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フランスの伝統工芸『カルトナージュ』の作り方とそのポイント

atelier-jolie

おしゃれなお菓子の箱やカン箱はリサイクルして、小物入れとして使うことがあります。でも、お菓子屋さんのロゴが丸見えだったり、お部屋に置いておくと、いろんな箱のデザインがケンカをして、インテリアの統一感はなくなってしまうなんてことはありませんか?

今回はそんな箱のデザインに統一感をもたせることができる上に、お好みのデザインに変えることができる「カルトナージュ」をご紹介します。

カルトナージュとは?

Cartonnage(カルトナージュ)とは、厚紙を切って布やリボンで装飾し、ボックスなどを作るフランスの伝統工芸です。カルトナージュが作られるようになったのは18世紀。その名前の起源は、フランス語で厚紙を意味するcarton(カルトン)から来ています。

カルトナージュが作られるようになった背景は、
1.大航海時代にアジアから伝わったお茶を入れるための茶箱作り
2.養蚕が広まり、繊細な繭玉を入れるための布箱作り
以上の2つが有力な説とされています。一般的に紙箱は金属製の箱よりも吸湿性がありデリケートなものの収納に向くという点から重宝されていたようです。

また実用的なだけでなく、美しいインテリアとしても楽しめるカルトナージュは、後に上流階級の女性を中心に広まっていきました。

カルトナージュで使う道具

カルトナージュは①箱を作る・②その箱に布を貼る・③デコレーションをするというのが大まかな工程です。

そんなカルトナージュ作りには特別な材料や道具を必要とせず、基本的には厚紙と生地があれば楽しむことができます。余り布や古着があれば、ただの箱がカルトナージュで収納ケースや小物入れなどにリメイクすることができます。

それでは、カルトナージュで使う道具をみていきましょう。

カルトナージュ

材料

  • 厚紙(カルトン)
  • 布生地(または貼り付け用の紙)
  • ケント紙

道具

  • 布切りはさみ
  • カッターナイフ
  • カッターマット
  • 定規
  • ボンド
  • 刷毛
  • ヘラ(スキージ)
  • 製図用の筆記用具
  • 水張りテープ(片面に乾いたのりの付いた紙テープで、切手を貼る時の要領で使用します。)

カルトナージュで使える身近な材料や箱

カルトナージュで紙や布を貼り付けるための箱は、基本的には自分で切り出した厚紙をボンドで接着してオリジナルのボックスを作りますが、例えばお菓子やジュエリーなどのあまった空き箱などを利用すれば簡単なカルトナージュ作品が作れます 。

ただ、仕切りの多い箱などは布貼りが難しいので、最初はなるべくシンプルな箱を選ぶと良いでしょう。日常生活の中で丈夫で良い大きさの箱を見つけたら、ぜひ残しておきましょう!

カルトナージュの手順の中でも、製図から厚紙を切り出して接着して箱を作る部分は腕が問われるので、初めは既成の箱を利用して布貼りをマスターし、慣れてきたらオリジナルの箱作成にチャレンジするのも良いですね。

牛乳パックで簡単カルトナージュ!ペン立ての作り方

今回はご家庭でも手に入れやすい、牛乳パックを使ったペン立てのレシピをご紹介します。初めての方も是非試してみてくださいね。

材料

  • 本体 下から測って8cmのところで横にカットした牛乳パック 1個
    ※牛乳パックはしっかり洗って乾かしておきます。
  • 紙A 牛乳パックを切り開いて、6.7cm×7.7cmのパーツを切り出したもの(内側4面に貼る紙) 4枚
  • 紙B 画用紙など厚手の紙を 6.7cm×6.7cmに切ったもの(外側・内側の底面に貼る紙) 2枚
  • 薄手の白い紙(コピー用紙など) 8cm×29cm 1枚
  • 生地A 10cm×30cm(外側4面に貼る生地)  1枚
  • 生地B 8.7cm×9.7cm (内側4面に貼る生地) 1枚
  • 生地C 8.7cm×8.7cm (外側・内側の底面に貼る生地) 2枚

道具

  • 木工用ボンド
  • 刷毛
  • 水(ボンドを薄める用) 少量

作り方

  1. 薄紙を貼る
    牛乳パックの印字面が透けないよう、本体に木工用ボンドを水で薄めたものをムラなく塗り、薄手の紙を貼ります。
    牛乳パックでカルトナージュ

