手縫いには、たくさんの技法があります。
布の種類や作りたいもの、用途に合わせて縫い方を変えることで、丈夫に仕上げられたり、やわらかい雰囲気を出したりできます。
今回は、ミシン縫いに迫る強度が期待できる「半返し縫い」にをご紹介。
ミシン縫いでは細かくてむずかしい部分や、強度をアップしたいアイテムや箇所に対応できるので、ぜひ覚えてくださいね。
簡単な縫い方なので、身の回りの小物作りや外出先で手直しする時も便利です。
丈夫に仕上げたい時に役立つ「半返し縫い」
「半返し縫い」とは、その名の通り針を半分返しながら縫う方法のことで、糸を重ねながら縫っていく技法なので、強度が増し丈夫に仕上がります。
表側の縫い目を見るとなみ縫いのようなステッチになりますが、裏側は糸が半分ずつ重なったステッチになります。
裏はあまり綺麗な見た目に仕上がらないので、裏面が見えない作品で活用するといいでしょう。
強度があり丈夫な縫い方ですが、縫い目が固くなりすぎないので、薄手の生地や伸縮性のある生地を縫いたいときも生地の特性を邪魔しません。
似たような技法として、本返し縫いという方法もあります。
半返し縫いよりも丈夫に縫える方法なので、作りたい作品や生地に合わせてこちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。
本返し縫いについては、こちらをご覧ください。
半返し縫いをやってみよう!
半返し縫いは、難しそうに感じるかもしれませんが、覚えるととても便利で重宝します。
最初は縫い目が大きくなっても良いので、縫い方をしっかりマスターしてください。
ちなみに、なみ縫いと比べてひと目あたりに使う糸が多く、長さが必要になります。それでは実際に半返し縫いをやってみましょう。
半返し縫いのやり方
- 針を生地の表から刺して、裏から表に戻します。
- 糸を引き、1.で縫った縫い目の半分の所に針を刺し、最初のひと目と同じ幅で裏から表へ針を出します。
- ひと目縫えました。
- 繰り返します。
- 半返し縫いが完成しました。
表からは、なみ縫いと同じように見えますね。
こちらは裏側。つながった線のように見えます。
半返し縫いを綺麗に仕上げるポイントは?
まっすぐに縫うポイントとして、針を刺す場所と糸が出ている場所は平行になるように意識しましょう。
チャコペンで線を付けると縫いやすくなります。
また、縫い目が大きくなると強度や見た目に差が出てくるので、慣れてきたら作りたいアイテムに合わせて調節しながら縫いましょう。
薄い生地や柔らかい生地を使用する場合は、細めの針と糸をおすすめします。
強く糸を引っ張りながら縫うと生地がよれてしまい、後からまっすぐにならすことが難しくなります。
半返し縫いをマスターして、手縫いのレパートリーを増やそう!
コツさえつかめば簡単に出来る半返し縫いは、なみ縫いよりも使用用途が多いのが嬉しいところ。
ミシンを持っていなくても手縫いである程度の強度を持たせることができるので、すぐに小物作りに挑戦できるのが魅力です。
縫い目が固くならないこの半返し縫いは、ベビー用品やインテリアにも応用できますから、親しいお友達へプレゼントを縫う時にも良ですね。
いろいろなアイディアに、半返し縫いを活用して手軽に楽しんでくださいね。