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スモックの作り方。簡単型紙づくりから生地の裁断、衿ぐりの縫い方まで

コノトガク

赤ちゃんや幼稚園児が着るスモックを手作りできたらいいと思いませんか?

ちょっと難しそうなイメージですが、一つひとつの工程をきちんとクリアすれば、意外と簡単に手作りできます。

今回は、スモックの中でもポケットのないパターンの作り方をご紹介します。お子さまの喜ぶ色や柄を選んで、愛情たっぷりのスモックを手作りしてみてはいかがでしょうか。

赤ちゃんや幼稚園児に大活躍なスモック

スモックとは、お絵描きをしたり、外で遊んで服が汚れてしまうことを防ぐための作業着のようなものです。単に幼稚園で着るための制服というわけではありません。きちんと機能的な役割があるのです。

スモックは服の上から着用するため、ゆったりサイズがおすすめです。幼稚園や保育園によっては形・柄の指定がある場合もあるため、必ず事前に確認しましょう。季節に合わせて半袖や長袖などを用意するとお子さまが快適に遊べます。

スモック作りはむずかしい?ポケット無しならかんたん

では、いよいよスモック作りに進みましょう。今回はポケット無しのスモックを作ります。ポケット無しなら工数が少なく初心者さんにも作りやすいため、ぜひチャレンジしてみてください。

今回作るスモックについて

■完成サイズ:100~110cm
■所要時間:3時間ほど ※人によって多少前後します

ポケット無しスモック作りに必要な材料と道具

ポケット無しスモックを作るのに必要な材料と道具は以下の通りです。

材料

  • 生地 110cm巾×1.1M
  • バイアステープ(両折り)12.7mm巾×1.1M
  • 強力ゴム(8コール)45cm×1本、20cm×2本
  • 糸 60番※普通地用(今回は白色、水色を使用)

ゴムは8コールの強力タイプを使用しています。洗濯に強いゴムですが、強めのゴムが苦手なお子さまもいるので、その場合はやわらかいタイプのゴムをお使いください。

生地は薄手のローン生地を選びました。しっかりしたオックス生地やシーチング生地など、洗いやすい綿を選ぶのがポイントです。初心者の方は、中肉のシーチング生地が縫いやすくておすすめです。

道具

  • 布切りバサミ
  • 糸切りバサミ
  • チャコペン
  • まち針
  • ゴム通し
  • 50cm定規
  • クリップ
  • 模造紙(四六判/788mm×1091mm)1枚
  • 厚紙 縦15cm×横30cm(アイロン定規、縫い代ガイド用)
  • ミシン
  • ミシン針11番(普通地用)

スモックの型紙の作り方

まずはスモック作りに必要な型紙を準備しましょう。

着用モデルは身長110cmとしています。

作り方

  1. 1.スモックの型紙を作ります。前身頃、後身頃、袖の3つ枚パターンを作ります。※型紙に縫い代は入っていません。
  2. 前身頃を作ります。縦44cm、横28cmの長方形を書きます。(赤線)
  3. ガイドの印をつけます。右上の角から、左に12.5cm、下に4cmの所に印をつけます。左下の角から上に29cm、29cmの所から右に3cmの所に印をつけます。(赤線)
  4. ガイドの印を直線でつなぎ合わせます。(赤線)
  5. 右上の角から、左に12.5cm、下に4cmの所につけた印を結んだ線は、衿ぐりになります。衿ぐりはカーブにすると着やすくなるので、線の中心が1cm位へこむように書きましょう。右端の直線に対して、直角になるように注意しながらカーブにするのがポイントです。
  6. 前身頃の型紙の完成です。右端の直線は「わ」になります。「わ」とは生地を二つ折りにした際の折り目の部分のことを指します。後身頃、袖も同様に、長方形を書き、ガイドの印をつけて、線を結んで型紙を作ります。
  7. 紙を型紙に合わせてカットします。

スモック作りの前に!生地の裁断方法

型紙が完成したら、生地を裁断します。
仕上がりに影響するので、慎重にカットしましょう。

道具

  • 模造紙(四六判/788mm×1091mm)1枚
  • チャコペン
  • 布切りバサミ

裁断の流れ

  1. 生地を右端から34cmのところで折って、右側を「わ」にします。「わ」にしたところに前身頃、後身頃の「わ」を合わせて置いて、待ち針で止めます。右側に「わ」があるので、後身頃はパターンを裏返して置きましょう。左側の空いている所に袖を置きます。これは右袖になります。

    袖は左右2枚必要です。もう1枚の左袖は、型紙を裏返して、前身頃の横に置きます。
  2. 縫い代ガイドを用意します。厚紙に下記の3通りの印をつけ、それぞれ1枚ずつカットします。
    ・5mmの縫い代ガイド:縦5mm×横20cm
    ・1cmの縫い代ガイド:縦1cm×横20cm
    ・3cmの縫い代ガイド:縦3cm×横20cm
  3. 縫い代の寸法は表を見て確認して下さい。
  4. 裾に縫い代をつけます。
    型紙の裾の端に、3cmの縫い代ガイドを合わせ、チャコペンで縫い代の印を書きます。

