かわいいくて素敵なデザインがたくさんある「刺繍」。いつかやってみたい!と思うものの、何から始めればいいのか分からない…という方も多いのではないでしょうか。この記事では、初心者の方が刺繍をはじめるときに必要な道具の選び方や使い方、作り方などの基本を、刺繍作家としても活躍中のCraftieStyle編集部ayaneさんに教わりながらご紹介します。
初心者が揃えておきたい刺繍の基本の道具

目黒愛
刺繍は基本的に針と糸、布さえあれば制作できますが、刺繍用の道具をきちんと揃えることでスムーズに作れるようになります。初心者の方が揃えておきたい刺繍の基本の道具と、その選び方を詳しくご紹介します。
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刺繍枠の種類と選び方
刺繍枠とは、刺繍の土台となる布を挟んで固定するアイテムです。布をピンと張ることで針を刺しやすくなり美しい縫い目に仕上がるので、初心者の方も準備しておきたいところ。プロの作家さんも刺繍枠を使用することがほとんどです。
刺繍枠のサイズについて
刺繍枠はメーカーによって様々なサイズが販売されています。初心者の方はまず応用性の高い10〜13cmくらいのものを準備して、慣れてきたら作りたい作品に合わせて徐々に揃えていくのがおすすめです。
▼刺繍枠のサイズの目安
- 8cm(小さめ):ワンポイント作品にぴったりなサイズ感。小さい作品づくりに便利。
- 10〜13cm(中くらい):初心者の方におすすめのサイズ。持ちやすく、図案を真ん中に挟みやすいのが特徴。
- 15cm以上(大きめ):持ちにくいが、大きな図案や作品を刺すときに便利。
刺繍枠の素材について
枠の部分の素材には木製や竹、プラスチックなどがあり、どの素材を選んでも刺繍はできますが、ホールド力に優れて布地をしっかり固定できる木製のものが初心者の方にはおすすめです。
▼刺繍枠の素材の違い
- 木製:手に馴染みやすく、おしゃれなので刺繍枠に入れたままでも飾れる。
- プラスチック製:軽く持ちやすいが割れやすく、布地が滑ることも。
- 竹製:弾力性があり布地を固定しやすいが、質感や枠の厚みに個体差があることも。
刺繍糸の種類と選び方
刺繍糸は通常、数本の糸が束になっており、縫い糸と刺繍糸では硬さや質感が異なります。縫い糸はしっかり縫い合わせる補強を目的として作られていますが、刺繍糸は美しく見せることを目的としているため、縫い糸に比べて質感が良く色鮮やかなのが特徴です。
そのため縫い糸で刺繍をすることも可能ですが、仕上がりのクオリティを考えると刺繍をする際には刺繍糸を使うのがおすすめです。また、刺したい図案がある場合は、レシピに記載されているメーカーや色番号の刺繍糸を使うと良いでしょう。
太さについて
刺繍糸には大きく分けて3種類の太さがあり、数字が大きくなるほど太く、数字が小さいものほど細い糸になります。初心者の方は定番の太さである25番糸を選ぶのがおすすめです。
▼刺繍糸の太さの違い
- 25番糸:どんな太さにも調整できるので、初心者の方におすすめ。
- 12番糸:細かい刺繍に向いている。
- 5番糸:太さを活かしたボリュームのあるステッチが可能。
刺繍針の種類と選び方
刺繍針は縫い針と異なり、表面が綺麗に研磨されているので布に通しやすいのが特徴です。また、縫い針は針の穴が小さいことが多く刺繍糸を通しづらいですが、刺繍針は予め穴が大きくできているので初心者の方も安心です。
また、刺繍針にもサイズがあり、1~2本どりには5号、3~4本どりには4号がちょうど良く、5号と4号を揃えておくと使い分けできるので便利です。
刺繍をする布の種類と選び方

目黒愛
刺繍をする布は基本的にどんな布でも刺すことができます。「刺繍布」と販売されているものもありますが、それ以外のお好みの布を使うことも可能です。
初心者の方におすすめなは、針を通しやすい「コットン」や「コットンリネン」。薄さや柔らかさがちょうど良く、初めて刺繍をするときにも無理なく刺すことができます。
また、お手持ちの洋服や布小物に刺繍をしたいという場合には、夏物のTシャツが刺しやすいのでおすすめです。冬物のニットやマフラーにも刺繍はできますが、生地が伸びやすいことが多く少し難易度が高くなります。
初心者の方は図案入りの布がおすすめ!
刺繍は無地の布に刺していくのではなく、刺繍したい図案を布に写し取り、図案に沿って刺していきます。図案を写す方法はこのあとご紹介しますが、初心者の方にとっては少し難しく感じたり、手間に感じたりする方もいるかもしれません。
そこでおすすめなのが、図案入りの布。あらかじめ図案が印刷されており、図案を写す手間がなくすぐに刺繍を楽しめるのが特徴です。図案の線は刺繍が終わった後に水やお湯で落とせるものが多く、とても便利なので、はじめて刺繍をする場合には図案入りの布を使うことをおすすめします。
その他にあると便利な刺繍の道具
刺繍枠や糸、針、布があれば刺繍をすることはできますが、図案を写し取るときにあると便利な道具をご紹介します。
トレーシングペーパー
刺繍以外の工作やクラフトでも広く使われるトレーシングペーパーは、図案を複写するときに便利です。刺繍用のもの以外でも使えるので、ご自宅にあるものを活用できます。
チャコペーパー
チャコペーパーとは、手芸をする際に布地に印をつけるための複写紙のことです。チャコペーパーの下に布を置いて上からなぞり書きをすると、布に複写をすることができます。図案を写し取る際にあると便利な道具のひとつです。
トレーサー
トレーサーとは布に図案を写す際に使う刺繍用の棒のことです。鉄製や金属製のものが多く、力を入れやすいので綺麗な図案を引くことができます。シャープペンシルで代用することもありますが、布に貫通してしまうこともあるのでトレーサーを使うのが安心です。
刺繍の基本のやり方
道具が揃ったら、いよいよ刺繍をはじめていきます。ここでは基本的な刺繍の手順をご紹介します。
①「何を作るのか」を決める
刺繍は基本的に布であればどこにでも刺せるので、作れる作品は様々です。お手持ちのハンカチやバッグなどに刺繍をしたり、加工されていない布に刺繍をして、お好きなアイテムに仕立てたり。まずは刺繍で何を作りたいのか?とある程度決めておくと、布や糸を選びやすくなります。
刺繍をしたら、そのまま仕立てずに楽しむ方法も
初心者の方や仕立てる手順を省きたい場合は、額縁に入れて飾るだけのファブリックポスターや、刺繍枠に入れたまま飾る方法もおすすめです。ミシンや手縫いで仕立てなくても、素敵な刺繍作品として楽しめます。
②布に図案を写す