    Craftie

  2. 生地Aを外側4面に貼りつけます。
    本体外側の側面4面にボンドを刷毛で塗り、生地Aを上下に1cmずつのりしろを取れるようにして、牛乳パックに貼っていきます。生地の端は、角から1cm出して貼り始め、貼り終わりは生地を1cm折り返して、本体の角と生地の端が合うように貼ります。
  3. 角を仕上げます。
    本体上部の生地ののりしろ部分は、ボンドを付ける前に角の部分に切り込みを入れ、しっかりと箱の内側に折り返して貼ります。本体の底部分にかかる生地ののりしろは、折り込むと重なる部分を三角になるように切り取り、底に貼り付けます。
  4. 紙Aに生地Bを貼り付けます。
    紙Aに生地Bを貼り付けます。この時4辺にのりしろを1cmずつ取るように貼ります。紙Aである牛乳パックの紙は、印字がされていない白い面に生地Bを貼ります。のりしろの角部分は三角形になるよう生地を切り落とし、紙をカバーするように貼ります。
  5.  紙Bに生地Cを貼り付けます。
    この時4辺にのりしろを1cmずつ取るように貼ります。のりしろの角部分は三角形になるよう生地を切り落とし、紙をカバーするように貼ります。
  6. しっかりとボンドを乾かします。
  7. 工程4と5で貼り付けたものを本体に貼ります
    生地Bを貼った紙Aを本体内側の4面に貼り付けます。生地Cを貼った紙Bも本体外側の底と、内側の底に貼り付けます。
  8. 完成です!
    お好みで、グログランテープやブレードなどで装飾を加えたり、ラインストーンで輝きをプラスしたりしても素敵です。

ここがポイント!角部分をきれいに仕上げる方法

カルトナージュの角処理

Craftie

カルトナージュ作りで大きな課題となるのが、角部分の処理です。
角はどうしても生地が重なる部分なので、切り取りが足りないと凸凹ができてしまい、ほかのパーツを貼り付ける際に浮きやすくなります。逆に生地を切り過ぎてしまっても、隙間から土台が見えてしまい、見た目が美しくありません。

角をきれいに仕上げるためには、角部分は定規とカッターを用い、カルトンに対して正確に45度の角度で切り取る基本テクニックを習得しましょう。慣れてきたら上の写真のように、角をつまんでカットすることで、うまく45度の角度で切り取ることができるようになります。

また、ほつれが目立ちやすい織りが入った生地は、カットする前に水で薄めたボンドを筆でポンポンと軽く叩くように馴染ませます。ボンドが乾いたらほつれ止めが完了ですので、角部分の生地をカットしましょう。

作業の丁寧さがカルトナージュを美しく仕上げるポイント

カルトナージュで美しい作品を作るのに大切なポイントは、やはり作業の丁寧さです。例えば、カルトンをカットして箱を組み立てる過程では、わずか1mmの差でも仕上がりに大きな影響が出てきてしまいます。

またレベルが上がると、蓋つきのデザインの箱や、引き出しで開閉できる小物入れなどを制作することもあります。サイズにズレが発生すると、蓋や引き出しが本体にはまらなかったり、隙間ができたりするなど完成度が下がってしまいますので、作業は丁寧に行うことが大切です。

まずは、こちらの蓋つき段ボール箱やお菓子の空き箱を華やかにリメイクするレシピで練習を重ね、少し慣れてきて、より本格的にカルトンをカットするところから挑戦してみたい!という方は、ぜひこちらのレベルアップした収納箱クラッチバッグのレシピを参考にしながら作ってみてください。

手軽楽しめるカルトナージュの魅力

カルトナージュにおいて焦りは禁物。じっくり、ゆっくりと作業を進めつつ、徐々に作品が出来上がっていく過程を楽しむ心の余裕も大切です。

フランスの貴族階級の女性から広まったという、優雅なカルトナージュ作り。ゆったりと流れる時間とともに、美しい作品を作り上げていく喜びを感じながら当時の情景に思いを馳せつつ、お気に入りの一品を作り上げてみてはいかがでしょうか。

カルトナージュをワークショップで体験!

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ライター

Craftie Style編集部
Craftie Style編集部
アート・クラフト・ものづくりを通して、日々の暮らしの楽しさ、彩り、新たなコミュニティを生み出すこと。そのきっかけを作るためのコンテンツをお届けします。