こんにちは。ウィービング作家のMaiです。
これまで、経糸の張り方、平織りのやり方、フリンジの作り方、羊毛の織り方をご紹介してきました。今回は少しだけ難易度を上げて、模様を作る方法をご紹介します。まずは、シンプルな点線とボーダーを作ってみましょう!
織物で模様が作れる仕組み
織物は、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)の組み合わせでできています。
糸の色や織り方を変えることで、表から見える色を調整し、さまざまな模様が織られています。例えばデニム生地は『綾織り』という織り方で作られていて、経糸と緯糸の太さと色が違うので、仕上がった生地の表面は青っぽく、裏面は白っぽく見えます。
今回は、この表側から見える糸の色を変えながら点線とボーダーを織っていきます。
点線とボーダー模様の織り方を練習しよう
模様が織れるようになるとデザインの幅がぐんと広がるので少しずつマスターしていきましょう。今回はコースターを作りながら、織り方を紹介します。所要時間は30〜45分程度です。
材料
- 好きな色の毛糸(中細〜合太)4色 各10g程度
- 土台用毛糸(4色の毛糸より細目のもの。経糸用の糸でも代用可)少量
- 経糸用コットン糸 少量
道具
- 織り機
- 織り針
- くし
- ハサミ
ベースの準備
ベースの作り方
- 経糸の張り方のページを参考に、経糸を張ります。
- 経糸と同じ糸を使って、2~3往復、平織りをします。
- 次に、全体のベースにしたい毛糸(ここでは白の太めの毛糸)を2往復平織りします。織り終わったら切らずに針にセットしたままにします。これでベースの完成です。
点線の織り方
それでは、模様を織っていきましょう。
点線は平織りの特徴をうまく使って、表に見える部分と見えない部分を作ることで模様になります。つまり、お裁縫の『波縫い』と同じです。そう思うと簡単にイメージできるのではないでしょうか?
点線の織り方
- ベースを作った時と、綜絖(そうこう)の向きを変えます。
- 点線にしたい毛糸(ここではミントグリーンの毛糸)を1方向だけ平織りします。※細い糸なので、目立つように2本どりにして織っています。
- 右側に数cmほど糸の端を残します。これは織り込まずに残しておいて大丈夫です。
- 再び、ベースの糸(白い毛糸)で1往復半平織りします。
- 綜絖の向きを変えて点線用の糸を1方向平織りします。
- ベースの糸で2往復織ります。点線の模様ができました!
ボーダーの織り方
ボーダーは、毛糸の色を変えるのみで、基本的な織り方です。ただ、縞模様の太さによって少し方法が異なりますので、太いボーダーにしたい場合と細いボーダーにしたい場合とで2種類の方法をご紹介します。
①太いボーダーの織り方
- 太いボーダーは水色の毛糸で説明します。まずは2往復平織りします。織り始めと織り終わりの糸端は内側に織り返して裏に隠します。(平織りの工程4.参照)
もっと太くしたい時や、使っている糸が細い時は3〜4往復しても大丈夫です。 - 再びベースの糸で1往復半~2往復平織りします。
- 太いボーダーはこれで完成です。
細いボーダーの作り方
- 細いボーダーは黄色で説明します。細めにするため、往復はせず1方向だけ平織りします。糸の中心がおおよそ真ん中の経糸の位置に来るように配置します。
- 左右の糸端を内側に向かってそれぞれ平織りします。糸の端が重なるところで、糸端を裏に出します。(中心で重なっていなくても大丈夫です。)
これで細いボーダーの線が入りました。
- ベースの糸を1往復します。
- 先ほどと同じ方法で黄色の糸を織り、最後にもう一度ベースの糸を1往復半織ります。
細いボーダー模様ができました。
コースターを完成させよう!
模様ができたら、コースターを仕上げましょう。
作り方
- ここまで織ってきた方法で、ボーダーと点線模様を繰り返して作ります。(この写真では、黄色い線を中心にして対称になるように模様を入れました。)織り終わったら、最初にベースとして織ったものと同じ糸(経糸用の糸)で2~3往復平織りします。
- 経糸ごと枠から外します。
- 裏返して、左右に飛び出している緯糸の糸端をかぎ針を使って内側に入れ込み、2cmほど残してカットします。
- 経糸は2~3本ずつの束にして結びます。(経糸の本数が奇数だったので、ここでは左端だけ3本ずつで、そのほかを2本ずつまとめて結んでいます。)
- 結び終わったら、糸を好きな長さで切りそろえて、完成です!
模様を組み合わせてウィービングを楽しもう!
点線とボーダーの組み合わせはシンプルでインテリアとも合わせやすいので、いろいろな糸で織ってデザインを楽しんでみてください。
今回はコースターを織りましたが、慣れてきた方は、もっと大きく織ればタペストリーやランチョンマットにアレンジすることもできますよ。
織物の作り方をワークショップで学ぼう!
一人で作るのは難しい……! まずは体験してみたい! と感じたら、Craftieでワークショップを探してみませんか。専門家によるクラフト体験のワークショップが見つけられます。初心者の方、気軽にものづくりにチャレンジしてみたい方にもおすすめです。