体に沿うデザインで使いやすく、かさばらないので日常で使うのにも、収納するのにも便利なサコッシュ。ファスナーの付け方や裏生地の扱いをマスターすれば、まっすぐ縫うだけで作れて初心者にも挑戦しやすいアイテムです。今回は、前ポケット付きで収納力抜群のサコッシュの作り方をご紹介します。
使い勝手がよくおしゃれなサコッシュ
シンプルでコンパクトなデザインで人気のサコッシュ。今回紹介する作り方では、交通系ICカードやマスクなどをサッと収納するのに便利な外ポケットをつけました。ファスナーを手前に付けているので、ファスナーつけに初めて挑戦する方でも縫いやすいデザインです。裏生地付きのバッグというと一見難しそうですが、とても簡単に作れる方法でご紹介します。
今回作るサコッシュについて
できあがりのサイズ
縦18cm×横23cm(まちなし)
所要時間
2時間ほど※人によって多少前後します
サコッシュを作るのに必要な材料と道具
材料
- 表生地 110cm巾×0.2m
- 裏生地 110cm巾×0.2m
- ナイロンテープ 10mm巾×1.4m
- ビスロンファスナー(4号) 23cm×1本
- ビスロンファスナー(4号) 23cm×1本
- Dカン 12mm巾×2個
- コキカン 12mm巾×1個
- 伸び止めテープ(ストレートタイプ) 15mm巾×0.5m
バイアス部分などの生地が伸びるのを防いだり、力のかかる所を補強したりするために貼る、片面に粒状の「のり」がついた布のテープです。さまざまな種類がありますが、今回は最も伸びにくい「ストレートテープ」を使用しました。 - 糸 60番(普通地用※生地の色・柄に合わせて)
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おすすめの生地
今回は家庭用ミシンでも縫いやすい11号帆布を使用しました。同じくらいの厚さのコットンキャンバス生地などもおススメです。ポケットの3つ折り部分など、生地が重なると厚くなって縫いにくいこともあるので、ご自分のミシンと相談して生地を決めましょう。
道具
サコッシュの作り方
作り方
- 型紙を作る
紙に下記の図を参考にして型紙を書き、切り抜きます。裁断図の数字の単位はすべてcmです。縫い代込みの型紙ですので、【 】の寸法通りに生地をカットしてください。○内は縫い代巾、表記のない所の縫い代は1cmです。
- 生地を裁断する
表・裏生地をそれぞれ縦地に広げ、写真のように1枚ずつ型紙をのせて裁断します。柄に上下の向きのある生地を使う場合は、写真の上が柄の上になるように置いて裁断してください。
裏生地も同様に裁断します。ポケットのパーツは表生地だけですので、気をつけてください。今回は赤色の無地の生地を表、赤色のストライプ生地を裏生地としています。生地の耳と縦地
布の端にあるほつれてこない部分を耳といいます。耳と平行になるのが生地の縦で、縦方向に裁断すると伸びにくく丈夫な仕上がりになります。これを『縦地で裁断する』といいます。袋を作る際は、生地が伸びにくいように縦地で裁断をします。
生地の裁断ができました。
- 伸び止めテープを貼る
表・裏生地のファスナー付け位置に伸び止めテープを貼ります。テープの「のり」側と生地の裏側を合わせてアイロンをかけ、アイロンの熱+蒸気+アイロンを押す圧力で貼り付けましょう。アイロンは滑らせずに、置くように圧力をかけます。ちなみに「のり」はアイロンやアイロン台に付いてしまうと取れにくいので、布からはみ出さないように気を付けましょう。ハギレなどで当て布をするのもおすすめです。
- ファスナーをつける
前本体下(表生地)のファスナー付け側の生地とファスナーの中心を合わせて、まち針でとめます。さらに上から前本体下(裏生地)を中表に重ね、まち針をとめなおします。写真ではわかりやすいように右側をめくっていますが、端まで合わせてまち針でとめましょう。
ファスナーの付け方はこちら
ファスナーの端から約7mmのところを縫っていきます。詳細なやり方はファスナーの付け方のレシピを参考にしてください。
これで表生地・ファスナー・裏生地の3枚が縫えました。
裏生地を写真のように倒し、手でしっかりと折り目をつけます。
表生地も同様に倒し、しっかりと折り目をつけて開いておきます。務歯の周りの生地が浮いてくると開閉しにくいので、先ほどの縫い目から2~3mmのところに押さえのステッチをかけましょう。ファスナーの付け方はこちら
