紙や木で作った人形や動物に、光をあてて影を映し出す「影絵」。子供の頃に遊んだという方も多いのではないでしょうか。
影絵人形でお子さまの好きな絵本の内容を再現したり、影絵に合わせて即興でお話し作りをしてあげたりすると、大喜びしてくれること間違いなしです。
今回は、カラーセロハンを使ったカラフルな影絵人形と、ダンボールを使った影絵シアターの作り方をご紹介します。
子どもの創造力を育む「影絵」
影絵の魅力は、なんといっても光と影を使って幻想的な世界を繰り広げられること。光の角度や強さ、色によって、影絵はさまざまな形に変化します。
また、同じ影絵人形でも、お部屋を真っ暗にするのと、朝日や夕日を通して影絵を映し出すのでは、影の長さや色が変わります。
「どんな形や色に映るのかな?」と色々な人形や動物を映し出して遊んだり、就寝前のストーリータイムに活用したりと自由な発想で遊ぶことで、お子さまの創造力を育んでくれるでしょう。
画用紙を使った影絵人形の作り方
子どもが好きな動物や乗り物、食べ物などで影絵人形を作ってみましょう。シアターがなくても、照明や夕日の明かりにかざして遊ぶこともできます。
黒い画用紙を使った影絵人形の一部にカラーセロハンを使うと、光をあてたときにカラフルな影絵が浮かび上がり、幻想的に仕上がりますよ。
たとえば、車の窓部分や魔法使いが持つステッキの先端など、アクセントとして色が入るだけで、子どもたちの想像力をより刺激することでしょう。
▼今回つくる影絵について
影絵人形サイズ:約14×9cm ※割り箸含まず
制作時間:約2〜4時間(影絵人形・シアター含む)
材料と道具
材料
- 画用紙
- カラーセロハン
- 割り箸
- テープ
道具
- カッター
- ハサミ
- 定規
- テープ
影絵人形の作り方
作り方
- 影絵になる人形を作ります。黒い画用紙に、薄い色の色鉛筆などで、作りたい人形を下描きして切り抜きます。後で紹介するシアターと組み合わせて遊ぶ場合は、シアターの窓に収まるサイズで作りましょう。
- ストーリーが広がる人形を作りましょう。シルエットだけでも形が分かるものがいいですね。
今回は、魔法使い・うさぎ・恐竜・木・傘・車を作りました。
- 人形の中に、色付きの影がでるようにさらに加工します。色を付けたい所に下描きして、その通りくり抜きます。
- くり抜いた所に、カラーセロハンをテープ又はのりで貼っていきます。
- セロハンが人形からはみ出さないように整えます。ステンドグラスのようにカラフルでかわいいですね。
- 人形を動かしやすいように、裏(カラーセロハンを貼った側)に割り箸をテープで貼り付け、持ち手を作ります。
- 影絵人形の完成です。持ち手は上からでも下からでも、動かしやすい位置につけてOKです。
- さっそく遊んでみましょう。大人が人形を動かして、子どもにみせてあげてもいいですし、子どもが人形を動かして、自由にストーリーを作って遊ぶのもとても面白いです。ごっこ遊びのように、自由に遊んでくれますよ。
- 窓際で自然の光を使って映し出してもいいですし、光が足りない場合は、裏側にランタンなどの照明を置いて、光を当てましょう。
- シアターを飛び出し、自然の光で影遊びをしても楽しいですよ。きらきら光る影がとても綺麗です。
ダンボールを使った影絵シアターの作り方
ダンボールとクッキングシートを使って、影絵シアターを作ります。
クッキングシートの大きさに合った段ボールを使用しましょう。また、スクリーン部分を切り抜く際は、クッキングシートの幅よりもひと回り小さくすることがポイント。
でき上がったら、劇場の雰囲気を出すためにリメイクシートや絵の具でデコレーションするのもおすすめです。
▼今回つくる影絵シアターについて
シアターサイズ:W46×H38×D16cm / 窓サイズ:W34×H23cm
制作時間:約2〜4時間(影絵人形・シアター含む)
材料と道具
材料
- 段ボール(1箱)
- クッキングシート(またはトレーシングペーパー)
- テープ
道具
- カッター
- ハサミ
- 定規
影絵シアターの作り方
作り方
- 段ボールの一面に、クッキングシートの幅で窓を作ります。シートを広げてサイズを決めましょう。
- クッキングシートよりも、ひと回り小さく段ボールをくり抜きます。1cmほど内側を目安にしてください。
- くり抜いた窓を正面として、ダンボールを写真のようなやっこ型にカットし、両側面と底面を作ります。
段ボールの蓋部分など、折り目のあるところをうまく使うとスムーズですが、足りなければつなぎ合わせてもOKです。今回は、窓の上は屋根型にしましたが、お好みの形で作りましょう。
- シアターの形が出来たら、窓の裏側にテープでクッキングシートを固定します。ダンボールとの隙間ができないようにピンと張ってしっかりと留めましょう。
- 側面と底面を後ろ側に倒して、端どうしをテープで固定します。
- シアターが完成しました。
- お好みでスクリーンの周りを飾りつけましょう。
画用紙やリメイクシートなどを貼ってもいいですし、絵の具で色を塗ってもいいですね。
舞台袖に幕をつけたり、下側に観客の後姿を貼ったりするとより劇場っぽくなりますよ。
光をあてて影絵遊びしてみよう
すてきな影絵人形と影絵シアターが完成したら、さっそく光を当てて影を作ってみましょう。光で反射している壁に影絵人形を向けるだけでも、壁面に影を映すことができますよ。さまざまな方法で子どもたちと影絵を楽しんでみてください。
太陽光やLEDスタンドライトで照らす
日中に影絵シアターで遊ぶ際には、シアターの背面に太陽光があたるように向きを調整して配置しましょう。部屋の灯りを控えて暗めにすると、美しい影絵を作り出せます。
日が暮れた後は、影絵シアターの背面にスタンド式のLEDライトを置いたり、スマホのライトで照らしたりしても楽しめます。クリア色の白熱電球を使った電灯を使用すると、温かみのある色で影をくっきりと映し出せますよ。
影絵人形を動かして、人形劇をスタート!
作った影絵人形を動かして、人形劇を楽しんでみましょう。影絵人形が動き出すことで、子どもたちは映画を観ているような感覚で遊べます。
子どもたちの大好きな絵本を影絵を使ってお話ししてあげたり、子どもたちが主人公のオリジナルストーリーを作って話してあげたりすることも楽しいですね。
さらに、影絵は子どもの想像力を刺激するため、自然と子どもたち自身で物語を作る創作力を育みます。お友達やご家族を招いて人形劇鑑賞会を開くことなど、新しい遊びの幅が広がることでしょう。
枕元に置く照明としても可愛い
影絵人形を影絵シアターに貼り付けて固定し、電池式の小さなライトやランタンなどを影絵シアターの背面に置くと、かわいい影絵が浮かび上がるおしゃれな照明に大変身。
また、枕元の照明として活用すれば、子どもたちがカラフルで幻想的な世界を眺めながら、寝る前のひとときを楽しめます。
光と影の不思議な世界に触れよう
夕暮れに帰る時に自分の影が長く伸びていることに、驚いたり、面白がったりと、子どもたちの影に対する反応はさまざま。それほど光が作り出す影は、子どもたちにとって不思議で魅力的な世界なのです。
影絵人形と影絵シアターでは、影を自分で作り出して自由に動かせる楽しさや、動かす人形によってストーリーを創造する力を育みます。ぜひ影絵人形とシアターを使って、子どもたちと幻想的な世界を楽しんでみてください。