普段何気なく使っているファスナー。いざ自分で「ファスナー付きのハンドメイドアイテムを作ろう」となってから、その種類や付け方の多さに気づいて、驚いたという人もいるのではないでしょうか。今回は、手芸店などで手に入るごく一般的なファスナーの種類と、さまざまな付け方をご紹介します。
ファスナーの基本
ファスナーの部品には名前がついています。まずはそれぞれの名前を確認してみましょう。
1.スライダー
ファスナーを開け閉めする際に動かすパーツ。スライダーがついている方がファスナーの表になります。
2.務歯(ムシ)
「エレメント」とも呼ばれます。スライダーを動かすことで、務歯がかみ合ってファスナーが閉じたり、分かれて開いたりします。
3.テープ
務歯がついている部分で、一般的にはここを生地と縫い合わせてファスナーを付けます。素材はポリエステルが主流ですが、綿や合成繊維(合繊)のものもあります。
4.上止め(うえどめ)
ファスナーを縦に置いた際、務歯の上端近くにくるパーツのこと。閉め終わり位置にあり、スライダーを止める役目があります。上止めがないとスライダーが務歯から抜けてしまいます。
5.下止め(したどめ)
ファスナーを縦に置いた際、務歯の下端近くにくるパーツのこと。開け終わり位置でスライダーを止める役目があります。下止めも、ないとスライダーが務歯から抜けてしまいます。
ファスナーの太さ
ファスナーには太さの規格があり、号数で表します。2号、3号、5号、8号と数字が大きくなると務歯(ムシ)が太くなります。お手持ちのアイテムを参考にしながら、用途に合わせて選んで下さい。
ファスナーの長さ
ファスナーの長さがファスナーをつける場所に合わない場合はカットして合わせることもできます。購入したお店でカットしてくれることもありますが、コツをつかめば自分でも簡単にカットできるようになります。カットの方法はファスナーによって異なるので、各ファスナーの項目でご紹介します。
ファスナーの種類とカットのしかた
ファスナーはさまざまな種類があります。代表的なファスナーをいくつかご紹介します。
金属ファスナーについて
務歯部分に金属を使用したファスナーで、丹銅、アルミ、洋白などの金属が主流です。高級感が出るので財布やバッグ、洋服などによく使われます。
金属ファスナーのカットに必要な道具
金属ファスナーのカット方法
カット方法
- ファスナーを何cmカットするか(出来上がりを何cmにするか)決め、下止めからカットする部分の長さを測って印をつけます。今回は24cmカットします。
- ファスナーを印を付けた部分の下まで開け、印の左右の務歯をペンチか喰い切りニッパーで引っ張り、むしりとります。
- 印を付けた所から上へ向かって2cm分くらいの務歯をとっていきます。
- 印をつけた位置より2cmくらい上でテープをカットします。この時ピンキングはさみを使うと、テープがほつれにくくなります。
- 左右の上止めを外します。太目の目打ちを上止めとテープの間に差し込み、テープを噛んでいる上止めを外れるまで開いていきます
うまく外せず上止めが傷ついてしまうこともありますが、上止め金具単体を手芸材料店などで販売しているので、購入した新品に替えればOKです。
- 上止めの折り目の中に目打ちを差し込んで広げ、再び付けやすくしておきます。
- 印をつけた位置のテープに上止めを噛ませ、上止めの上に当て布をしながら、ペンチで強く挟みます。
- 完成です。
樹脂ファスナー(コイルファスナー)について
務歯部分にポリエステルやナイロンを使用したファスナーです。務歯がコイル状になっていて、金属ファスナーや後述するビスロンファスナーに比べて柔らかいのが特徴です。洋服、小物など幅広く使えます。丈夫で長持ちなので、制服やスポーツウエアなどにもよく用いられています。
フラットニットファスナーについて
