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ミシンの使い方ガイド | 初心者さんが知っておきたい基本の準備・縫い方

裁縫やモノづくりに多く用いられているミシン。学校で習った経験がある方もいると思いますが、いざ使おうとすると仕様が分からないなんてこともあるのではないでしょうか。

そこで今回は、裁縫の基本となるミシンの使い方について、初心者さんにも分かりやすくまとめました。

ミシンのパーツと役割

まずは、基本的なミシンのパーツとその役割についてご紹介します。

  パーツ名 役割
針板 下糸が収納されている部分の上にある金属板。縫う際にミシン針が降りてくるため、穴が開いています
糸通しレバー 針への糸通しをサポートするレバー
面板 ミシンの天秤などを収納している部分のカバー
天びん 縫う際にミシンの上糸を引き上げる働きを持つパーツ
糸調子ダイヤル 上糸と下糸の引き合う強さを調節するダイヤル
糸たて棒 糸巻きをセットするための棒。セットした糸巻きは上糸として使う場合と、ボビンに下糸を巻くために使う場合があります。また、画像のように糸巻きを横にセットするタイプのほかに、縦にセットするタイプもあります
糸こま押さえ 糸巻きが空回りしないよう押さえるパーツ
糸巻き軸 下糸を巻くときにボビンをセットするパーツ
ボビン押さえ 下糸を巻くときにボビンを押さえるパーツ
はずみ車 回すことによって針を手動で動かせるパーツ。針を上げ下げする際や、ひと針だけ縫いたい際に使います
糸案内 下糸を巻く際や、上糸をセットする際に糸を掛けるパーツ
返し縫いボタン 送り歯を逆に動かし、逆方向に向かって縫うためのボタン。縫い始め、縫い終わりに返し縫いするときに使います
スタート/ストップボタン

ミシンの稼働・停止を操作するボタン。機種によっては、フットコントローラーでスタート/ストップできるものもあります

  パーツ名 役割
角板(針板ふた) 下糸が巻かれたボビンを収納する部分のふた
押さえ 縫う際に布地を押さえて安定させるパーツ
送り歯 縫う際に布を縫う方向に合わせて送るパーツ
針止めねじ ミシン針を固定するネジ
押え上げ

押さえの位置を下げて布に密着させたり、逆に位置を上げて布を動かせるようにしたりするレバー

ミシンの基本の使い方~準備編~

それではここからミシンの基本的な使い方をご紹介します。
縫い始める前に、ミシンの準備から始めましょう。

用意するもの

一般的なミシンを利用する際には、ミシン本体に加えてミシン針・ミシン糸・ボビンを用意する必要があります。布の厚みによって適した針の太さ、糸の太さなどが変わるため、縫製する生地に合わせて選ぶことが重要です。

ミシン針については、薄手であれば「9号」、普通生地は「11号」、厚地なら「14号」かそれ以上を選びましょう。

ミシン糸は、まず普通地~厚地まで幅広く対応している「60番」を選ぶとよいでしょう。薄地の場合には「90番」、60番でも縫いにくいほど厚い布地の場合は「30番」がおすすめです。

下糸を巻く方法

手順

  1. 糸巻きの中心の穴を糸立て棒に通してセットし、さらに糸こま押さえを通して、糸立て棒の右端(横にセットする場合)まで差し込みます。
  2. 糸端を出して、ミシン本体に印刷された糸案内に沿って掛けていきます。このとき、糸がたるまずにピンと張る状態にします。
  3. ボビンを用意します。まず平らな部分にある穴に、内側から糸を通して、10cmほど外に出します。
  4. 糸巻き軸にボビンの中心の穴を通し、ボビン押さえの方にカチッと鳴るまで寄せてセットします。※機種によっては、ボビンをセットすると、写真ののようにボビンのイラストが出て、下糸巻きモードに入ったことを示してくれます。

スタートボタンまたはフットコントローラーでミシンを動かします。下糸巻きモードになっていれば、このときミシン針は動きません。ミシンの速度が早すぎると、途中で糸がたるんで糸巻き軸に巻きついたりするので要注意。あらかじめゆっくりめに設定しておくと、焦らずに下糸を巻くことができます。

下糸をセットする方法

ミシンは機種によって「水平釜式」「垂直半回転式」「垂直全回転式」など下糸周りの仕様が違っています。

ここでは最近の家庭用ミシンの主流である「水平釜式」のミシンでの下糸セット方法をご紹介します。

手順

  1. 角板(針板ふた)を外し、糸が反時計回りになるようにボビンをセットします。
  2. 糸の端が左回りになって出ていることを確認し、溝に糸を通します。糸を引き出したら、角板を閉めます。

上糸をセットする方法

手順

  1. 上糸用の糸巻きと糸こま押さえを、下糸巻きと同じ要領で糸立て棒にセットします。糸巻きから糸端を引き出し、ミシン本体に印刷された上糸案内どおりにツメに糸をかけていきます。
  2. 針の手前まで糸をかけたら、押さえを上げ、はずみ車を回して針を上げます。糸端を針の手前から奥へ向かって通したら糸通しは完了です。

