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カルトナージュに適した生地の選び方

atelier-jolie

様々な色柄の布生地を用い、オリジナルの小物やインテリアが手作りできるカルトナージュ。最近ではカット済みのカルトン(厚紙)が入って、生地を貼り付けて組み立てるだけの手頃なキットも発売されていたりと、気軽に自宅で挑戦する人も増えているようです。

カルトナージュ(Cartonnage)の醍醐味、材料の生地選び

インテリアの一部にもなるカルトナージュ、生地選びはとても大切です。好きな色を一色選んでも良いですし、お部屋のテイストに合った色や柄にしたり、異なる模様をいくつか組み合わせたりと、出来上がりを想像しながら楽しく選びましょう。

今回は、カルトナージュ愛好家に特に人気のあるトワル・ド・ジュイ、モアレ、ダマスクを中心に、カルトナージュに使われる色々な生地と選び方のコツについてご紹介します。

カルトナージュの王道、フランスの伝統的な布地トワル・ド・ジュイ

トワル・ド・ジュイは主に2色織で、人物や草花などが写実的に織り込まれた柄が特徴です。壁紙やカーテン、ベッドリネンなどに用いられることが多く、フレンチスタイルのインテリアでよく見られる生地です。

トワル・ド・ジュイを直訳すると、ジュイの布という意味になります。この呼び名は、18世紀にJouy en Josas(ジュイ・オン・ジョサス)という小さな村の製作所で生産が始まったことから来ています。

美しいだけでなく、それまでになかった斬新なデザインで王侯貴族にも愛され、かのマリー・アントワネットもその1人でした。19世紀に入り製作所はクローズしましたが、現在はその跡地にトワルドジュイ博物館が建っています。

世界中にコレクターが存在するほど、根強い人気を集めているトワル・ド・ジュイ。素材は主にコットンで、ボンドなどとの馴染みも良いため扱いやすい生地です。

その多くはフランス製のため、一般的な手芸店や生地店では手に入りにくい場合もあるようです。通販ショップなどを中心に、輸入生地を専門に扱っているお店で購入するのがおすすめです。

クラシカルな表情が魅力のモアレ

クラシックなインテリアにマッチする生地として人気のある、モアレ。モアレ(moire)とは、フランスで干渉縞の意。木目のようにも見える、不規則に波打つ模様が特徴の生地です。

素材としてはコットンとポリエステルの混紡のものがメジャーであり、シワになりにくく、汚れにも比較的強いという特長があります。

程よい光沢感とハリがあり、ヨーロッパではカーテンやソファーを始め、小物類にも使用されることの多い生地です。無地でありながら、縞がニュアンスのある表情を見せてくれるので、カルトナージュでは内張り用の生地としてもよく用いられています。

また、モアレはリボンやタッセルといった、装飾品が最も合う布の一つ。ゴージャスにデコレーションすれば、ロマンティックなプリンセステイストの作品作りが楽しめます。衣装作りなどに使われることも多く、大型手芸店を中心に比較的手に入りやすい生地です。

エレガントな雰囲気を漂わせたいなら、ダマスクもおすすめ

植物やお花などの模様をモチーフに規則的な織で表現し、柄が立体的に浮き出たように見えるダマスク。名称は当時貿易で栄えていたダマスカスから来ています。もともとは中世初期の東ローマ帝国における伝統的な織物の一種で、14世紀頃からヨーロッパにも広まったとされています。

現在では、ジャガード織機により大量生産が可能となり、テーブルクロスやカーテンなど広く色々なアイテムに用いられているダマスク。カルトナージュでエレガントな雰囲気を演出したいなら、欠かせない存在といってもいいでしょう。単色でも、さりげなく織り込まれた柄がポイントになってくれる点も魅力的。大人っぽさがありながら、華やかさも演出できる生地です。

コットン等にダマスク柄がプリントされた生地は、日本でも人気のあるデザインの一つとして手芸店などでも多く販売されています。本場ヨーロッパ製のハイグレードな生地なら、通販ショップや輸入生地を取り扱っているお店で探すのがおすすめです。

カルトナージュの表布に適した、接着しやすい布の素材

カルトナージュの生地選びのポイントは、天然素材を多く使用しているという点です。ポリエステルやレーヨンなどの化繊は水を弾くため、ボンドとの相性が悪く、接着しづらいことが理由として挙げられます。混紡素材を選ぶ場合は、できるだけ天然素材の割合が多いものを選びましょう。

また、初心者の方には薄手の生地よりも適度なハリのあるコットンなどがおすすめです。ジャガードのような厚手のものは上級者向け。麻、シルク等は、染み出たのりのムラが残ってしまいやすいため、カルトナージュには不向きです。

柄の選び方と制作の難易度の関係

カルトナージュで作った箱

atelier-octobre

チェックやストライプなど直線的なモチーフの布は、歪んでしまわないよう柄の方向にしっかりと引っ張りながらカルトンに貼り付ける必要があります。扱い方に少々コツがいる生地ですので、カルトナージュに慣れた中上級者向けと言えます。

使いやすくおすすめの柄は、細かなドット柄や小花柄など、柄合わせの必要がないモチーフが小さく散りばめられた生地です。ハワイアン柄など大柄の布は、小物類に使うと柄の魅力を生かせないことも。ファイルケースなど、やや大きめの作品に使用するのがおすすめです。

布以外に、紙を貼る方法も。スキバルならレザーのような仕上がりに

カルトンに貼る素材は、一般的に紙よりも布がメジャーであるものの、近年人気を伸ばしつつあるのが、スキバルです。スキバルとはスキバルテックスの略称で、見た目はレザーのような質感でありながら、実は紙でできているハイテクな素材なのです。

高級感とツヤを併せ持ちながらも、ペーパーならではの扱いやすさが特長。布生地と異なり、ほつれを気にせず切りっぱなしで使える上、汚れに強い点も魅力です。手作りとは思えない完成度の高い作品ができます。スキバルは大型文房具店や紙専門店、通販ショップなどで購入できます。

スキバルを使ってカルトナージュで作った写真立てと小物入れ

atelier-octobre / atelier-jolie

革を使ったカルトナージュ

また、革(レザー)を使ったカルトナージュもあります。詳しくはこちらの記事でレシピとともに説明していますので、興味のある方はチェックしてみてくださいね!

革素材のカルトナージュで、手作りレザー小物を作ろう

生地の数だけ、作れる作品の数があるともいえるカルトナージュ。ぜひイメージにぴったりのお気に入りの生地を見つけて、楽しく作品作りに取り組んでみてくださいね。

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ライター

Craftie Style編集部
Craftie Style編集部
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