    裾の縫い代が書けました。
  5. 脇に縫い代を書きます。1cmの縫い代ガイドを合わせて、線を書きます。角は線が交差するまで伸ばして、書きます。
  6. 袖ぐりに縫い代を書きます。1cmの縫い代ガイドを合わせて、線を書きます。
  7. 衿ぐりに縫い代を書きます。5mmの縫い代ガイドを合わせて、線を書きます。
  8. カーブに合わせて縫い代ガイドを動かしながら線を書きます。
  9. 型紙の周りに縫い代を書けました。角の印を布に書きます。
  10. 角に印が書けました。左右両方の角に印をつけます。
  11. 書いた線の通りに、生地をカットします。
  12. 前身頃の生地がカットできました。後身頃、袖も同様に縫い代をつけてカットします。左袖の型紙を置くときは、裏返すのを忘れないようにしましょう。
  13. 前身頃、後身頃、袖がカットできました。全ての型紙の角に印をつけておきます。

【5ステップ】ポケット無しスモックの作り方

生地を裁断したら、いよいよスモック作りに進みます。

5つのステップを見ていきましょう。

STEP1.袖を付ける

作り方

  1. 前身頃と袖を縫い合わせます。前身頃の表を上にして置き、その上に右袖を「中表」にして合わせます。前袖ぐりの、角と角を合わせて、待ち針で止め、衿ぐりからそで下の角まで、端から1cm幅を空けて縫います。
    ※袖には前と後があります。前後を間違えないよう確認しながら縫ってください。
  2. 前身頃と右袖が縫えました。反対側も同様に縫います。
  3. 左右の袖が縫えました。
  4. 後身頃と袖を縫います。角と角を合わせて、袖ぐりを縫います。衿ぐりからそで下の角まで、端から1cm幅を空けて縫います。
  5. 袖ぐりの縫い代を重ねたまま端にジグザグステッチをかけ、袖側に倒します。
  6. 袖ぐりの始末ができました。

STEP2.衿ぐりを縫う

作り方

  1. 衿ぐりにバイアステープを縫い付けます。
    生地の表が上になるように置きます。後身頃が手前にくる様に置いて、着た時に左後ろになる位置からテープをつけていきます。
  2. スタートは、5mmほど折って、ハギ目(後ろ袖と後身頃を縫い合わせたところ)に合わせて待ち針で止めます。
  3. バイアステープの折り目の上、端から約5mmのところを縫っていきます。衿ぐりはカーブになっており、バイアステープはカーブに合わせて伸びる性質があります。あまりひっぱり過ぎず、衿ぐりにバイアステープを合わせながら少しずつ縫いましょう。
  4. 最後の方まで縫いながら、ちょうどよい長さになるように衿ぐりに合わせてバイアステープをカットします。縫い終わりの部分は端を5mm折って、縫い始めに折ったところと突き合わせるようにします。ここがゴム入れ口になります。
  5. 生地の裏を上にして置き、バイアステープを裏側にたおして、アイロンをかけます。待ち針で止めて、テープの端から2mm位の所を縫います。このバイアステープにゴムを通すので、2mm以上内側を縫ってしまうとゴムが通しにくくなってしまいます。慎重に縫ってください。
  6. ゴム通し口はテープ同士が重ならないように、突き合わせて折っておきます。
  7. 衿ぐりにバイアステープがつきました。
  8. ゴム通し口もできあがりました。

STEP3.脇、袖下を縫い合わせる

作り方

  1. 袖口にアイロンをかけます。生地の裏が上になるように置き、まず袖口を3cm幅で折ってアイロンをかけ、折った山に合わせるようにしてさらに折り込み、3つ折りにしてまたアイロンをかけます。
  2. 袖口が3つ折りできました。同様に反対側の袖、前身頃、後身頃も3つ折りします。
  3. 身頃の袖下、脇を縫います。身頃と袖を中表に合わせて、袖口から脇の角まで、脇の角から裾まで脇を、待ち針で止めます。
  4. 先ほどたたんだ3つ折りを一度開いて布端を合わせ、裾から脇の角まで縫います。
  5. 脇が縫えました。次に、脇の角から袖口までを縫います。この時、脇の縫い代まで縫ったり、袖口~裾を一気に縫ったりしないように気をつけてください。脇の角がつってしまいます。
  6. 脇の角から袖口まで縫えました。
  7. 袖口から裾まで縫い代にジグザグステッチをかけます。袖は、写真のように上に引っ張って、直線になるようにして、ジグザグステッチをかけます。こうすることで、脇の角がつらなくなります。
  8. ジグザグステッチが縫えました。反対側も同様に縫います。