押さえのステッチが縫えました。
反対側も同じ要領で縫い付けます。ファスナーの表と前本体上(表生地)の表側を合わせて、まち針でとめます。さらに上から前本体上(裏生地)を中表に重ねて、まち針をとめなおします。写真ではわかりやすいように左側をめくっていますが、端まで合わせてまち針でとめましょう。
前本体上も表生地・ファスナー・裏生地の3枚が縫えました。
生地を開きます。
前本体下と同じ要領で、押さえのステッチをかけます。
ファスナーがつきました。
- ポケットをつける
前ポケット口を3つ折りし、ステッチをかけましょう。まず3cmのアイロン定規を作り、アイロンを使って3つ折りにします。3つ折りの端(折り目)から2~3mmのところをまっすぐ縫います。アイロン定規についてはこちらを確認してください
前ポケット口が縫えました。
前本体下の底と前ポケットの底を合わせて表向きに重ね、まち針でとめます。裏生地は一緒にとめずによけておきます。
- Dカン用タブをつける
ナイロンテープを5cmにカットしたものを2本用意します。テープにDカンを通して2つに折り、仮止めクリップでとめます。ナイロンテープの端から5mmくらいの所を重なったまま縫い合わせます。
ナイロンテープが縫えました。
バッグ上端、左右の脇から2.5cmのところに仮止めクリップでそれぞれDカン付きナイロンテープをとめ、端から5mmのところを縫いとめます。続いて、ファスナーの上止め側も開かないように縫いとめます。
Dカン付きのナイロンテープが縫えました。
- 表生地の底を縫う
後本体(表生地)と前本体(表生地)を、上端を合わせながら中表に重ね、裏生地は一緒に縫わないよう、よけておきます。写真ではわかりやすいように右側をめくっていますが、端まで重ねたまま縫ってください。
上端を合わせると底はぴったり揃わず、多少ずれることがあります。ファスナー押さえの巾の分ですので、ずれたままとめて構いません。後本体の底側、端から1cmのところをまっすぐ縫います。
底が縫えました。くれぐれも、裏生地を一緒に縫わないよう気をつけてください。
- 裏生地を重ねて周りを縫う
裏生地側が上になるようにひっくり返し、前・後本体の裏生地を中表に合わせて、まち針で周りをとめます。写真ではわかりやすいように左側をめくっていますが、端まで重ねてとめてください。
表生地が上になるよう再びひっくり返し、ファスナーの端の布をめくり、上止め、下止めの位置を確認して、縫ってしまわないように印をつけます。
左右に印がつきました。この印を通るように脇をまっすぐ縫います。
ミシンに片押さえをセットし、脇を縫います。片押さえはステッチが曲がりやすいので、ゆっくり丁寧に縫いましょう。チャコペンで線を書いておくのもおすすめです。
左右の脇が縫えたら、上端と底を縫います。底は中心を8cm返し口として縫い残し、先ほど縫った上から再度重ねて縫います。上端は端から1cmのところをまっすぐ縫います。
周りがすべて縫えました。飛び出しているファスナーテープ、縫い代の角、重なっている縫い代を切り揃えます。
カットできました。
- 返し口から表に返す
裏生地側を上にして返し口から表に返していきます。
裏生地が表になるように返せました。返し口を始末します。裏生地の返し口の縫い代を裏側へ折り、端を2~3mm縫います。
返し口が縫えました。ファスナーを開けて、表に返します。
表に返しました。
- 肩ひもを作る
ひもの端にコキカンを通して、4cmのところで折り、仮止めクリップでとめます。ひもの端から、5mmくらいのところを縫います。
写真のようにひもを本体のDカンに通していき、写真左側のDカンに最後のひもを通したら、4cmのところで折り、ひもの端から5mmくらいのところを縫います。
- 完成しました。
生地やパーツでさまざまな表情を楽しんで
シンプルなサコッシュは生地やパーツのデザインが映えるアイテムのひとつ。カジュアルなデザインですが、生地やパーツの選び方次第で雰囲気も変えられます。お気に入りの生地を使うのはもちろん、ポケットだけ柄のある布にして組み合わせを楽しんだり、ファスナーの色をデザインのアクセントにしたり、ひもの代わりに薄手のレザーテープを使ったりと、いろいろ工夫してみてください。
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