樹脂ファスナーの中でも特に務歯などのパーツが薄く、柔らかいのが特徴です。ニットや薄い生地にも響かず、きれいに仕上がります。柔らかい仕上がりなので、洋服、小物作りに適しています。また上止め・下止めも樹脂で固めた柔らかいものなので、子ども服におすすめです。
樹脂ファスナーのカットに必要な道具
樹脂ファスナーのカット方法
カット方法
- ファスナーを何cmカットするか(出来上がりを何cmにするか)決め、下止めからカットする部分の長さを測って印をつけます。今回は24cmカットします。
- ミシンを用意し、印の位置でファスナーを横切るように縫います。2~3度しっかりと返し縫いをしましょう。
- 印から2cmくらい下の位置でカットします
- 完成です。
コンシールファスナーについて
縫いつけると生地で両側から覆われるような格好になり、ファスナーと縫い目が表から見えないファスナーです。ファスナーを目立たせたくないワンピース、スカートに良く使われます。表から縫い目が見えないのを活かし、隠しポケットをつけるために使われることもあります。
コンシールファスナーのカットに必要な道具
道具
- ペンチ
- ピンキングはさみ(あれば)
コンシールファスナーのカット方法
カット方法
- コンシールファスナーは、生地に縫いつけた後でカットします。まずファスナーをつけ、ファスナーの開き止まりを確認します。
- コンシールファスナーの下止めは、買ったままの状態だと手でつまんで自由にスライドさせられるので、開き止まりの位置まで移動させ、ペンチでしっかりと締めます。
- ファスナーの端をハサミでカットします。これで完成です。
ビスロンファスナー(プラスチックファスナー)について
ナイロンなどの樹脂を務歯に使用して、テープを噛むように成型したファスナーです。プラスチックファスナーとも呼ばれます。金属ファスナーに比べて軽いので、長く太いファスナーでも重くなりにくく、作品を軽く仕上げることができます。防水タイプや金属風のものなど様々な種類があり、色が豊富なのも魅力です。
バッグやポーチによく使われています。軽いので、子ども服のジャンパーやズボンなどにもおすすめです。
ビスロンファスナー(プラスチックファスナー)のカットに必要な道具
道具
ファスナー付けに使う道具
ミシンでファスナーを付ける場合、ファスナーの種類に合わせた押さえ金が必要になります。それぞれの押さえ金に加えて、あると便利な道具もご紹介します。
押さえ金
- 片押さえ
一般的な押さえ金で務歯の近くを縫おうとすると務歯に乗り上げてしまうので、テープ側だけを押さえられる片押さえを使います。後方のねじで押さえ金の位置を左右に動かせるので、縫う場所に合わせて変えてください。片側しか押さえられず、縫いずれしやすいので丁寧に縫うのがポイントです。
- コンシールファスナー押さえ
他のファスナーは務歯からある程度離れたテープ部分を縫いますが、コンシールファスナーは専用の押さえで務歯を起こしながら、より務歯に近い奥の部分を縫うことで、表から縫い目が見えない仕上がりになります。
- 喰い切りニッパー
一般的なペンチやニッパーよりピンポイントで務歯をつかめる造りなので、確実に務歯を引き抜けます。
ビスロンファスナーのカット方法
基本的な手法は金属ファスナーと同じですが、ビスロンファスナーの上止めは樹脂をテープに固めて付けているので、金属の上止めのように外すことができません。ファスナーの色に合わせて、別途金属の上止めを用意しましょう。
さまざまなファスナーの付け方
それでは、縦15cm×横20cmのフラットポーチを作りながら、よく使われるファスナーの、基本的な付け方をご紹介しましょう。
ちなみに、薄手の生地はファスナーとそのまま縫い合わせると、生地が伸びてきれいに縫い合わせられないことがあります。縫い合わせ部分に「伸び止めテープ」(10~15mmのストレートタイプがおすすめです)を貼ると、きれいに仕上げやすくなります。
