絵具を画用紙に乗せて転写するだけで、アーティストさながらの仕上がりになるデカルコマニー。
左右対称の模様が表れる姿に、子どもたちもきっと驚くはずです。
今回はデカルコマニーの魅力と3つのレシピをご紹介。「どんな模様になるかな?」といろいろな色や形を作って、親子で絵画遊びを楽しんでみてはいかがでしょうか。
デカルコマニーとは
デカルコマニーとは、絵の具を塗りつけた紙を半分に折って、絵の具を転写させる絵画技法のことです。フランス語の動詞「décalguer = 転写する」が言葉の由来で、画家のオスカー・ドミンゲス氏が創始した絵画技法として知られています。
このデカルコマニーの特徴は、絵の具を垂らして折ったり、紙を押し当てたりすることで、偶発的な模様が生まれること。出来上がった模様に対して筆を加えて絵画を作るといった取り入れ方もあります。
デカルコマニーの魅力
デカルコマニーの魅力は、自分の感性で配置した絵の具が、転写後に不思議な模様となって表れる楽しさや驚きです。筆を使って絵を描くのとは異なり、予想外の模様が浮かび上がるため、新たなインスピレーションが生まれることも魅力といえます。自身の創造力に任せて、クリエイティブな表現を楽しんでみてはいかがでしょうか。
デカルコマニーで遊ぶ目的
デカルコマニーは、小さな子どもの発想力や創造性を養うための知育としてもおすすめです。「紙を畳んだらどうなるだろう」「この色を選ぶとどうなるだろう」などと、想像する力が自然と身に付き、自由な発想を引き出せるようになります。
また、紙を開いたときの驚きや、自由に表現する楽しさを知ることができるため、子どもたちの知的好奇心が広がります。デカルコマニーで、手軽に楽しく絵画遊びを楽しみましょう。
デカルコマニーで絵を描こう
では、デカルコマニーで色々な絵に挑戦してみましょう。
今回は「ちょうちょ」「こいのぼり」「花火」の3つのレシピをご紹介します。
すべて同じ材料・道具で作れるので、絵の具や画用紙の色を変えて模様の変化を楽しんでみてください。また、小さい子どもと遊ぶ際は、ハサミでケガをしないよう、大人が画用紙をカットしてあげましょう。
材料・道具
- 画用紙
- 絵の具
- マニキュア
- ハサミ
①デカルコマニー作品「ちょうちょ」
はじめに紹介するレシピは「ちょうちょ」です。ちょうちょの色鮮やかな羽根の色をイメージして、カラフルな色を乗せてみましょう。偶然の色の混ざり合いが、ちょうちょの羽のような不思議な模様が浮かび上がります。
■今回作るデカルコマニーについて
所要時間:10〜20分(乾燥時間は含めません)
デカルコマニーのちょうちょの作り方
作り方
- 画用紙を半分に折り、開きます。
- 好きな色の絵の具を、片側にランダムにのせていきます。チューブから直接でもOKです。
- 絵の具が乾く前に、もう一度半分に折り、全体をよくこすります。
- ゆっくりと開きます。
どんな色になったかな?どんな模様になったかな?何に見えるかな?とワクワクがありますね!
- よりちょうちょらしくになるように、触覚などを書き足します。
- 周りをハサミで切って、よく乾かして完成です!
絵の具の重り合いでできた模様も面白いですね。のせる色や大きさを変えて、いろいろ作ってみてくださいね。
②デカルコマニー作品「こいのぼり」
次は、デカルコマニーを用いた「こいのぼり」の作り方をご紹介します。画用紙に点々と色を乗せていくことで、開いたときにウロコのような模様が浮かび上がります。色の組み合わせを変えて、大きさや形の異なる魚のデカルコマニーにも挑戦してみてください。
■今回作るデカルコマニーについて
所要時間:10〜20分
デカルコマニーのこいのぼりの作り方
作り方
- 画用紙を横長になるように半分に折ります。
- さかなの形になるように切ります。
- マニキュアを点々とのせていきます。なければ絵の具でOKです。
※マニキュアを使う時は、換気しながら制作しましょう。
- もう一度折り全体をこすります。
- ゆっくりと開いてみましょう。
マニキュアのキラキラとした光沢が、魚のウロコのように見えますね。
- さかならしく見えるよう、目を書いたり、形を整えます。
こいのぼりにするときは、口をカットしないほうがそれらしく見えますよ。
- 乾いたら完成です。色々な模様が作れそうですね。
③デカルコマニー作品「花火」
花火のデカルコマニーは、夜空に浮かぶ様子を表現したいので、黒の画用紙を選ぶのがおすすめです。
■今回作るデカルコマニーについて
所要時間:10〜20分程度
デカルコマニーの花火の作り方
作り方
- 黒の画用紙に放射状に絵の具をのせていきます。
絵の具をなるべく細く出すのが、キレイに仕上がるコツです。
- 画用紙を半分に折り、全体をこすります。
- ゆっくりと開いて、乾いたら完成です。
デカルコマニーで遊ぶときのポイント
すぐに折りたたむ
絵の具が乾いてしまうと模様が写りづらくなるため、絵の具を塗ったらすぐに画用紙を折りたたむのがポイントです。強い力をかける必要はありません。また、折りたたんでから10秒ほどで開くと、キレイに仕上がります。
絵具をたくさん用意する
デカルコマニーは、子どもの自由な発想や想像力を引き出す「知育」としての役割もあります。デカルコマニーを通じて想像力を伸ばすには、ただ遊ぶだけではなく、さまざまな選択肢を試してみることが大切です。
「混ぜたらどんな色になるだろう」「どのように模様になるだろう」など、試行錯誤することで色々な発見につながり、豊かな想像力を育みます。デカルコマニーで遊ぶときには、絵具のバリエーションを豊富に準備しておきましょう。
子どもの想像力を育てるデカルコマニー
楽しく遊びながら想像力や創作力を育めるデカルコマニー。用意するものが少なく、筆も必要がないので、小さなお子さまでも手軽に楽しめます。
今回紹介したレシピを参考に、色々なデカルコマニーを遊んでみてはいかがですか?