目黒愛
作る作品を決めたら、刺繍をしたい布に図案を写します。図案を写す方法は様々ですが、ここでは初心者の方におすすめの方法であるトレーシングペーパー、チャコペーパー、トレーサーを使う方法をご紹介します。
※図案入りの布を使う場合は、この手順を省いて「③刺繍枠に布を張る」に進みます。
【チャコペーパーを使った図案の写し方】
1. 刺したい図案を、鉛筆でトレーシングペーパーに写します。

目黒愛
2. 布、チャコペーパー、図案を写したトレーシングペーパーの順に重ねてトレーサーでなぞります。

目黒愛
3. 図案が布に写せました。図案に沿って刺繍をしていきましょう。

目黒愛
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③刺繍枠に布を張る

目黒愛
図案が中央にくるよう、刺繍枠に布をピンと張ります。綺麗に張るポイントは、少しずつ四方に、均一に布を引っ張ることです。四方に布が綺麗に引っ張られていることで、図案通りに刺しやすくなります。
布の素材が木綿や麻の場合は、できるだけきつめに張ると、仕上がりが綺麗になります。柔らかい布を刺繍枠に張る場合は、生地が伸びすぎないように優しく張りましょう。
④刺繍糸を針に通して準備する
刺繍枠に布を張れたら刺繍糸の準備をします。刺繍糸は縫い糸と異なり「◯本どり」というとり方をします。本数が多くなるほど太い線(ステッチ)を刺せます。
刺繍糸は短すぎると縫いにくく、長くとり過ぎると絡まったり糸が傷む原因になるので注意しましょう。一回に切って使う糸の長さは50cmくらいがおすすめです。これは、ヨーロッパ刺繍でも日本刺繍でも、50cm(女性の肩幅程度)が目安と言われているようです。
⑤刺繍をする
刺繍枠に布を張り、針に糸を通したら刺繍をしていきます。図案をお持ちの場合は図案に記載しているステッチで刺していきましょう。慣れてきたら、自分好みのステッチを取り入れて刺繍をすることもできます。
基本のステッチについて
ステッチとは縫い目のことで、様々なステッチを組み合わせることで形やデザインを作っていきます。ステッチの種類はたくさんありますが、多くのデザインに使用される基本のステッチを覚えることで、様々な図案を刺せるようになります。
⑥好きなアイテムに仕立てる
作品を仕立てる場合は、刺繍が完成してから仕立てましょう。刺繍した布は様々なアイテムに仕立てて楽しめるので、お好きなシーンで活用できるのが魅力です。
初心者におすすめの仕立て方
額縁に入れて飾る
仕立てるのが難しいという方は、お好みの額縁に入れて飾るだけでも絵になります。インテリアとして幅広く楽しめるので、刺した刺繍をすぐに活用したいという方におすすめです。
ハンカチに仕立てる
刺繍した布でハンカチを作ると、毎日使えるアイテムとして楽しめます。小さなハンカチなら手縫いでも挑戦できるのでお裁縫に自信がないという方にもおすすめです。
ミニ巾着に仕立てる
小さめの巾着も、刺繍の仕立て方法としておすすめのアイテムです。こちらも手縫いで作れるので、気になる方はチャレンジしてみましょう。無地の布でも刺繍のワンポイントがあるだけでおしゃれな印象に仕上がります。
初心者向けのキットなら仕立てまでスムーズに作れて安心!
はじめての刺繍をおしゃれに楽しむのなら、仕立て方法まで解説しているCraftie Homeのキットがおすすめです。どんなインテリアにも馴染むデザインばかりなので、お好きな手作りアイテムで暮らしに刺繍を取り入れてみましょう。
※ご紹介するキットには刺繍枠が含まれていないものもあるのでご注意ください。詳しくは商品ページをご覧ください。
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初心者の方が刺繍をする場合には、ご紹介したように「刺繍枠」「刺繍糸」「刺繍針」「刺繍をする布」があればはじめることができます。道具には各メーカーの様々なアイテムがありますが、この記事でご紹介した内容を参考に選んでみてください。基本の道具を揃えることで、初心者の方でも美しい作品づくりができるようになります。
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