務歯が見えるファスナーの付け方
金属ファスナー・フラットニットファスナー・ビスロンファスナーを表から見えるように付ける方法で、デザインのポイントにもなります。ポーチ、バッグ、パンツやジャンパーなどの洋服によく用いられます。
材料
- 生地 縦17cm×横22cm 2枚
- フラットニットファスナー 20cm
- 伸び止めテープ ストレートタイプ・15mm巾 22cm×2枚
※あらかじめファスナーを付ける位置に合わせてアイロンで貼っておきます。 - ミシン糸 (生地またはファスナーに合う色のもの)
※リンクをクリックすると楽天市場のページが開きます。
付け方
- ファスナー、生地の横幅中心に印をつけます。
- ファスナーと生地1枚を写真のように中表に合わせ、中心からまち針でとめていきます。ずれやすいので細かくとめるのがポイントです。
- ミシンに片押さえをセットし、ファスナーのスライダーを5cmほど下げ、生地を上にしてファスナーの上止め側から縫います。この時、生地の右端と押さえ金の右端が合うように、また針は押さえ金の左側を縫うようにセットします。
- スライダーに近い位置まで縫えたら、一旦ミシンを止めます。このまま縫い進めると、スライダーが押さえ金に当たって縫い目がゆがむので、スライダーを逃がしましょう。生地をめくり、針を刺したまま押さえ金を上げ、スライダーを閉じる方へ動かします。
- めくった生地を戻します。この時ファスナーは閉じ、スライダーは押さえ金の後ろにあるはずです。引き続き縫っていきます。
- 片側にファスナーが付きました。
- まず、押さえ金の右側に針がくるようにセットし直します。ファスナーの下止め側から縫っていきます。
押さえのステッチがかかりました。
- 工程2の要領で反対側の生地もファスナーと中表に合わせ、まち針でとめます。
- 生地を上にしてセットし、今度はファスナーを閉めたまま、ファスナーの下止め側から縫っていきます。生地の右端と押さえ金の右端が合い、針は左側を縫うようにセットします。
- スライダーに近い位置まで縫えたら、先ほどの要領で生地をめくり、針を生地に刺したまま押さえ金を上げ、今度はスライダーを開きます。
- 反対側も縫えました。
- ファスナーを向こう側へ倒して写真のように整え、先ほどの要領で押さえのステッチをかけます。
- 押さえのステッチがかかりました。
- 脇、底を中表に合わせてまち針でとめます。両脇、底の順番で縫って、縫い代にジグジグミシンをかけます。
- 脇、底が縫えました。
- 表に返して完成です。
務歯の見えるファスナー付け方(裏生地付き)
金属ファスナー・フラットニットファスナー・ビスロンファスナーを表から見えるように付ける方法で、裏生地(内袋)付きのポーチを作ってみましょう。縫い代が表生地と裏生地の間になり、端の始末をしなくて良いので仕上がりがきれいになります。ポーチ、バッグ、パンツやジャンパーなどの洋服によく用いられます。
材料
- 表生地 縦17cm×横22cm 2枚
- 裏生地 縦17cm×横22cm 2枚
- フラットニットファスナー 20cm
- 伸び止めテープ(ストレートタイプ・15mm巾) 22cm×2枚
※あらかじめ、ファスナーを付ける位置に合わせてアイロンで貼っておきます - ミシン糸 (生地またはファスナーに合う色のもの)
※リンクをクリックすると楽天市場のページが開きます。
付け方
- ファスナー、生地の横幅中心に印をつけます。
- ファスナーと表生地1枚を中表に合わせて、中心からまち針でとめていきます。ずれやすいので細かくとめるのがポイントです。
ファスナーの両端は左右とも、写真のように外側に直角に倒しておきます。
- 裏生地も表生地と中表にして重ね、3枚一緒にまち針でとめます。写真ではわかりやすいように右側をめくっていますが、端まで合わせてまち針でとめましょう。
