縫います。
- 3mmくらいの縫い目で、なみ縫いします。中に入れる小豆やペレットが出てこないよう、細かい縫い目で縫いましょう。
端が縫えました。
- 上端の縫い線に沿って、ぐるりと縫います。5mm巾くらいの大きな縫い目にしましょう。
たたんだ状態で2枚重ねて縫うのではなく、筒形にして1枚だけ縫うように気をつけてください。
- ぐるりと、1周縫えました。縫えたら玉止めをする前に、端をすぼめます。
- 糸を引き絞って、端をすぼめましょう。
- 糸をしっかり玉止めして、縫いとめます。絞り方が足りないと中心にすき間が空くので、注意しましょう。
- 反対側の端は、縫い線の巾で裏側に折ります。折れたら、そのまま表へ返します。
表に返しました。
反対のあき口側から見るとこのような感じになっています。
- 小豆を測ります。今回は40g詰めましたが、お好みで調整してください。
- 7cm角くらいの紙を用意して、頂点が空いた三角錐の形にまるめて、テープでとめます。
- 三角錐の紙を使って、小豆を入れます。
小豆が入りました。
- 開き口の縫い線を縫います。上端は5mm巾くらいの大きな縫い目で、縫いましょう。
たたんで2枚重ねて縫うのではなく、筒状にして1枚だけ縫うように気をつけてください。
ぐるりと、1周縫えました。
- 縫い線で内側に折り、先ほどと同じように糸を引き絞って、すぼめます。
- 中心にすき間があかないよう気を付けてください。
- 針を引き絞ったしわの間に刺して、口が開かないように縫い留めておきます。
- 2、3回針を通して、縫います。
- しっかり玉止めして留めましょう。
- 完成しました。
座布団型のお手玉の作り方
俵型と同じく、お手玉の定番とされる座布団型のレシピです。
座布団型のお手玉は、2種類の生地を使用して柄の組み合わせをアレンジできるのが魅力です。組み合わせに迷った時は、柄に使われている1色を無地にして取り入れてみると、見た目がまとまりやすくなります。
▼座布団型のお手玉について
完成サイズ :約7cm×7cm
所要時間 :20分
材料と道具
生地には、薄手の綿ローンとシーチングを使用しました。薄手の生地は、重なった部分が縫いやすいのでおすすめです。
材料
- A布/木の実(縦5cm×横9cm)×2枚
- B布/ストライプ(縦5cm×横9cm)×2枚
- 手縫い糸 50番※普通地用(今回は生成りを使用)
- 小豆(あずき) 40g
※小豆の代わりにペレットでもOKです。
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道具
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お手玉の作り方
作り方
- A布(縦5cm×横9cm)×2枚、B布(縦5cm×横9cm)×2枚それぞれ生地をカットします。
- A・Bそれぞれの生地の裏側に、端から5mm幅で縫い線を書きます。
- 写真のように、4辺すべてに縫い線を書きます。
- 長い辺(9cm)を半分に折って、折山(中心)に印を付けます。
- 反対側にも印をつけます。
- お手玉をいくつかまとめて作る場合は、あらかじめ「縫い線を書くための型紙」を用意しておくと便利です。型紙を作る場合は、厚紙を縦8cm×横4cmでカットし、縦の中心(4cm)にまっすぐ線を引きます。
- 布の中心に「縫い線を書く型紙」を置き、縫い線をチャコペンで書きます。
- 全てに縫い線をかけました。
- 手縫い糸は「2本取り」で用意します。
- A(木の実)の生地の上に、B(ストライプ)を写真のように重ねます。
端から5mmのところ(縫い線どうしの交点)から中心(印をつけたところ)まで、幅3mmくらいのなみ縫いで縫って、返し縫いをしておきましょう。
中に入れる小豆や、ペレットが出てこないよう細かい縫い目で縫うのがポイントです。
- 中心まで縫えました。このまま縫い進めますので、玉止めをしたり糸を切ったりしないでおきましょう。
裏側は、このようになっています。
- A(木の実)を下にして置き、B(ストライプ)が、「J」の形になるように折って、A(木の実)の中心と、B(ストライプ)の端を合わせて待ち針でとめます。先ほどの縫い終わりが角になるように、AとBの縫い線を重ね、下端を縫い合わせます。
- 縫えました。
- 裏側からみるとこのようになっています。
- ☆から★まで縫い線に沿ってAとBを縫い合わせます。
- 最後は、5mm手前で縫い止めて、玉止めをします。
- AとB、2枚を縫い合わせました。
回転するとこのような形になっています。
- 同じ要領で残ったAとBの生地を縫い合わせ、もう1セット作ります。2セットできました。
- 写真右側を参考に、台形になるようにパーツをたたみます。
- もう1つも同じようにたたみます。
- 片方を回転させ、写真のようにはぎ目(縫いつないだ部分)を合わせて置きます。
- 中心のはぎ目を合わせて、A(木の実)の角とB(ストライプ)の中心を合わせて待ち針でとめ、中心から縫い始めます。
- B(ストライプ)の中心まできたら、返し縫いをします。
- 返し縫いをした角から縫い始め、B(ストライプ)の端から5mm手前のところまで縫います。
- 角まで縫えました。角で返し縫いします。
- 角の5mm手前と、中心を合わせながら、縫い合わせていきます。
- 縫い代は縫わずに、避けながら縫いましょう。
- 最後の1か所は返し口として、残しておきます。玉止めして糸をカットします。
縫い始め位置の中心は、図のように縫い代を開いておきます。
- 返し口から、表に返します。
- 小豆を測ります。今回は40g詰めましたが、お好みで調整してください。
- 7cm角くらいの紙を用意して、写真のように頂点が空いた三角錐の形にまるめて、テープでとめます。
- 三角錐の紙を使って、小豆を入れます。
小豆が入りました。
- 返し口を待ち針でとめて、奥まつりします。
- 糸は、1本どりで縫います。
- 完成しました。
お手玉で昔あそびを楽しもう
お手玉が完成したら、手に取って遊んでみましょう。歌をうたいながらリズミカルにお手玉遊びを楽しんだり、まだお手玉遊びが難しいお子さまとはお手玉を握ったり、投げたりして楽しむこともできます。
手作りのお手玉は、生地や中身に入れるものを自由に選べるので、遊んでいくうちにどんどん愛着が湧いてきますよ。ぜひオリジナルのお手玉を手作りして、家族やお友達とおうち遊びを楽しみましょう。