こんにちは。ウィービング作家のMaiです。
みなさん、『さをり織り』って知っていますか?雑貨屋さんや百貨店のイベントなどで目にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。さをり織りは伝統的な従来の織物と違って、誰でも楽しめるスタイルが特徴。日本で生まれた自由な織物なのです。今回はそんなさをり織りとはどんな織物なのか?をお伝えしたいと思います。
『さをり』織りとはどんな織物?
さをり織りには織り図がなく、色や織り方、織り機、素材など制約がありません。これまでの織物のルールである均一性やパターン化から抜け出した、いわば真逆の表現方法を追究した自由な織り方です。
さをり織りの名前の由来と、考案者・城みさをさん
さをり織りは今から50年前、城みさをさんという日本人女性によって生み出されました。
規則正しく織ることで繊細な模様を作り出すという従来のスタイルに囚われず、城さんは当時では「傷もの」と呼ばれる独特な模様やゆがみに惹かれ、「差異を織る」という意味の『さをり織り』を考案しました。
城さんはこの織り方を人々に伝えていく中で、織物は教えるものではなく織り手の個性を表現するアートだと気が付いたといいます。
織りの楽しさ、自己表現の素晴らしさを伝えるために、長年に渡り世界各国でワークショップや展示会を開催され、今やさをり織りは英語でも”SAORI weaving”として世界中で親しまれるようになりました。
さをり織りの特徴
さをり織りで作られる織地は、どれも世界で一つしかないオリジナルです。
自由に織ることがコンセプトなので、専用の織り機が必要なわけではなく、どんな織り機を使ってもOKです。
デザインして作られる模様や、計算して正確に織られる機械織りとは違い、あえてランダムに織ることで、その不規則性が偶然おもしろい模様を生み出すこともあります。
コツは、頭で考えすぎないことです。たまたま手元にあった糸を使ったり、誰かが使った後の糸くずや、家にある残りの素材を織り込んだり。こうして同じものは他に一つとしてない織り地が出来上がり、一人一人の手から生まれる感性が表現できます。
織り物の技術がない方やお子さんにもおすすめ
織物の技術がない初心者の方やお子さんが織っても、ユニークで素敵な作品が生まれます。また、感性を生かした手仕事の一環として、福祉作業所などでもさをり織りの技術を使った作品が多く作られているようです。
さをり織りはルールにとらわれない織物なので、織れば織るほど自分らしい表現が磨かれていきます。
お裁縫が好きな方は、さをり織りの生地を使ってポーチやクッションカバーなどを作ってみてもいいですね!
さをり織りワークショップが体験できる場所
さをり織りは年々多くの人に知られるようになっていて、実際にワークショップなどでストールなどを作りながらさをり織りを体験できる場所も色々あります。(上級者はベストやスカートといった洋服作りができる教室も!)興味がある方はぜひチャレンジしてみてください。
さをり織りは織物の経験がない人ほど楽しめるスタイルです。織物が初めての方でも1日でストールなどのアイテムが作れるので、ぜひあなただけの織り地を作ってみてはいかがですか?
織物の作り方をワークショップで学ぼう!
一人で作るのは難しい……! まずは体験してみたい! と感じたら、Craftieでワークショップを探してみませんか。専門家によるクラフト体験のワークショップが見つけられます。初心者の方、気軽にものづくりにチャレンジしてみたい方にもおすすめです。