さまざまな布を組み合わせて縫い合わせて、オンリーワンの作品を作るパッチワークキルト。とてもかわいいけれど作るのが難しそう.…と、手を出せずにいる人はいませんか?
実は基本の縫製作業さえマスターしてしまえば、裁縫初心者さんでもチャレンジしやすい手芸の1つなんです。
今回はパッチワークの基本「ナインパッチ」をキルティングして、オリジナルコースターを作ってみました。はじめの一歩を踏み出して、パッチワークキルトを楽しみましょう!
パッチワークキルトとは?
パッチワークキルトの説明に入る前に、まずは「パッチワーク」と「キルト」それぞれの言葉について知っておきましょう。
パッチワークとは、布と布を縫い合わせて作る布のことを指します。キルトとは、布と布の間に綿を挟んで縫ったもので、綿を挟んで縫うことを「キルティング」といいます。
キルティング生地は入園入学時に使用するバッグなどによく使用されているので、馴染み深いのではないでしょうか?
パッチワークキルトは、パッチワークとキルトを組み合わせた手芸を指します。
今回はナインパッチのキルティングを通して、パッチワークキルトを作るための方法や、パッチワークキルト技法を利用したアイテム作りについて紹介します。
以下の記事では、「フォーパッチ」の作り方をご紹介しています。ナインパッチよりつなげる枚数が少なくキルティングの工程もないので、もっと初心者向けから始めたいという方にはこちらがおすすめ。パッチワークに必要な道具も解説しています。
パッチワークとは? 道具や基本の「フォーパッチ」の縫い方まで
パッチワークキルトでコースターを作ろう!
今回の作品について
■完成サイズ
10cm×10cm
■所要時間
40分
今回はパッチワークキルトの基本を学びながら、簡単な作品が作れるようにナインパッチを作ってキルティングして、コースターに仕立てました。
角をカーブにすることで、端の始末をやりやすくしています。
生地は薄手の綿ローンを選びました。針通りも良く、初めての方にもおすすめです。
パッチワークキルトの世界では、端始末で使うバイアステープもハギレで手作りするのですが、今回は初心者向けのレシピなので、市販のバイアステープを使って簡単に仕上げています。
また、キルト芯を使用したキルティングの方法もレシピ内でご紹介するので、ぜひ参考にして下さい。
今回のキルト芯は、アイロン接着のできるのり付きの薄手キルト芯を選んでいます。アイロン接着しておくとずれにくく、キルティングがしやすくなるのでおすすめです。
キルト芯とは?
表布と裏布の間に入れるキルト芯とは、キルト綿とも呼ばれています。キルト芯を入れることでクッション効果や保温性が高まるほか、丈夫になるといったメリットもあります。
一口にキルト芯といっても、厚みや接着のりの有無などいくつかの種類があります。迷ったら一般的な中厚か厚手のものを選ぶとよいでしょう。
また、接着できるタイプのキルト芯は、しつけの必要がないので便利です。
材料
- ふちどりバイアステープ 8mm×40cm
- 表布A (4.5cm×4.5cm)×5枚
- 表布B (4.5cm×4.5cm)×4枚
- 裏布 10.5cm×10.5cm)
- キルト芯 10.5cm×10.5cm)
- パッチワーク用糸 今回は生成りを使用
道具
- 布切りバサミ
- 糸切りバサミ
- チャコペン
- まち針
- 定規(パッチワーク用)
- 厚紙
- 手縫い針(糸に合わせてお選びください)
- カッター
- えんぴつ
作り方
- 厚紙で縫い代付きの型紙を作ります。これを作っておくと簡単に線が描けて便利です。
厚紙を4.5cm×4.5cmにカットして、画像のように四方に7mm幅の縫い代線を引きます(パッチワークの縫い代は基本的に7mmです)。
中心をカッターでくりぬきます。
型紙を4.5cm×4.5cmの生地の裏にのせ、チャコペンなどで縫い代を書きます。
縫い代が書けました。同じように表布A・Bすべてに縫い代を書きましょう。
- トップを縫います。9枚の生地をお好みのデザインになるよう、表を上にして並べます。
※パッチワークやキルトの世界では、作品の表になる布をトップと呼びます。
左側の縦の列を、中心の列に中表になるよう載せます。
左端を待ち針でとめ、画像の赤線のように上端から下端まで縫います。
次の手順で詳しく解説します。
- 縫い合わせます。糸は1本取りです。生地の端から針を入れて、1目縫います。
※「1本取り」とは
糸を針に通した後、通常糸の両端を2本合わせて玉結びを作りますが、1本取りの場合は糸1本の片側のみ玉結びを作り、玉結びをしていない方を短くセットして縫い始めます。
もう一度、今針を刺した場所に戻り、返し針をします。
端から、なみ縫いで縫います。針目は、1~2mm位の細かい縫い目で縫っていきます。
真ん中あたりまで縫えました。
1度針を引き抜きます。
同様に端まで縫います。
端まで縫えました。
最後も、返し針をします。
玉止めをします。
縫い合わせました。
同じように3カ所とも縫い合わせていきましょう。
