カルトナージュは、カルトンと呼ばれる厚紙を組立て、その上から布を貼って箱を作るフランスの伝統工芸です。きれいな布や紙を貼った収納箱をどこかで見たことがある方も多いのではないでしょうか。
カルトナージュはかつてフランスの上流階級に愛されていた工芸品ですが、現代では広くハンドクラフトとして親しまれ、ティッシュボックスをはじめブックカバーや名刺入れなど、様々な作品が作られています。きれいな布には心惹かれるけどお裁縫は苦手…という方も、ぜひチャレンジしてみてください。
カルトナージュを始めるのに必要な材料や道具
カルトナージュを始める為に必要な材料は、厚紙、布、木工用ボンドなどです。更に厚紙を張り合わせて箱を作る時に必要な、水張りテープや箱の内側に布を貼る時の芯となるケント紙なども用意します。ボンドは速乾性でないものを使用しましょう。
→必要な材料・道具について
「材料を揃えるのが大変」、「必要な量だけ欲しい!」という方はキットを使って作るのもおすすめです。
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厚紙を使用したカルトナージュの基本のBOXの作り方
カルトナージュの、蓋のない基本的な箱の作り方をご紹介します。ペン立てや小物ケースなど作りたい物を決め、好みのサイズで制作しましょう。
<材料>
<道具>
<作り方>
1.作りたい箱のサイズを決め、簡単な設計図を書きます。カルトンとカルトンが接触する部分は、2mmの厚みを考慮して、必要な長さをよく考えましょう。
2.全ての面の寸法が決まったら、必要な面積分の2mmのカルトン(厚紙)を用意し、その寸法通りに裁断します。
厚紙の型が出来たら、箱を組み立てていきます。設計図通りに組み立てながら、カルトンとカルトンの接触片にボンドを塗って、辺同士を貼り付けます。
3.ボンドが乾いて箱が組み立ったら、箱の強度を増すために、各辺部分を水張りテープで張り合わせます。
テープはあらかじめ二つに折って、端をこのように切り落としておくと使いやすいです。内側と外側の両方に貼りましょう。
水張りテープは、切手同様に水を付けるとシールの様な粘着質になります。ガラス容器などに水を入れ、筆で水を付けると張り合わせたい部分のみを軽く濡らすとスムーズに接着出来ます。または濡らしたキッチンペーパーなどを使用しても良いでしょう。
4.厚紙の箱が出来たら、箱の外側用の布からカットを始めます。箱の側面外周をぐるっと一回りして少し余るくらいの大きさの布を切り出します。箱の上下にあたる部分に、それぞれに1〜1.5cm程ののりしろをつけてカットします。
必要な量の木工用ボンドを蓋付き容器などに入れ、少量の水を入れて混ぜ合わせます。木工用ボンドに水を混ぜて使用するのは、刷毛で塗る時に綺麗にのびやすくする為です。
このボンドを刷毛に付けて、箱の外周(底面以外)に薄くムラなく塗ります。この時ボンドは布ではなく、箱の方に塗るのが綺麗に仕上げるポイントです。
布の端は、角から1cmほどのところから貼り始めます。空気が入らないように少しずつ抑えながら布を厚紙に貼っていきます。1面塗ったら布を貼って、次の面に塗って布を貼ってというように、順番に進めましょう。
最後の布と布のつなぎ目は、写真のように角に合わせ、布の端を1cmほど折って貼り付けます。
ボンドが乾かない内にさっと布を貼り合わせる事も大切です。少々のシワは、完成後に軽くアイロンをかければ伸びるので、あまり気にしなくて良いでしょう。
5.外周に布を貼り付けたら、箱上部のマチの部分を処理します。写真のようにはさみで切りこみを入れ、内側に折り曲げボンドで張り合わせます。切り込みに角度をつけすぎると、下の厚紙が布で隠れず見えてしまうので、切りすぎないように注意してください。慣れるまでは、縦にまっすぐ切り目を入れるだけでも良いでしょう。
外側の底も、マチの部分を厚紙に張ります。
6.次は外側の底面に布を貼りましょう。底面のサイズよりやや(5mmほど)小さめに、ケント紙をカットします。そのケント紙のサイズに、各辺のりしろ(1〜1.5cm)を足した大きさで、布もカットします。ケント紙にボンドを塗り、布を貼り付け、角は写真のように斜めにカットします。のりしろをケント紙に折り曲げて貼り付け、そのケント紙ごと箱の底面に貼り付けて、底面は完成です。
7.次に箱の内側に布を貼っていきます。箱の内寸サイズに(ほんの気持ち1mmほど小さく)に切ったケント紙に、のりしろをとったサイズの布を貼り付けます。
これらを内側の4面に順に貼り付けていきますが、その都度のりしろの処理が変わってきますので注意してください。
まず、一番最初に貼る面(ここでは後ろ面から始めます)のケント紙は、上部ののりしろのみ、ケント紙の裏側に貼り付けます。他の3辺ののりしろは、箱の厚紙の方に貼り付けます。
次に、今貼った面の隣の面(ここではヨコA)を貼りましょう。こちらのケント紙は、同じく上部ののりしろをケント紙の裏側に、そして先ほど貼った隣の面と接する部分の辺も、ケント紙の裏側に貼り付けます。残った2片は、箱の厚紙の方に貼り付けます。
このように、箱の内側の角の部分は、最初に貼るケント紙ののりしろを使って布が貼られている状態にしたら、重なるもう1枚のケント紙は、ケント紙の裏側にのりしろを貼り付けた状態で貼り付けます。こうすることで、布と布の間からカルトンが見えるのを防ぎます。
4つの側面が貼り終わったら、最後に内側の底面を貼ります。こちらは4辺とも、折り曲げてケント紙に貼り付けた状態で、ケント紙ごと貼ります。
箱の内側の手の届かない角の部分や細かい所は、ヘラを使ってしっかりと押さえます。ヘラがない場合は、余った小さなカルトンの端などを利用するとよいでしょう。
8.ボンドが乾いたら完成です。ケント紙とカルトンをしっかりと貼り付けるため、重しを置いて一晩置いておくと、より良いでしょう。
おしゃれな布を貼ったボックスはインテリアのアクセントにも
カルトナージュで厚紙から箱を制作する事のメリットは色々ありますが、その1つに好みの大きさの箱を作る事が出来る事が挙げられます。また複数同じサイズの箱を制作できるため、部屋のインテリアをすっきりと見せる目的で制作される事もあります。ホームセンター等に行っても自宅の収納にぴったりと合った箱が見付かるとは限りませんから、好みの大きさの箱が欲しくなったらカルトナージュを試してみてはいかがでしょう。
ほかにも、お好みのアイテムやデザインのキットで探してみるのもいいですね。必要な材料がまとめて手に入るキットは初心者向けのものも多くておすすめです。さまざまなキットがありますので、お気に入りのものを見つけてみてください。
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キャッシュトレイやスマホケース、ブックカバーなどカルトナージュで制作出来るものは様々です。お店で販売されているもので気に入った物が見つからない時は、おしゃれな布や包装紙でカルトナージュを始めてみてはいかがですか?