STEP4.袖口・裾を縫う

作り方

  1. 裾を始末します。
    先ほど開いた裾を3つ折りに折りなおして、端から2~3mmにステッチをかけます。
  2. 裾が縫えました。
  3. 袖口も3つ折りに折りなおして、端から2~3mmのところをぐるりと縫います。
    この時、袖口はゴム通し口を1.5cm残して縫いましょう。
  4. 袖口が縫えました。

STEP5.衿ぐりと袖口にゴム紐を通す

作り方

  1. 袖口にゴム通しで20cmのゴムを通します。ゴムの長さは着る人の体に合わせて調節して下さい。
  2. ゴムの端を結びます。
  3. 袖口にゴムが通りました。
  4. 衿ぐりにゴムを通します。左後のゴム通し口から45cmのゴムを通し結びます。
    ゴムの長さは着る人の体に合わせて調節して下さい。
  5. 完成です。

使い勝手のよいスモックを作るポイント

一旦これで完成ですが、もう少し工夫を凝らしてみると、お子さまにとって使い勝手のいいスモックになりますよ。

袖口にはしっかりめにゴムを入れる

袖口のゴムは少しきつめに調整しておくことがポイントです。ハイハイや掴まり立ちするとき、落ちてきた袖で滑るということを防ぐためです。園児の場合は、すき間から洋服の袖がはみ出て汚れるのを防ぐ役割もあります。

ただし、お子さまによってゴムをきつすぎると、痛くなったり、かゆくなったりするため注意が必要です。また、衿ぐりをきつくすると、首が窮屈になり頭が通りにくくなるので、ゆとりを持って調節するようにしましょう。

ポケットを付けておもちゃ入れに

スモックにポケットをつけるとおもちゃ入れになります。ポケット無しのスモックをマスターしたら、ポケット付きにもチャレンジしてみましょう。

■ポケット付きのスモックの作り方

材料

  • 生地 110cm巾×1.1M
  • ポケット生地 縦15cm×横26cm
  • バイアステープ(両折り)12.7mm巾×1.1M
  • 強力ゴム(8コール)45cm×1本、20cm×2本
  • 糸 60番※普通地用(今回は白色、水色を使用)

作り方

  1. 型紙を作ります。型紙を印刷し、型紙に書いてある5cmのラインを測ります。ラインが5cmであれば、正確なサイズに印刷できています。5cmにならない場合、拡大or縮小して合わせてください。

    型紙をダウンロード

    ※型紙注意点
    ・実物大の型紙です。
    ・実線は出来上がり線です。
    ・縫い代込みの型紙です。
    ・外側の点線がカット線です。線の通りにカットしてお使い下さい。

  2. ポケットを2枚、裁断します。

    ポケットが裁断できました。
  3. 周りにジグザグステッチをかけます。上端は3つ折りするので、ジグザグはかけません。
  4. 周りにアイロンをかけて折ります。左右、底は1cm、入り口は3cmの縫い代を3つ折りにします。
  5. ポケットを好みの位置に置いて、端から2~3mm幅で縫いつけます。
    今回は、裾から10cm、脇から8.5cmの位置につけました。お好みで変えてください。
  6. 完成です。

    今回はミシンで縫いましたが、手縫いでも縫う事が出来ます。時間はかかりますが、出来上がった時の喜びはとても大きいです。ぜひチャレンジしてみてください。

裏地をつけないほうが乾きやすく、毎日きれいに使える

お子さまの着る服には裏地があったほうが良いイメージですが、スモックに関しては裏地はいりません。

なぜなら、お子さまにとっては裏地付きで着心地がいいよりも、軽くて動きやすいほうがいいアイテムだからです。毎日洗濯が必要になる場合は、裏地なしで乾きやすいほうが翌日もすぐに使えて便利ですよ。

食事や通園にも、何枚あっても大活躍なスモック

食事やお絵描きのとき、何枚あっても大活躍してくれるのがスモックです。

初めて作るのは難しいかもしれませんが、一度基本をマスターすれば、手軽に作れるようになります。複数枚用意しておくと、洗濯にも便利です。生地の柄を変えると、お子さまもきっと喜んでくれるはずです。

このレシピのデザイナー

コノトガク
コノトガク
服飾学校卒業後、パタンナー、アパレルデザイナー、ミシン講師を勤めたあと、『モノ作りの人』となる。大好きなミシンを踏みながら毎日がうるおう布コモノを製作中。instagram:@konotogaku

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ライター

Craftie Style編集部
Craftie Style編集部
アート・クラフト・ものづくりを通して、日々の暮らしの楽しさ、彩り、新たなコミュニティを生み出すこと。そのきっかけを作るためのコンテンツをお届けします。