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和風にも洋風にも合う『つまみ細工』の魅力

flowerflakes

『つまみ細工』という手芸をご存知でしょうか?

小さな小さな布を使用して、様々な花や動物を表現する日本の伝統工芸です。折り紙の鶴を折れる方なら、どなたでも簡単に可愛いお花を作ることができます。今回はその歴史や使う材料、作品を通じて、つまみ細工の魅力をお伝えしたいと思います。

後半のこちらの記事では、実際に『紅葉』のモチーフの作り方をご紹介していますので、身近にある布で是非トライしてみてくださいね。

つまみ細工とは?

つまみ細工は、七五三や舞妓さんのかんざしや髪飾りに見られる、日本独自の伝統工芸です。羽二重やちりめんなどの生地を小さくカットし、折りたたんで並べることで、季節の花や蝶、鶴などを表現します。

もともとは京都の宮廷の女性が余り布で作っていたものが、江戸時代に武家の子女にも伝わり、町人にも広がったと言われています。明治大正時代の女学校では、ちりめん細工などと共に端切れをリメイクする手芸として、教科にも採用されていました。

女性の髪飾りとして進化した『つまみかんざし』の他に、自然や動物を表現して額縁の中に独自の世界を形作る『つまみ画』というものもあります。

以前は殆ど認知されておらず書籍も数冊しかありませんでしたが、この10年で驚くほど認知が広がり、書籍も多く出版されています。愛好家や作家、教室も増え、これまでにはなかった技法や新しい表現が数多く生まれていますので、現代では着物のみでなく、普段の洋服やドレスに合わせるアクセサリーに仕立てることも可能です。

身近でシンプルな材料で作れます

必要な材料は小さな端切れと糊、ボンド、お好みの金具。道具はピンセットと牛乳パックや下敷きなどの板のみ。

基本は『丸つまみ』と『剣つまみ』の二つだけというシンプルな手芸です。基本がシンプルな分、工夫次第で様々なものを表現でき、自分の創意を生かすことのできるところがつまみ細工の魅力です。

材料を揃えるのが大変、必要な量だけ欲しいという方はキットを使って作るのもおすすめです。様々なキットがありますので、お気に入りのものを見つけてみてください。

つまみ細工のキットを見る

つまみ細工で使われる布

さて、つまみ細工にはどのような布が使われるのでしょうか?

実は、どんな布でも使うことができます。基本的には、薄くて張りがあり、折りたたんだ時にシワが残るような生地が扱いやすいのですが、厚い生地は縫い留めたり、シワになりにくいポリエステルはホットボンドを使ったりと工夫することで使用することができます。

初心者さん向けの生地は、ボンドで接着が容易なレーヨンちりめん、適度な張りがあり、入手しやすい薄手のコットンなどがおすすめです。

つまみ細工用に染めや糊張りをしたものは入手できるお店が限られていますが、職人さんが使用する羽二重生地も、独特の艶と透明感があり、とても美しい作品を作ることができます。

また、着物の八掛や裏地、帯揚げに使われているような薄手のちりめんも、つまみ細工に向いています。

現在は、100円ショップなどでもレーヨンちりめんが置いてあるお店がありますので、ぜひ最初は作りやすいレーヨンちりめんやコットンで挑戦してみて下さい。

つまみ細工で作るアクセサリー

つまみ細工といえば、やはりかんざしです。おめでたい松竹梅や鶴などのモチーフのほか、バラや牡丹などの華やかなお花が人気です。成人式や七五三の七歳かんざしでは二本足のかんざしが定番ですが、まだ髪の少ない三歳や七歳でも日本髪を結わない場合には、コーム型やパッチンピン型も人気です。

洋風アレンジとして、チェーンで繋げたアネモネなどはまとめ髪やボレロの前留めに活用できます。

普段使いできる小さなお花のアクセサリーには、季節のお花をちょっと忍ばせるのも素敵です。

こちらは小さなつまみ細工で干支を表現した変わり種のコサージュです。異なる生地の質感や技法を組み合わせることで、様々な動物の細かな特徴までも表現することが出来ます。

日常に取り入れられる、つまみ細工の活用アイデア

つまみ細工は、大きく華やかなかんざしやウェディングブーケ、コサージュなどに仕立てるほか、小さな小物にして日常使いするのもとても楽しく、生活を華やかにしてくれます。

小さなお花をクリップにして、シンプルなご祝儀袋を華やかにすることもできます。

こちらはパープルとオレンジ、ブラックの色違いで作り、それぞれナプキンホルダーとグラスマーカーとして使ってみました。パーティーを可愛く彩ってくれたあとは、ヘアゴムやストラップとして、ゲストへのお土産にしてもらえます。

ブルーと白のバラのモチーフは、お揃いのネックレスやイヤークリップにして、ドレスに合わせるのも素敵です。

つまみ細工の多彩な表情や、その楽しみ方や表現の幅広さが伝われば嬉しく思います。

次回は「紅葉」をモチーフにした実践的なレシピもお伝えしますので、お楽しみに!
→紅葉のレシピ記事はこちら

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ライター

つまみ細工花びら 後藤みな
つまみ細工花びら 後藤みな
誰でも気軽に楽しめる伝統工芸、つまみ細工の講座を開催しています。Craftie登録講師。 著書「つまみ細工の可憐な花々」、「初めてでも簡単 素敵なつまみ細工」(ブティック社)