布のふちを処理するときに欠かせないバイアステープ。バイアステープを用いることで、生地の端をキレイに始末できるほか、見た目にアクセントをきかせることもできます。
今回は、布のふちを処理するバイアステープの作り方と、縫い合わせ方をご紹介します。作りたい作品に合った色・柄に合わせてみてください。
バイアステープとは
バイアステープとは、生地を斜め45度にカットしたテープ状の布のこと。布のふちを包むように使う「ふちバイアス (玉縁始末、四つ折れ、などとも呼ばれます)」と、ふちを包んだり、衿ぐりや袖ぐりの見返しに使ったりできる「両折りバイアス(裏バイアス、などとも呼ばれます)」といった2種類があります。
今回は「両折りバイアステープ」を作ります。ふちを飾るバイアステープは、衣類や小物のアクセントにぴったりです。
ふちどりバイアステープの作り方
今回は薄手の綿ローンを使用しました。薄手の生地を選ぶことで、バイアステープが折り重なっているところが縫いやすくなります。厚手の生地を使用する場合は、テープ巾を広くして作ってみてください。
また、布をテープ状に裁つので、柄がランダムに入った生地を選ぶのがおすすめです。柄が細かいほうが、テープにした時に柄がきれいに見えます。
■今回つくるバイアステープについて
完成サイズ:両折りバイアステープ 18mm上がり
(布テープ巾、カット寸法 3,5cm~4cm巾)
※生地が厚い場合は、布テープ巾、カット寸法を広くしてください。
必要な道具と材料
バイアステープの必要な材料と道具は以下のとおりです。
材料
- 布(今回は薄手の綿ローン)縦50cm×横50cm
- ミシン糸 60番
- バイヤステープを縫い付ける練習用の布(無地、白)15cm×15cm
道具
- 布切りバサミ
- 糸切りバサミ
- チャコペン
- まち針
- 定規
- 目打ち
- ミシン
- ミシン針11番(普通地用)
- アイロン
- バイヤステープメーカー(あれば)
バイアステープメーカーとは、バイアステープの折り目が付けられる道具です。
カットしたテープを通すと自動的に左右の生地が折れてくれるので、その折り目に沿ってアイロン処理をすればOKです。
バイアステープの作り方
今回は、バイアステープメーカーを使用しない方法で作り方を解説します。バイアステープメーカーを使用する場合でも、布をカットするところまでは同じです。
作り方
- 布の左上から20cm位下がったところから、定規の45°の線を利用してバイアス線を引きます。
- 手順1で引いた線と平行に3.5cmの線をひきます。これがテープのカット線になります。
※生地が厚い場合は、布テープ巾、カット寸法を広くしてください。
- 続けて必要な分だけ平行に3,5cmの線を書きます。今回は3本分の線を引きました。
- 線に沿ってカットして、テープが3本できました。生地に耳がある場合は、耳の端から2cmでカットしてください。
- 3本のバイアステープを写真のように合わせて縫い合わせていきましょう。
- バイアステープの裏側に端から1cmに線を書きます。
- 線が書けました。
- さきほど書いた1cmの線同士が重なるように中表で合わせ、待ち針でとめます。
- 1cmの線の上を、1.5~1.7mm位の細かい縫い目で縫います。返し縫いはしません。
(返し縫いをすると、糸が重なった所がごろごろしてきれいなバイアステープが作れません)
- 縫ったら1cmの縫い代を左右に開いてアイロンをかけて、縫い代を3mmほど残してカットします。
- アイロンでバイアステープを折っていきましょう。まずは中表に半分に折ります。
- 一度開いて、中心の折り目に左右の生地の端を合わせます。
- 同様にテープの端から端まで折ります。これで両折りバイアステープの完成です。
バイアステープの縫い付け方とポイント
完成したバイアステープを使って、布のふち取りをしてみましょう。ここからは、バイアステープの縫い合わせ方とポイントをご紹介します。
バイヤステープの縫い付け方(直線)
布の直線部分をバイアステープでくるんで縫う方法です。布端の始末に使ったり、ティッシュケースの取り出し口などの強度を上げたりするのに用います。
縫い方
- 生地の裏にバイアステープの端を合わせて待ち針でとめます。折り目位置でステッチします。
