こんにちは。ウィービング作家のMaiです。
道具を揃えていざ「手織物を始めよう!」と思った時に、まず迷うのが経糸(たていと)の張り方ではないでしょうか?今回は、ウィービングのベースとなる経糸の張り方をわかりやすくご説明します。
ウィービングについては以前こちらの記事で詳しくお話しました。そもそもウィービングとは何?という方はぜひ読んでみてくださいね。
まずはウィービングをしやすい環境を整えよう
木枠を使ってのウィービングはテーブルの上で行うのが一番おすすめです。慣れてくると膝の上など、どこでもできるようになりますが、最初のうちは安定したテーブルに織り機を置いて始めましょう。
手元のスペースは木枠の幅の2倍くらい取れると作業がしやすくなります。
必要な道具と材料を織り機の横に置いて、すべてが手元にある状態で織り始めます。毛糸の量が多い時は、足元にバスケットなどを置いてまとめておいても良いですね。
≫ウィービングに必要な道具リスト
≫ウィービング作家おすすめの材料
経糸(たていと)とは?
織物は、「経糸(たていと)」と「緯糸(よこいと)」で成り立っています。(仕組みを詳しく知りたい方はこちら。)
織物の生地をよく観察すると、縦に向かう糸(経糸)と横に向かう糸(緯糸)がクロスしているのが見えませんか?
ウィービングでは、この縦に向かう経糸を木枠に張っておき、そこを横向きに通る緯糸をぎっしりと詰めていくことで手織物を作ります。
ウィービングの下準備!経糸を張るときのポイント
緯糸は、ウィービングの途中で失敗してもその場ですぐにやり直せます。でも、ベースとなる経糸はきちんと張られていないとすべてを解いてやり直さなくてはいけなくなってしまいます。経糸は手を抜かずにていねいに張っておくことが肝心です。
経糸には丈夫で伸び縮みしにくく、十分な強度のあるコットン糸を使うことをおすすめします。
≫経糸に適した糸の選び方
また、糸が途中で足りなくなったり切れてしまったりすると困るので、量を多めに用意しておくこともポイントです。
基本の経糸の張り方
それでは実際に経糸を張ってみましょう!所要時間は15分程度です。
今回は、おすすめの木枠の織り機『ヘルムート・ミューラー』を使ってご説明します。(おすすめの織り機の説明はこちら。)
材料
- 経糸用コットン糸 少量
道具
- 織り機
- ハサミ
作り方
- 織り機の下部のバーに、経糸用の糸を固結びで結びつけます。今回は左から8番目のスリットに糸を入れてぐるっと結んでいますが、作りたい作品の幅に合わせて位置を決めて構いません。
- そのまま糸を上部のバーまで持っていき、同じ位置(今回は左から8番目)のスリットに糸を通し、1つ右のスリットからUターンするように糸を入れます。
- 中央に横たわるこのバーの名前は綜絖(そうこう)と言います。左端の糸は自然に入る位置へ入れ、上のバーから戻ってきた糸はその1つ右隣に入るようにします。
このようにある程度糸がピンと張った状態で作業しますが、この張り具合は人それぞれで構いません。ただ、途中で力加減が変わらないようにだけ注意してください。 - 下部に戻り、左から8番目のスリットに再度入れてから、Uターンして1つ右のスリットに糸を入れます。
- 上部に戻ります。先ほどUターンした時にかけた、左から9番目のスリットに糸を入れて、同じように1つ右のスリットからUターンします。これを繰り返します。
- このように上下のバーはすべて1つのスリットに2本糸が入る状態になります。(両端の2箇所は例外です。)これに対して、綜絖は1つのスリットに1本ずつ糸が入ります。
全体図です。
- 好きな幅になるまで繰り返して、糸を張っていきます。張り終わったら上部のバーに糸をかけて、15cm程残して切ります。今回は左から8番目のスリットから始めたので、右から8番目のスリットで終わらせています。
- 切った糸を上部の手前のバーに一回転させてから固結びします。
- 綜絖を手前と向こうに傾けてみてください。この時、糸が交互に上下して動いていればOKです!
最後にチェック!こんな時は修正が必要です
*綜絖に糸が2本以上重なって入ってしまっている
糸が同じところに入ってしまった場合は、端からずらして修正してください。
*糸に張りがない
手のひらで全体を軽く押して、少しバウンスするくらいの張り具合がちょうど良いです。もし張りが弱い場合、下のバーのネジを緩めて手前に引いて張り具合を調整してください。
糸の張りは強すぎると織りにくいですが、緩すぎると緯糸がきれいに下りません。何度かトライしながら好みの張り具合を見つけていきましょう!
*バーの糸が外れかかっている
上のバーにかける時は、しっかりと糸がかかっているか見えづらいので注意です。爪の中に糸が入ったか手で確認するようにしましょう。しっかり入っていないと、糸が抜けたり緩んだりする原因になります。
*固結びが緩んでいる
最初と最後の片結びはしっかりと結びましょう。途中で緩むと結び直すのが難しいです。
釘を打ち込んだタイプの織り機を使う場合
このような木枠の上下に釘を打ったタイプの織り機を使う場合、経糸の張り方はもっとシンプルです。
左下の釘に経糸を固結びで結びつけたら、上下に行ったり来たりするだけです。一つずつ、釘に経糸がかかるように張っていきます。最後は右上の釘に経糸を固結びで留めて完成です!
このタイプの場合、綜絖と下のおさえがないので、写真のように7~10cm幅の厚紙を下の釘に沿わせるように差し込みます。上には、物差しもしくは厚紙を綜絖の代わりとして用意します。差し込む時に、経糸を上、下、上、下と1本ずつ交互にすくうようにして挟み入れてください。
経糸の張り方をマスターしたら、次は平織りにチャレンジ
今回はウィービングの基本である経糸の張り方についてお伝えしました。次回は、同じくウィービングの基本である『平織り』を実践してみましょう。ぜひご覧くださいね!
織物の作り方をワークショップで学ぼう!
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