- 中心の生地を、右側の生地に中表に合わせて、重ねます。
待ち針でとめます。
縫い合わせました。
縫い代は色の濃い方にアイロンで倒します。縫いしろを倒す方向は、表から縫い代が透けて見えるのを防ぐため、濃い色の方に倒すというのが一般的です。
今回は、透けにくい黄色チェック側に倒しました。
次に横を縫い合わせます。
一番上の行と、中心の行を中表にあわせて、待ち針でとめます。
- 生地のハギ目がずれないようにぴったり重ねて、待ち針でとめます。
返し針をして端から、縫い合わせます。
上の行と中心の行を縫い合わせました。
同様に中心の行と下の行も縫い合わせます。
中心の行と下の行を縫い合わせました。
縫い代を中心側に倒します。
トップの出来上がりです。
- 角のカーブ用型紙を作ります。
5cm×5cmの厚紙をカットし、画像のように左上の角から3cmづつ印をつけて、左上から対角線上の約1.5cmに印をつけるとキレイなカーブを描きやすいです。
カーブの通りにカットして、角用型紙ができました。
- トップの角に角用型紙をあてて、四つ角ともカーブを書いていきます。
線の通りに生地をカットします。
カットしたところです。
- 裏布も同様にカーブを書き、線の通りに生地をカットします。
カットできました。
キルト芯も同様に角をカットします。
トップ、キルト芯、裏布の角がカットできました。
- 裏布・キルト芯・トップを重ねます。
裏布の裏が上になるよう置き、その上に、キルト芯(のりのついた面が上)をのせます。さらにその上に、トップの表が上になるように重ねましょう。
アイロンをかけてトップとキルト芯を接着したら、再び3枚重ねて、待ち針でとめます。
- キルティングしていきます。
キルティングは
・生地を丈夫にする
・3枚を1枚の布としてまとめる
・デザインを入れる
などの意味があります。デザインの意味もあるので、縫い目は好きに入れても良いのですが、今回は定番のハギ目(縫い合わせた縫い目のところ)に入れて、さらに大きくクロスを入れていきます(画像では赤線で示しています)。
右下のハギ目を1目すくい、今針を刺した場所に戻って、返し針をします。
しっかりと針が裏まで刺せているか、確認しましょう。
そのまま上の端までなみ縫いします。
裏まで針が通っているか、その都度確認しておきましょう。
2~3mmほどの縫い目で、細かく縫います。
端まで縫えました。最後は玉止めして糸をカットします。
裏側はこのように縫えています。
残りのハギ目、4本もキルティングします。
ハギ目全てにキルティングをしたところです。
次はクロスにキルティングを入れます。
- クロスにキルティングが縫えました。
裏から見るとこのように縫えています。
- 端をふちどりバイアステープで始末します。
テープを開いて端を5mm位折り、キルトの表とテープを中表に合わせて、待ち針でとめます。
テープの折り目を縫っていきます。
テープには3本折り目があります。キルトと合わせた、端から約4mm位の位置を縫います。
テープの端から針を入れて、1目縫います。
もう一度、今針を刺した場所に戻り、返し針をします。
端からなみ縫いします。
針目は、1~2mm位の細かい縫い目で縫っていきます。
裏側までしっかりと針が通るように縫います。
待ち針でとめながら、カーブ部分も少しずつ縫い進めていきます。
カーブ部分も縫えました。
ぐるりと縫ったら、最初に5mm折った所に重ねてテープをカットします。
カットしたテープの端まで縫ったら返し針をします。
最後に玉止めします。
ふちどりバイアステープの表側が縫えました。
裏側からもステッチが見えています。
- ふちどりバイアステープを裏側に倒して整えます。
しわが出ないようアイロンをかけて、端をきれいにくるみます。
テープを裏側に倒して待ち針でとめていきます。
テープの最後は5mmほど折って、きれいに整えましょう。
テープの裏側を待ち針でとめました。
端を縦まつりで縫います。
裏側の縦まつりが縫えました。
- 完成です。
初心者さんはキットではじめるのもおすすめ
はじめてパッチワークをするという方は、キットを利用してみるのもおすすめです。お気に入りのアイテムを手作りしながら、パッチワークを練習してみましょう♪
※楽天市場のページが開きます。
パッチワークを覚えたら、刺繍や刺し子にも挑戦♪
パッチワークと一緒に楽しみたい、刺し子と刺繍。Craftie Homeでは、刺し子と刺繍のスターターキットや、糸や布など必要な道具の単品販売を行っています♪ お裁縫のレパートリーを増やして、おうち時間をさらに楽しんでみませんか?
暮らしの中でパッチワークキルトを
パッチワークキルトのコースターはしっかりと水分を吸収してくれるだけでなく、熱いものからテーブルを守ってくれるので、冷たいコップから温かいカップまで対応できます。
パッチワークキルトはコースターの他にも、鍋つかみやランチョンマット、丈夫にしたいバッグなどにも向いているので、いろいろな作品作りに生かせる技術です。
オンリーワンなパッチワーク作品を、暮らしの中に取り入れてみてくださいね。