- ミシンに片押さえをセットし、ファスナーのスライダーを5cmほど下げ、生地を上にしてファスナーの上止め側から縫います。この時、生地の右端と押さえ金の右端が合うように、また針は押さえ金の左側を縫うようにセットします。
- スライダーに近い位置まで縫えたら、一旦ミシンを止めます。このまま縫い進めると、スライダーが押さえ金に当たって縫い目がゆがむので、スライダーを逃がしましょう。生地をめくり、針を刺したまま押さえ金を上げ、スライダーを閉じる方へ動かします。
- めくった生地を戻します。この時ファスナーは閉じ、スライダーは押さえ金の後ろにあるはずです。引き続き縫っていきます。
- 片側にファスナーが付きました。
- ファスナーを向こう側へ倒し、写真のように整えます。務歯の周りの生地が浮いてくると開閉しにくいので、先ほどの縫い目から2~3mmのところに押さえのステッチをかけましょう。
まず、押さえ金の右側に針がくるようにセットし直します。ファスナーの下止め側から縫っていきます。
押さえのステッチがかかりました。
- 写真のように反対側の表生地もファスナーと中表に合わせ、裏生地も重ねてまち針でとめます。
- 生地を上にしてセットし、今度はファスナーを閉めたまま、ファスナーの下止め側から縫っていきます。生地の右端と押さえ金の右端が合い、針は左側を縫うようにセットします。
- スライダーに近い位置まで縫えたら、先ほどの要領で生地をめくり、針を生地に刺したまま押さえ金を上げ、今度はスライダーを開きます。
- 反対側も縫えました。
- ファスナーを向こう側へ倒して写真のように整え、先ほどの要領で押さえのステッチをかけます。
- 押さえのステッチがかかりました。
- 表生地、裏生地それぞれの脇、底を合わせてまち針でとめます。続いてそれぞれ両脇、底の順番で縫いますが、裏生地は中心を7cmくらい返し口として縫い残しておきます。
- 脇、底が縫えました。
- 表に返して返し口を始末すれば、完成です。
-
ファスナーの端を外に出す付け方
金属ファスナー・フラットニットファスナー・ビスロンファスナーを表から見えるように付け、ファスナーの端をポーチの外へ出す方法です。ファスナーの端をタブとして使えるので、開け閉めがしやすいデザインです。ポーチ、バッグ、などによく用いられます。
材料
- 生地 縦17cm×横22cm 2枚
- フラットニットファスナー 24cm
- 伸び止めテープ(ストレートタイプ・15mm巾) 22cm×2枚
※あらかじめ、ファスナーを付ける位置に合わせてアイロンで貼っておきます - ミシン糸 (生地またはファスナーに合う色のもの)
※リンクをクリックすると楽天市場のページが開きます。
付け方
- ファスナー、生地の横幅中心に印をつけます。生地の両端から2cmのところに、ファスナー止まりの印をつけます。ファスナーの両端から3cmのところにも印をつけます。
- ファスナーと生地を中表に合わせ、中心からまち針でとめていきます。ずれやすいので細かくとめるのがポイントです。ファスナーの両端はファスナー止まりの印から、布の内側へ向かって直角に倒しておきます。
- ミシンに片押さえをセットし、ファスナーを閉め、生地を上にしてファスナーの下止め側から縫います。この時、生地の右端と押さえ金の右端が合うように、また針は押さえ金の左側を縫うようにセットします。
- 片側にファスナーが付きました。
- ファスナーを向こう側へ倒し、写真のように整えます。務歯の周りの生地が浮いてくると開閉しにくいので、先ほどの縫い目から2~3mmのところに押さえのステッチをかけましょう。
まず、押さえ金の右側に針がくるようにセットし直します。ファスナーの下止め側から縫っていきます。
押さえのステッチがかかりました。