ミシンの基本の使い方~縫い方編~

下糸や上糸の準備が終わったら、実際に縫製をしてみましょう。
ミシンの基本の縫い方の手順は、以下のとおりです。

手順

  1. 押さえを上げて生地を縫いたい位置に合わせたら、押さえを下げて固定します。
  2. 両手で生地を押さえながら、スタートボタンまたはフットコントローラーでミシンを稼働させます。

ミシンで縫うときのポイント

ミシンで綺麗に縫うためには、縫い方や処理にちょっとしたポイントがあります。ここからは、ミシンで縫いやすく、仕上がりを綺麗にするためのポイントを3つ紹介します。

1cmほど返し縫いをする

ミシンで縫うとき、1度縫っただけでは端がほどけてくることがあります。1cmほど返し縫いをして縫い目を重ねることで、糸がほどけにくく丈夫に仕上がります。

返し縫いをするときは、縫い始めから1cmのところで一旦針をストップさせ、「返し縫い」のスイッチを押せば、縫う方向が逆になります。

縫い始めのところまで針が戻ったら、そのまま縫いたい方向に進めばOKです。返し縫いをするときは、縫い目がずれないよう、慣れるまではゆっくり進めるのがポイントです。

生地の左右を押さえながら縫い進む

ミシンは、縫う方向に生地を送り出す「送り歯」があるため、基本的には手を放した状態でもまっすぐ縫えるようになっています。

ただし、布の重みなどが影響してズレたりすることもあります。縫うときには、針の左右の生地を軽く押さえて、まっすぐ縫えるようガイドしながら縫うのがポイントです。また、軽く伸ばしながら縫うことで、生地に歪みやシワができるのを防ぎます。

角縫い・曲線縫いは「押さえ」を上げて布を動かしながら

作りたいアイテムによっては、直線だけでなく「角縫い」「直線縫い」が必要になることも多くあります。それぞれのポイントは以下のとおりです。

角縫いの方法

  1. 角の縫い終わりまで針が到達したら、ミシンをストップし、押さえを一旦上げます。
  2. 押さえを上げたら、縫い進める方向が前になるよう生地の方向を変えます。このとき、針が布に刺さった状態で押さえを上げるのがポイントです。
  3. 方向を変えたら、再度押さえを下ろして固定し縫い進めます。これで綺麗に角縫いができるようになります。

    押さえを上げて生地の方向を変えることで、上下の生地がズレたり、シワがよってしまうのを防ぐことができます。再び縫い始めるときは「押さえを下げる」ことを忘れないようにしましょう。

曲線縫いの方法

  1. 生地の縫い目がカーブに差し掛かったら、押さえを上げて布の向きを少し調整し、また押さえを下ろして縫います。慣れないうちは、少しずつ縫って、こまめに布の向きを調整しながら縫い進めるのがポイントです。
  2. 慣れてきたら、押さえを下げたまま、両手で生地を回しながら縫うとと綺麗に仕上がります。

    大きいカーブは押さえが下がったままでも縫える場合がありますが、カーブが小さい場合は、押さえを上げながら縫うとよいでしょう。

使い方いろいろ。ミシンでできる縫い方と活用シーン

ミシンを使えば、さまざまな縫い方ができるようになります。手縫いと比べて難しい複雑な縫い方もできますし、手軽かつ丈夫に仕上げられ、縫うスピードも格段に速くなるので、作品に合わせて色々な縫い方にチャレンジしてみてください。

ここからは、代表的な縫い方と主な活用シーンを紹介します。

直線縫い

直線縫いとは、その名のとおり、縫い目が真っ直ぐ直線を描くように縫う方法です。2枚以上の布を中表に合わせて地縫いするときなどに用いられます。

ジグザグ縫い

ジグザグ縫いとは、切りっぱなしになった生地の端から糸がほつれないように、縫い目をジグザグと交差させながら端を始末する方法です。他に、布地のはぎ合わせ、ゴム付けなどにも用いられます。

かがり縫い

かがり縫いとは、ジグザグ縫いよりも細かいステッチで生地の端を縫う方法です。

切りっぱなしになった生地の端から、糸がほつれないように始末するときに行います。

まつり縫い(かくし縫い)

まつり縫いとは、生地の表から縫い目が目立たないように縫う方法です。衣類の袖や裾の処理などに行います。

直線伸縮縫い

直線伸縮縫いとは、縫い目に伸縮性がある縫い方です。縫い目が引っ張られやすい脇や股部分などの縫い合わせや、伸縮性のある生地に使用します。

ボタンホール縫い

ボタンホール縫いとは、ボタンをはめるための穴(ボタンホール)を縫う方法です。シャツやコートなどをボタンで開け閉めするデザインで作る場合に、ボタンの位置に合わせて縫います。

自分に合ったミシンで裁縫を楽しもう♪

ミシンの基本的な使い方をご紹介しました。初心者の方には聞きなれないパーツ名もありますが、基本の名称と下準備、縫い方をマスターすれば、ハンドメイドの幅もぐっと広がりますよ。

まずは簡単な直線縫いでできる作品に挑戦してみて、徐々にレベルアップしていくのがおすすめです。これまで手縫いだけしかできなかったという方も、ミシンの使い方を覚えて、裁縫の魅力を再発見してみてはいかがでしょうか。

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ライター

Craftie Style編集部
Craftie Style編集部
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