コロナ禍において、マスク生活がすっかり当たり前となりました。一般的なマスクといえば、「プリーツ型マスク」がありますが、最近ではマスク生活が少しでも快適になるように、新しい形のマスクも次々と登場しています。
なかでも「箱型マスク」は立体的な形状をしているので、頬やあごにはフィット感がありつつ、鼻や口とマスクの間には空間ができて息がしやすいことから注目を集めています。
今回は、型紙不要で作れる箱型マスクのレシピを紹介します。マスク作りにおすすめな素材についても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
話しやすくて涼しい!箱型マスクの魅力
箱型マスクは、文字通り箱のような形をしたマスクです。「舟形マスク」「ボートマスク」「ボックスマスク」とも呼ばれています。
この箱型マスクが立体的な形状をしており、口とマスクとの間に隙間ができるため、呼吸や会話がしやすいことが魅力です。鼻とあごにもフィットしやすくなるので、感染症対策としても安心感がありますよ。
マスク作りに入る前に大切な「水通し」
マスク作りに限ったことではありませんが、生地を使うときの下準備として「水通し」を行いましょう。
事前に水通しをしておくことで、洗濯による布縮みや色落ちを予防できます。とくに麻や綿、ガーゼなどの縮みやすい素材を使用するときは、水通しを行っておくと安心です。
水通しの手順
- 水を張ったバケツや洗面器を準備します。
- 生地を折り畳み、生地の種類に合わせて一定時間水の中に浸けます。
目安時間はそれぞれガーゼ:30分、綿:1時間、麻:2~3時間程度です。 - 軽く絞って陰干しすれば水通しの完了です。
【型紙不要】好きな布で作る箱型マスクのレシピ
ここからは、型紙のいらない箱型マスクの作り方をご紹介します。
縫いにくいとされる「斜めのバイアス部分」を縫ってからカットすることで、縫い目がズレにくくなります。
表地は薄手のローン生地、裏地は肌触りの良いガーゼ生地を選びました。ダブルガーゼを使用しているので、ほどよい厚みがあり縫いやすくなっています。
カラーはお洋服にも合わせやすいペールトーンのグレーを採用していますが、お好みに合わせて変えてみてください。
▼今回の作品について
■完成サイズ:女性用Mサイズ(縦約15cm×横約20cm)
女性・男性用・子ども用でサイズが異なります。
今回は女性用のレシピを紹介していますが、作りたいサイズに合わせて布の大きさを変更してください。
■所要時間:約1時間
材料
- 表布(グレー)縦18cm×横26cm
- 裏布(生成り)縦18cm×横26cm
- マスクゴム 25cm×2本(顔に合わせて調節してください)
- 糸 60番※普通地用(今回はグレーを使用)
道具
- 布切りバサミ
- 糸切りバサミ
- チャコペン
- まち針
- 定規
- 目打ち
- ひも通し
- ミシン
- ミシン針11番(普通地用)
作り方
- 表布の裏側を上にして置きます。四隅の端から6cmのところ、写真の通り8か所に印を付けます。
- 写真のように印同士を結ぶ斜線を引きます。
- 上下の端から1cm幅で縫い線を引きます。
- 縫い線が書けました。
- 裏布と表布を中表に合わせて重ね、待ち針でとめます。縫い線の通りに上下の線を縫います。
- 縫えました。縫い目脇の縫い代を7mm幅くらいにカットします。
- カットできました。縫い代を、表布側に倒してアイロンをかけます。表に返した時にきれいになります。
- 横のあき部分から表に返します。
- 表に返しました。上下の端から2~3mm幅でステッチをかけます。
- ステッチがかかりました。
- 下端を4.5cm折り、アイロンをかけます。
- 上端も4.5cm折り、アイロンをかけます。折った端(折り目)から2~3mm幅でステッチをかけます。
- ステッチがかかりました。
- 左右を3つ折りして、ゴム通し部分を作ります。まず写真のように、端から1cm幅で折ります。
- 折ったまま端(折り目)から1.5cm幅で折り、3つ折りにします。この時、上下の布が重なる交点に生地の端(折り目)も突き合わせるように折ってください。
- 左右の内側の折り目から2~3mm幅でステッチをかけます。
- これで、ゴム通し部分ができました。
- 上布、下布を起こしてステッチをかけます。
まず上布の角(☆)を上に倒し、左右の端がゴム通し部分のステッチと平行になるようにそれぞれ合わせて待ち針でとめます。
- 下布の角(★)も下へ倒し、左右の端がゴム通し部分のステッチと平行になるようにそれぞれ合わせて待ち針でとめます。
続いて、写真のようにゴム通し部分の端(折り目)から2~3mm幅でステッチをかけます。
- 立体的に縫えました。
- 写真のようにゴムを通します。ゴムの長さはお好みで調節してください。
- ゴムを結びます。結び目は、ゴムを回転させてマスクの中にしまいます。
- 完成です。
着用方法
- 鼻とあごをしっかりと覆います。
- 隙間なく着用することができました。
マスク作りにおすすめしたい素材
マスクは直接肌に触れるものなので、素材によって使い心地が大きく変わります。敏感肌の方にとっては、特に気になるところでしょう。ここからは、マスク作りにおすすめの素材を紹介します。好みや肌質に合わせて生地を選んでください。
手作りマスクの定番「ガーゼ」
昔ながらの平面マスクでも使われていたガーゼは、手作りマスクの定番素材のひとつ。肌触りのよさや吸水性・通気性の良さから、赤ちゃん用製品の生地にも使用されています。肌の弱い方は、刺激も少ないガーゼを使用しましょう。
ただし、ガーゼは生地の目が荒くなっているため、ダブルガーゼで2枚以上を重ねて使用することをおすすめします。
吸水性の高い「麻素材」
麻素材は吸水性が高いため、汗をよくかく方にはとくにおすすめです。耐久性も高いため、毎日洗濯をしてもよれにくいといったメリットもあります。ただし、麻素材はシワになりやすいため、干すときにしわを伸ばしたり、アイロンをかけたりして着用するとよいでしょう。
肌触り重視なら「コットン素材」
ハンカチなどでお馴染みのコットン素材も、丈夫な生地です。サラッとして肌触りのよいマスクを作ることができます。
ただし、コットン素材の中でもTシャツなどに使われる「ジャージ」は伸縮性が高く、ニット素材専用の糸を使うことなどもあって、初心者の方には縫いにくいかもしれません。コットンを利用する際は、伸びない生地を選ぶのがおすすめです。
快適なマスクライフに箱型マスクを
マスクが必須となった現在においては、少しでも快適なマスクが求められるようになりました。立体的な箱型マスクは息がしやすく、フィット性も高いため、感染症対策をとりながら快適に身に着けられます。好きな布を使った箱型マスクで、快適なマスクライフを送りましょう。
また、過去の記事では、プリーツ型や立体型マスクのレシピも紹介しています。
ぜひご覧ください。