- 工程2の要領で反対側の生地もファスナーと中表に合わせ、まち針でとめます。ファスナーの両端も倒しておきます。生地を上にしてセットし、ファスナーを閉めたまま、ファスナーの下止め側から縫っていきます。生地の右端と押さえ金の右端が合い、針は左側を縫うようにセットします。
- 反対側も縫えました。
- ファスナーを向こう側へ倒して写真のように整え、先ほどの要領で押さえのステッチをかけます。反対側も押さえのステッチがかかりました。
- 脇、底を中表に合わせてまち針でとめます。両脇、底の順番で縫って、縫い代にジグジグミシンをかけます。
- 脇、底が縫えました。
- ファスナーの端も一緒に、表に返して完成です。
外に出したファスナーの端を始末する方法
「ファスナーエンド」と呼ばれる市販のパーツでファスナー端をくるむか、生地でくるんで始末しましょう。ここでは、生地でくるむ方法をご紹介します。
材料
- 生地 縦6cm×横5cm(またはファスナーの幅×2) 2枚
くるむことで生地が重なり厚みが出るので、薄手の生地を使うと縫いやすいです。
付け方
- ファスナーの端が開かないように縫い閉じておきます。
- ファスナーは上止め、下止めそれぞれから1cm、生地は縦端から1cmのところに印をつけます。
- アイロンをかけながら写真のように生地の左右を折り、折ったまま、印をつけたのとは反対側の縦端を1cm折ります。
- 生地を開き、ファスナーと生地の中心を重ね、1cmの印のところで、務歯の左右をまちばりでとめます。
- ミシンに片押さえをセットし、1cmの印の上をまっすぐ縫います。
- 縫えました。
- 生地を外側に倒し、左右を折り目に沿って折り、ファスナーをくるみます。
- 左右を折り、ファスナーをくるんだら、写真の点線に沿ってさらに折っていきます。
- 折り目に沿って生地を折り、端を中に入れこみます。
- 目打ちを使いながら、折った生地がきれいな四角になるように整えます。
- きれいに端が入ったら、生地の端(折り目)から2~3mmのところにぐるりとステッチをかけます。
- ステッチが縫えました。
- 同じ要領でもう片方も始末すれば、完成です。
務歯の見えないファスナーの付け方
金属ファスナー・フラットニットファスナー・ビスロンファスナーを生地で両側から覆われるように縫いつけ、ファスナーが表から見えないようにします。すっきりとした仕上がりで、洋服、クッションカバーなどによく使われます。
材料
- 生地 縦17cm×横22cm 2枚
- フラットニットファスナー 20cm
- 伸び止めテープ(ストレートタイプ・15mm巾) 22cm×2枚
※あらかじめ、ファスナーを付ける位置に合わせてアイロンで貼っておきます - ミシン糸 (生地に合う色のもの)
※リンクをクリックすると楽天市場のページが開きます。
付け方
- ファスナーの端が開かないように縫っておきます。
- 生地の端(ファスナーを付ける側)を1.5cmのところで折り、アイロンをかけます。
- ファスナーの中心、生地の横幅中心、上下のファスナー止まりに印をつけ、印を合わせてまち針でとめます。この時、折った布の折り目がファスナーの務歯の中心に来るよう合わせます。
- 反対側も同様に合わせ、務歯が見えていないのを確かめて、まち針でとめます。続いて、スライダーを閉じたまま、ファスナーの端から約7mmのところを下止め側から縫い、スライダーの5cmほど手前でいったんミシンを止めます。ステッチが目立つところなので、きれいに縫えるようチャコペンで印をつけても良いでしょう。
- このまま縫い進めると、スライダーが押さえ金に当たって縫い目がゆがむので、スライダーを逃がしましょう。針を刺したまま押さえ金を上げ、スライダーを開く方へ動かします。
- 再び縫い始めます。ファスナー止まりのところで一度止め、押さえを上げて生地を90度回して反対側まで縫い、さらに90度生地を回して縫い進めます。
