紅葉の秋からやがて落葉し、冬景色へ。自然界から冬到来のメッセージです。
この時期、フラワーデザインはオータムカラーからクリスマスカラーへ。街を歩いても、レストランに行っても、リースやツリー等クリスマスのディスプレイが華やかに彩られ、目を楽しませてくれます。パーティーの準備や贈り物を求める為に出掛けたりと忙しいですね。
今回は、ご家庭で簡単にできるクリスマスのフラワーデザインのアイデアをご紹介しましょう。
前回ご紹介したミニクリスマスツリーの作り方ともあわせて、ぜひこのシーズンの手作りインテリアのアイデアとしてお役立てください。
クリスマスカラーでフラワーアレンジメント
赤、緑、白のクリスマスカラー。この3色にはそれぞれ意味があります。赤はキリストが流した血と愛を表し、緑は生命(常緑樹崇拝)、白は雪と純潔を指します。
ポインセチアや柊など、それだけでもクリスマスをイメージさせる花材もありますが、赤、緑、白のカラーに組み合わせることで、クリスマスらしいデザインにすることができます。リースやツリーもこのクリスマスカラーが使われていることが多いですよね。
花材:スプレーバラ、ワックスフラワー、かすみ草、レッドブルニア、ドラセナ、白塗りの枝
赤い花材として人気のあるもの
赤い花材としてよく使われるものには、バラ、ポインセチア、サンキライ(サルトリイバラ)、柊や野バラの実、グロリオーサ、サンゴミズキなどがあります。
その他にも深紅色のラン、ガーベラ、カーネーション、ダリア、ヒペリカム、レッドブルニア等が使われることもあります。ちなみに、ポインセチアの大きな赤い花に見えるところは苞(ほう)と呼ばれ、その中央にある赤と黄色の小さい部分が花です。
グリーンとしてよく使われる緑の植物
緑はモミ、クジャクヒバ、ヒムロスギ、柊、ユーカリなどが用いられ、常緑樹であることが、永遠の意味を持たせています。命や平和が永遠に続くようにという願いがあります。ヨーロッパでは古くから樹木信仰があったようです。
白い花材にもいろいろなものがあります
雪と純潔を表す白色。白い花材はバラ、ラン、ユリ、トルコキキョウ、ストック、レースフラワー、かすみ草、クリスマスローズ、シンフォリカルポス、マトリカリヤなどたくさんあります。
また、花ではありませんが、ミツマタや綿、枝を白く塗ったものやそれにラメを吹き付けたもの、金銀の飾りなどを使うこともあります。ポインセチアは造花を使うこともあります。
簡単にクリスマスのムード作りができるキャンドルアレンジメント
クリスマスの重要なモチーフの一つであるキャンドルと一緒に楽しめるようなフラワーアレンジメントのレシピをご紹介しましょう。クリスマスパーティーなどでは食卓にキャンドルを灯すだけで、あたたかいクリスマスの雰囲気を演出することが出来ますよ。
材料
- スプレーバラ(赤)
- オンシジューム
- ワックスフラワー
- ドラセナ
- 柊
- キャンドル
- ペットボトル(500ml)
- アルミワイヤー(オアシスでもOKです)
- ラッピングペーパー
- ビニールテープ
- 輪ゴム、又はセロテープ
作り方
- ペットボトルを下から5~6cmのところで切り、怪我をしないように、縁に目立たない色のビニールテープを貼ります。
- オアシスの代わりにアルミワイヤー3mmを60cmくらい切り、まるめて1.の中に入れます。これが、オアシスの代わりになります。(オアシスでも構いません)
- 中央にキャンドルを立てます。上手く立たない時は、アルミワイヤーの量と丸め方を調整してみて下さい。
- ラッピングペーパーでペットボトルを包むように覆い、輪ゴム、又はセロテープで留めます。このように、両面がきらきらしているラッピングペーパーはとてもきれいです。飾る場所やインテリア、花との色の調和を考えて、キャンドルやペーパーの色を変えても良いでしょう。
- ドラセナ、バラ、オンシジュームをアルミワイヤーの間に挿していきます。
- ワックスフラワー、柊も挿して完成です。
ガラスの食器を使ったアレンジメント
こちらは、ガラスの食器を花器として使うアレンジメントのアイデアです。特別な花器や花をアレンジする道具がなくても気軽にトライすることが出来ます。
材料
- お好きなクリスマスカラーの花材(ここでは、ドラセナ、かすみ草、デンファレ、レッドブルニア、柊を使用しています。)
- ガラスの食器
- アルミワイヤー
作り方
- アルミワイヤーをこのように丸めて、ガラスの食器にセットします。
- アルミワイヤーをベースにして、そこに花材を指していきます。
- ドラセナを数枚、2つに軽く折ってアルミワイヤーの所に挿します。かすみ草、デンファレ、レッドブルニアを挿し、最後に柊を挿したら完成です。
クリスマスシーズンを彩るいけばな
いけばなの場合も、赤・緑・白をメインに使うことでクリスマスらしく活けることができます。自宅でもパーティーの会場でも、お客様を迎える入口に飾る花を「待ち受けの花」と言います。まず、このいけばなやフラワーアレンジメントがお客様をお迎えし、お客様に歓迎の意を表し、楽しい会話へと導いてくれます。
花材:バラ、雪冠杉、クリスマスホーリー、ドラセナ、白塗りの枝
花材:バラ、クジャクヒバ、ドラセナ、ミツマタ
おみやげとしてお持ち帰りできる素敵なラッピングアイデア
まだ私が若かりし頃、クリスマスの時期ではなかったのですが、あるレストランに行った時のこと、コースの最後にコーヒーと一緒にかわいらしいクッキーがいくつもお皿に盛られて出てきました。それに至るまでにたくさんのお料理を戴きましたので、お腹がいっぱいで食べられませんでした。すると、帰り際にレストランのウェイターがそれをお土産にしてくれたことがありました。アルミホイルでクッキーを包んで持ち手のついたプチバックを作り、そこに目の前にあった大きな生花のフラワーアレンジメントの中から一輪取ってさりげなくそのプチバックに挿してくれました。お腹も心も満たされてとてもハッピーな気分でお店を後にしました。
発表会やパーティーの最後に、飾ってあったフラワーアレンジメントを持ち帰っていいですよと言われることがありますが、このようにコサージュ風にまとめてお菓子に添えたり、ミニ花束にしてギフトと共にプレゼントするのもホストのおもてなしの心が伝わるのではないでしょうか。
それでは皆さん、良いクリスマスをお迎えください。
Merry Christmas!