ステッチをかけました。
- バイアステープの折り目を倒して、アイロンをかけます。
- 生地の端をくるみ、先ほどのステッチが隠れるようにテープをたたんで、バイアステープを待ち針でとめます。
裏側はこのようになっています。
- 画像のように、バイアステープの端から2~3mmを縫えば直線はOKです。
バイヤステープの曲線の縫い付け方
丸いカーブのある布を縁取るときの方法です。内カーブ・外カーブを縫うときは、バイアステープがズレないよう短い間隔でまち針を留めるのがポイントです。
縫い方
- 生地を裏にしてバイアステープの端を合わせ、画像のように待ち針でとめます。カーブ部分は少し多めの待ち針を使って、細かくとめましょう。
- バイアステープの折り目位置でステッチします。(生地の端から約7mm)
- 下端をバイアステープでくるむようにアイロンをかけていきましょう。手順2で縫ったステッチが隠れるようにテープをたたんで待ち針でとめます。
- バイアステープの端から2~3mmを縫って完成です。
めくってみると、裏側のバイアステープにもステッチがかかっています。
角を縁取るとき
ランチョンマットやコースターなど、角のある生地をふち取りたいときに使用します。バイアステープを角のところで45度に畳んで縫うのがポイントです。
縫い方
- 角を作りたい場所に、バイヤステープ巾の半分の寸法の印をつけます。
今回は18mm巾のテープを作ったので、9mm角の四角を印つけました。
- 右辺から縫っていきましょう。まずは画像のようにまち針でとめます。
- 印を付けた四角の角まで縫ったら返し縫いをして、糸を切ります。
- 次に下辺を縫っていきましょう。土台の布の裏を上にして置き、バイヤステープの端と土台布(白生地)の下辺を合わせて、待ち針でとめます。角部分はテープが少し余りますが、これでOKです。
- 角の余ったテープは縫っておいた右辺側に倒してまち針でとめ、倒した生地の端から直線で縫います。
下辺が縫えました。
- バイアステープを外側に倒してアイロンをかけます。角のところは自然に45°にたためていますので、そのままきれいに整えます。
- 下端をバイアステープでくるむようにアイロンをかけます。この時、角までまっすぐアイロンをかけましょう。すると、写真のように右角がなくなったような形になります。
- 右辺もバイアステープでくるみます。ステッチが隠れるようにテープをたたむと、角のテープは45°に折れます。待ち針でとめて、表側からみてバイアステープの端から2~3mmにステッチをかけます。
裏側はこのようになっています。
下辺も縫えました。
めくってみると、裏側のバイアステープにもステッチがかかっています。
バイアステープの最後を処理するとき
バイアステープの端を始末する方法です。布をぐるりと包んでふち取りしたあと、バイアステープ同士が重なるように処理します。
縫い方
- バイアステープの縫い始めは、7mmほど折って、その上を返し縫いして縫い進めます。
- 縫い終わりは、まず縫い始めに折った7mmに、同じく7mmほどを重ねてバイアステープをカットして、まち針でとめます。
- 折り線の端から約7mm位を縫います。
- 上端をバイアステープでくるむようにアイロンをかけます。縫ったステッチが隠れるようにテープをたたんで待ち針でとめ、バイアステープの端から2~3mmを縫います。
縫えました!
手作りバイアステープを使ってコースター作り
手作りのバイアステープで、パッチワークキルトを用いたコースターを作ってみませんか?パッチワークで使用した布をバイアステープに仕立てれば、作品に統一感を持たせられます。また、好きな色・柄のバイアステープでふち取りできるので、オリジナリティあふれるコースターに仕上がります。
以下の記事では、パッチワークキルトの基本「ナインパッチ」を使ったコースターを紹介しています。レシピでは市販のバイアステープを使用していますが、ぜひ自作のバイアステープで端始末をしてみてください。
バイアステープで広がるアイテムづくり
袖口や衿ぐり、布小物など、さまざまな作品の端始末に活躍するバイアステープ。生地とは異なる色柄のバイヤステープを使えば、デザインにアクセントを付けられます。ぜひバイアステープを手作りして、さまざまな作品づくりに挑戦してみてはいかがでしょうか。