こんにちは。ウィービング作家のMaiです。
ウィービングといえば羊毛と言っていいほどに、まず真っ先にマスターしたいのが羊毛の織り方です。「羊毛フェルト」というと馴染みがあるかもしれませんが、同じ素材のものをウィービングでも使っています。
綿のようなモコモコとしたテクスチャーがおもしろい羊毛は、タペストリーでもよく使われる素材なので、今回は羊毛の種類と織り方をご紹介します。
羊毛にはいろいろな種類があります
ロムニーやコリデール、メリノなどをはじめとして、羊毛にはさまざまな種類があります。毛のテクスチャーは羊の種類によって、柔らかいものや硬いもの、直毛のものやカールしているものなどがあります。
形状にも色々あり、毛を洗う前の「フリース(原毛)」、洗った後でとかす前の「スカード」、機械でとかしながら平面状にした「カーデッド」、さらにそれを棒状にした「スライバー」や「ロービング」があります。ウィービングでは主にスライバー、ロービングという棒状になったものを使います。
カラーは、染めていないナチュラルなものであれば白や茶系、グレーなどがあります。でも毛糸のように染めることもできるので、実にさまざまなカラーバリエーションがあります。パステルのように薄くて繊細な色もあれば、ビビッドで鮮やかなものまで。好みの色合いをいくつか持っておくと作品作りが楽しめますよ!
ウィービングに適した羊毛は?
作りたいものによって適した種類は変わりますが、インテリア用のウィービングの材料として使うのであれば、好みの風合いと色で選んで問題ありません。(例えば肌の上に着用する衣類などの場合は、選び方が変わります。)
毛糸と同じでアクリル製でつくられた素材もあり、質感は変わりますがこちらも羊毛と同じように使えます。
もこもこの羊毛タペストリーの織り方
それでは、羊毛のタペストリーを作ってみましょう!所要時間は45分〜1時間程度です。
最初に、ウィービングをする時の下準備として経糸を張っておいてください。≫経糸(たていと)の張り方はこちら
材料
- スライバー状の羊毛(2~4種類程度あるとよい) 各10g程度
- 極太毛糸(なければ羊毛でOK) 10g程度
- 経糸用コットン糸 少量
- 枝または棒 作品に合わせて長さ15~20cm程度
道具
- 織り機
- 織り針
- くし
- ハサミ
作り方
- 羊毛を手で裂いて、太さを調節します。人差し指を親指の付け根につけた程度の太さを目安にお好みで裂いていきます。
- 太さをランダムにしたい場合は、太いものと細いものどちらも作っておきましょう。30cm〜50cmほどの長さのところを両手で少し間隔をあけて持ち、左右に引いて引き離します。
- 裂き終わるとこのようになります。
- 織り始めは、経糸用の糸で3往復平織りしておきます。ここから羊毛を織り始めますが、針を使わずに手で織ります。極太毛糸もしくは細めの羊毛を、経糸を2本ずつとって上下に織り、くしで下に下ろします。(経糸が奇数の場合は左端だけ1本で織って調節します。)
- 尻尾の部分は内側に織り込んで隠します。
- 2本ずつになった経糸の上下が先ほどと反対になるようにすくっていき、右端に戻ります。
- くしでおろしたら、端を3cmほど残して羊毛を切り、最初と同じく端を内側に織り込みます。
- 好きな色の羊毛を手に取り、経糸3~5本おきに織り込んでいきます。一定の間隔にしてもランダムにしてもどちらでも構いません。好みのポイントで手前に引き出す様にしてボリュームを出しても良いでしょう。
- たまに途中で折り返すように反対向きに織ると羊毛の形が変わっておもしろいです。
- 左端まで行ったら折り返して同じように織ります。
途中で羊毛が終わってしまったら次の羊毛を用意して続きを織ります。
- 繰り返し左右に行ったり来たりしながら好きな大きさまで織っていきます。
- 最後は経糸の糸で3往復平織りして固定します。
- 裏返して、余分な羊毛をカットしたあと、上下の経糸を始末したら完成です!
慣れてきたら織り方をアレンジ!
もこもこがかわいい羊毛は、色の選び方次第で印象が変わります。
*かわいい印象に仕上げたい時は・・・
羊毛を細めに裂き、2色を合わせて織るとロリポップのように色が混ざってかわいらしいデザインに。
*ナチュラルに仕上げたい時は・・・
白の羊毛だけを使い大きめに作ると、ナチュラルな北欧風のインテリアデコレーションに。
*明るくポップに仕上げたい時は・・・
ビビッドな3色を使うと、鮮やかでポップな印象に仕上がります。子ども部屋用のタペストリーにしても良いですね。
羊毛の織り方は数通りありますが、今回は自由な織り方に挑戦してみました。
規則的な織り方でも基本は経糸に絡めるように織っていくので、原理は一緒です。羊毛で遊ぶ気持ちで楽しく作ってみてくださいね。
織物の作り方をワークショップで学ぼう!
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