- スライダーの近くまで縫い進めたら、先ほどの要領で針を生地に刺したまま、押さえ金を上げ、今度はスライダーを閉じてから縫い進めます
- ファスナーがつきました。
- 底を縫います。端から1cmのところを縫い合わせたら、端をジグザグミシンで始末します。
- 底が縫えました。
- 底の中心とファスナーの中心が合うようにたたみ直して、脇を縫います。端から1cmのところを縫い合わせたら、端をジグザグミシンで始末します。
- 脇が縫えました。
- 表に返して完成です。
コンシールファスナーの付け方
コンシールファスナーを付けたポーチを作ってみましょう。ファスナーも縫い目も表から見えず、すっきりとした仕上がりです。ファスナーの色を生地と揃えると、ファスナーがついていることはほとんどわかりません。洋服、ドレス、クッションカバーなどによく用いられます。
材料
作り方
- 生地を中表に合わせて、まち針でとめます。左右両端から3cmのところにファスナー止まりの印をつけておきます。
- ファスナーがきれいに隠れるよう、ファスナーを付けるポーチの上端を縫い合わせます。ファスナー止まりまでの左右両側は本縫い、ファスナー部分は後でほどく仮縫いになります。まず、左右どちらか片方の端からファスナー止まりまで縫い、返し縫いをします。そのまま糸を切らずに縫い目の幅を大きくして、反対側のファスナー止まりまで縫います。ファスナー止まりまできたら縫い目を元の幅に戻して返し縫いをし、続けて端まで縫います。
縫えました。
- 縫い合わせたまま生地を開き、縫い代も開いて軽くアイロンをかけます。
- ファスナー止まりとファスナーの上止めを合わせながら、さらにファスナーの中心と縫い目の中心を合わせてまち針でとめます。
- 縫い代とファスナーのテープを重ねたまま、一緒にまち針でとめます。
- ファスナーと縫い代がずれないように、しつけ糸で縫い合わせます。
両方ともしつけ縫いができました。
- 工程2、縫い目を大きくして縫ったファスナー部分の中心あたりの糸をハサミで切ります。
- ファスナーを下止めまで開け、ファスナーの上止め側から縫いつけていきます。まずミシンにコンシールファスナー押さえを取り付け、ファスナーの裏が上になるようにセットしましょう。縫い始めはファスナーの務歯を少し起こしながら、右側の務歯を、押さえの左側の溝にはめ込むように入れて、返し縫いをしてから縫っていきます。
溝から務歯が外れると、元に戻すのは大変です。途中で押さえ金を上げると務歯が外れてしまうので、押さえ金を上げずに縫い切るようにしましょう。
- 片方のファスナーが縫えました。
- 反対側も同様に、ファスナーの裏が上になるようにセットし、縫い始めはファスナーの務歯を少し起こしながら、左側の務歯を、押さえの右側の溝にはめ込むように入れて、返し縫いをしてから縫っていきます。
- ファスナーが縫えました。
- しつけ糸を切って外します。
- ファスナーの下止めを、指でつまんで開き止まりまでスライドさせ、ペンチで締めます。
- 余ったファスナーテープは、邪魔にならないよう生地の左右端を目安にカットします。
- 底を縫います。端から1cmのところを縫い合わせたら、端をジグザグミシンで始末します。
- 底が縫えました。
- 底の中心とファスナーの中心が合うようにたたみ直して、脇を縫います。端から1cmのところを縫い合わせたら、端をジグザグミシンで始末します。
- 縫えました。
- 表に返して完成です。
ファスナー付けを覚えると、ハンドメイドのバリエーションも広がる
ボタンやフックと違って、すき間なく空き口を閉めることができて便利なファスナー。ここでご紹介した基本の付け方を押さえておけば、身の回りの小物づくりからバッグ類、インテリア、洋服までさまざまなアイテムに活かすことができます。きれいにつけられるようになるには経験も重要ですから、ぜひいろいろなアイテム作りにファスナーを取り入れてみてください。