カルトナージュとは、フランス語のcarton(カルトン)=厚紙から作られた言葉で、厚紙を組立てたものに美しい布や紙を貼って装飾しインテリアや小物を作るフランスの伝統工芸です。
材料はとてもシンプルな「布」と「紙」なのに、その仕上がりの美しさはまるで既製品や調度品のような見栄えです。
前回の記事では、カルトナージュで手作りできる袱紗(ふくさ)について、そしてより実践的なレシピとして、カルトナージュでバッグを作る方法をご紹介いたしました。
「他にはカルトナージュでどんなものが作れるの?」とお思いの方に、今回はカルトナージュで作れる作品のバリエーションと、空き箱がお洒落に大変身する簡単カルトナージュのアイデアをお伝えしたいと思います。
実用性も魅力の工芸品、『カルトナージュ』
厚紙と布だけで自分好みのアイテムがハンドメイドできるカルトナージュ。年代問わず女性に人気のある手工芸です。
例えば「リビングの空きスペースに収納箱が欲しいな」と思ったときに既製品から選ぶと、デザインやサイズなど、理想通りのものを見つけることはなかなか難しいですよね。
そんな時は、カルトナージュでご自身のイメージするものを手作りしてみるのもいいかもしれません。生活スタイルに合わせてぴったりの形やサイズ、素材で手作りすることが出来ますよ。
それでは早速、カルトナージュでどんな作品が作れるのか、見てみましょう。
収納箱からバッグや小物まで、作品のバリエーションは豊富
カルトナージュ作品の代表的なものといえば、箱。箱は収納やディスプレイにも使える、とても便利なアイテムです。蓋付きの箱と一言で言っても、被せ蓋型、落し蓋型、ブック型、スライド型などその他にも様々な様式がありますし、蓋がないタイプもあります。四角、円形、多角形と形状も色々。
でもカルトナージュで作れる作品は、箱に限ったものではありません。
例えばこちらは、カルトナージュで作った袱紗です。(前回記事:シーンを選ばず活躍する、カルトナージュの手作り袱紗より)
こちらは、フリンジをあしらった、チェーン付きのクラッチバッグ。お出かけやパーティーでも活躍してくれます。(前回記事:縫わずに簡単。カルトナージュでおしゃれなクラッチバッグを手作りしよう より)
他にも、ペン立てなどのステーショナリーグッズや、定期券やICカードを入れるパスケース、スマホケース、ミラーなど、とにかく幅広く制作できるのがカルトナージュの魅力です。
今までお店で購入していたものを自分の手で作ることができた時は、作品への愛着もひとしおです。
高価な道具や材料がなくても、作品作りは始められます
カルトナージュの基本的な材料は、厚紙と布です。
また、布の代わりとして、装飾用の紙、ラッピングペーパー、壁紙、レザーなど様々な素材も活用できます。好きな素材を見つけて、より自由に、自分のイメージに合わせて作れると嬉しいですよね。
使う道具は、はさみ、カッター、工作用ボンド、シャープペンシル、刷毛(ハケ)、定規等、どれもこれも自宅にありそうなものばかりなので、高価な道具や材料を集める必要が無いということも、人気の理由の一つといえます。
制作工程もとても簡単!針や糸、ミシンなどは一切使用しません。基本的には糊(ボンド)で貼り付けるので手軽ですし、子供の頃の工作の時間を思い出させるホッとする懐かしさもあります。
段ボールや空き箱が大変身!身近にある材料で簡単カルトナージュ
カルトナージュは、作品にもよりますが1mm~3mmの厚みの紙を使用するのが一般的です。しかしこの厚紙も、わざわざ揃えなくても身近な空き箱や段ボール、空き缶などで代用が出来るので、まずはご自宅にあるものを使って手作りにトライしてみましょう。
今回はこちらのメロンが入っていた蓋つきの段ボール箱と、お土産で頂いたお菓子の小さな空き箱を、簡単カルトナージュでアレンジしてみました。
さて、一体どんな風に変身するでしょうか?
・・・
ヨーロピアンな雰囲気の収納箱に変身しました!
蓋つきの段ボール箱は、刺繍入りの白い布を貼って、おしゃれな収納BOXに。
小さなお菓子の空き箱は、黒地の布を貼り、ゴールドの金具脚を付けて、フレンチアンティークようなコスメボックスに。
元は空き箱だったとは思えない仕上がりに、皆さま驚かれたのではないでしょうか?生活感の出る細々とした雑貨や化粧品などは、このようなボックスを使って一か所に隠したりまとめておくことで、すっきりとしたスタイリッシュな空間になりますね。
箱に布を貼るだけなのに、そのイメージをがらりと変えてしまうことが出来るカルトナージュ。その魅力に気が付いていただけたら嬉しく思います。あなたも空き箱をみつけたら、捨てずにカルトナージュで自分らしくリメイクしてみてくださいね。
1人ではやり方が分からないという方は、カルトナージュを学べるお教室や相性の合う先生を見つけて、ぜひ挑戦してみて下さい。