小さなお子さんから大人まで、誰でも簡単に出来る『裂き織り』。ザクザクと楽に織れて、素材感も楽しめるので、織物が初めての人にこそ知って欲しい織り方です。
でも、ウィービングのワークショップをしていると「裂き織りって、難しいですよね?」「裂き織りの材料ってどこで手に入るの?」とよく質問されます。そこで今回は、これらの質問に詳しくお答えしていきたいと思います。
裂き布の作り方もご紹介しますので、実際に裂き織りに挑戦してみたい方はこちらを読んでみてくださいね。
裂き織り(さきおり)とは?
日本の裂き織りは、もともと東北地方で生まれた生活の知恵でした。
古くなった布を裂いて紐状にし、織り物の材料として使うことで新たな用途に生かすという、昔ながらのエコロジーなアイデアです。
最近では、裂き織りのランダムな素材感や色味を活かして作られた様々な雑貨が売られています。アジアン雑貨屋さんでカラフルな裂き織りのマットやポーチを見たことがある人も多いと思います。
裂き織りの楽しさは、色・素材の自由さとオリジナリティ
市販の材料ではなく、家にある古布や古着を使うことで、世界に1つしかない作品が出来上がります。
また、色や素材を自由自在に組み合わせて作れることも裂き織りの楽しみの一つ。小さなお子さんでも出来るので、児童福祉施設などが販売用に作っている商品でもこの技術を活かしていることがあります。
海外では”Rag rug(ラグラグ)”と呼ばれる裂き布で作ったマットが有名です。Rag rugとは「ボロきれの絨毯」という意味。既製品には作れない、カラフルでオリジナリティーのある作品ができるので、裂き織りの手法で作品を作っているアーティストもいます。
「再利用」の発想はTシャツヤーンも同じ
『ズパゲッティ』など、一般的な毛糸よりも太めでざっくりと編めるTシャツヤーンの編み物がここ数年トレンドになっていますが、「布を再利用する」「端材を使う」という点では裂き織りと同じ発想ですね。
裂き布を手作りしてみよう!
裂き織りに使う「裂き布」は、ある程度の大きさがあればどんな布でもOK。
裂き布の作り方は布の特性によって2パターンあります。使いたい布をよく観察して、方法を選んでください。
その① 手で裂く
布を引っ張っても伸びず、分厚くない布であれば、手で裂きます。
その② 裁ちばさみ、ローラーカッターを使う
伸び縮みするニット地や、厚手の生地は裂くことができないので、裁ちばさみかローラーカッターで切ります。
布を裂くときは糸くずが飛ぶので、気になる方はマスクをして、掃除のしやすい場所でやりましょう。
その① 手で裂く場合の作り方
作り方
- 手で裂ける布の場合は、布端に1~2cm幅程度の切り込みを入れます。
- 両手で思いっきり裂きます。最後まで裂ききってしまわずに最後の1cmを残しておいてください。
- 2.で残した布端の横に、切れ込みを入れます。幅は、最初に裂いた部分と同じくらいで取ります。
- 2.と同様に、裂きます。これを繰り返すことで、裂いた布が1本の紐状になります。何回か続けて十分な長さになったらカットします。
- 手で玉状にするか、厚紙に巻いておきます。
その② はさみ、カッターを使う場合の作り方
作り方
- 大き目のカッターマット、ローラーカッター、定規を用意します。
- カッターマットの上で、布を1~2cm幅に切っていきます。(ローラーカッターがない場合は裁ちばさみで切りましょう。)手で裂く場合と同様、最後に1本の紐状になるよう、布端は切らずに繋げたままにします。カット幅は等間隔にならなくても大丈夫です。
- 好きな分量が出来るまでカットして、完成です。
裂き布を使って、ウィービングをしてみよう
裂き織りはウィービングで作品を作る時にも便利な技術です。(→ウィービングとは?)
布の種類を工夫すれば、毛糸では出せないボリュームを出すことが出来ます。裂いた時に出来る布端のシャギーも、織ることで素敵なテクスチャーを作ってくれます。
オススメは、柄のついた生地やタオル地、シフォン生地、デニム生地など。着なくなった古着でも良いですね。
毛糸より幅があるためスイスイ織れるので、20cm程のマットであれば1.5時間ほどで作れます。ぜひ試してみてください!→ウィービングタペストリーの作り方
織物の作り方をワークショップで学ぼう!
一人で作るのは難しい……! まずは体験してみたい! と感じたら、Craftieでワークショップを探してみませんか。専門家によるクラフト体験のワークショップが見つけられます。初心者の方、気軽にものづくりにチャレンジしてみたい方にもおすすめです。