お気に入りの生地を金属や木製のボタンパーツにくるんで作る「くるみボタン」。
服飾品のボタンとしてだけでなく、アクセサリーや雑貨のワンポイントなどのさまざまなアイテムにアレンジできるのが魅力。小さな生地でもつくれるので、使い道に困っていたはぎれの有効活用にもぴったりです。
今回は、くるみボタンを使ったヘアゴムの作り方をご紹介します。
基本のくるみボタンの作り方
ボタンパーツを使った基本のくるみボタンを作ります。
くるみボタンでヘアゴムを作るときは、ボタンパーツの裏に通し穴の付いたものを使用します。ボタンパーツがあるとゴムを通しやすく、手軽にヘアゴムへとアレンジできます。
なお、打ち具や糸を使ったくるみボタンの作り方は、下記の記事でもご紹介しています。あわせてご覧ください。
材料と道具
材料
- お好みの生地、またはハギレ
道具
- くるみボタンのパーツ(通し穴が付いたもの)
- ボンド
- 布きりバサミ
- カッター
- えんぴつ
くるみボタンの作り方
作り方
- 生地を用意して型紙を作り、カットする
「くるみボタンの作り方①:打ち具で作る」の工程1~3と同じ要領で生地を選んで型紙を作り、カットします。
キットに同梱されている型紙を線の通りにカットします。型紙の中心に写真のようにシェル(ボタン表側のパーツ)をのせて、えんぴつで周囲をぐるりとなぞり、えんぴつの線に沿ってカッターなどで中をくり抜きます。
このくり抜いた部分が、ボタンの「表から見える部分」です。くり抜いておくことで、型紙を生地の上に載せた時、柄などの見え方が確認しやすくなります。
生地の表を上にし、型紙を載せてボタンにしたい柄部分を選びます。決まったら外側の円をえんぴつでぐるりとなぞります。えんぴつの線に沿って生地をカットします。
カットできました。
- シェルにボンドをつけ、生地でくるむ
シェルの内側にたっぷりとボンドをつけます。
表を下にして生地を置き、ボンドをつけたシェルを真ん中に載せます。
端を少し引っ張り気味にしながら、少しずつひだをよせて、端から丁寧にシェルをくるんでいきます。
布端がすべてシェルの中に収まるようにくるみます。
- バックパーツをつけて仕上げる
シェルに収まった生地の上から、ボンドをのせるようにたっぷりつけます。
バックパーツを載せます。柄に上下がある生地で、縫いつけるなどして使いたい場合は、ボタンの足と柄の方向が合っているかにも気をつけて載せるようにしてください。ボンドがはみ出てしまったら、乾く前にウエットティッシュでふき取りましょう。
- ボンドが乾いたら完成です。
くるみボタンをヘアゴムにする方法
作ったくるみボタンを、ヘアゴムへとアレンジする方法を2パターンご紹介します。
自分でカットして長さを調整できるゴムと、元から輪っかになっているヘアゴムをそれぞれ使用します。ゴムの色は、髪の色に合ったものを選びましょう。結んだときに、髪の色になじみやすく、仕上がりが綺麗になります。
材料
- 布切りバサミ
- 定規
①カットタイプのゴムを使用する場合
自分でカットできるゴムを使用する場合の結び方をご紹介します。
お好みでゴムの長さを調整できるため、毛量の多い方にもおすすめです。ゴムの結び目をボタンの裏側にくるようにすると、すっきりとした見た目になりますよ。
ヘアゴムにする方法①結び目が自由に動く方法
- ゴムとくるみボタンを用意します。ゴムの長さはお好みで変えてください。
今回は、22cmにカットしています。
- くるみボタンを裏返し、足にゴムを通します。
- ゴムの端を結びます。
- 結び目がくるみボタンの裏側にくるようにします。
- 完成です。
ヘアゴムにする方法②結び目をボタンの裏側に固定する方法
- ゴムとくるみボタンを用意します。ゴムの長さはお好みで変えてください。
今回は、22cmにカットしています。
- ゴムの端を結びます。
- ゴムの「わ」を、くるみボタンの足に半分ほど通します。
- ゴムの「わ」になっている方を結び目側のゴムの間に通します。
- 「わ」を、ひっぱります。
- 結び目がくるみボタンの裏側に固定されました。
- 完成です。
②輪っかタイプのゴムを使用する場合
元々輪っかになっているタイプのヘアゴムは、結び目がなくほどける心配がないことがメリットです。
今回は、手でゴムを通す方法と、糸を使って通す方法の2パターンをご紹介します。ボタンパーツの通し穴が小さいときには、糸を使う方がゴムを通しやすくなりますよ。
ヘアゴムにする方法①手で入れる
- 「わ」になっているゴムとくるみボタンを用意します。ゴムの長さはお好みのものお選びください。
今回は周囲16cmくらいのものを選びました。
- ゴムの「わ」を、くるみボタンの足に半分ほど通します。
- 片方の「わ」を、反対側の「わ」のゴムの間に通します。
- 「わ」を、ひっぱります。
- 完成です。
ヘアゴムにする方法②糸を使う
- 「わ」になっているゴムとくるみボタンを用意します。ゴムの長さはお好みのものお選びください。
今回は周囲16cmくらいのものを選びました。ゴムに15cmくらいの太めの糸を通し、そのまま糸の両端をくるみボタンの足に通します。
- 糸を引っ張りながら、ゴムの「わ」を、くるみボタンの穴に半分ほど通します。
- 糸を通した「わ」を、反対側の「わ」のゴムの間に通します。
- 通した「わ」を、ひっぱります。
- 完成です。
くるみボタンのヘアゴムを作るポイント
くるみボタンのヘアゴムを作るときのポイントを3つご紹介します。
このポイントを押さえると、仕上がりがよりきれいになります。
ボタンの足(通し穴)のサイズを確認する
ボタンの足(通し穴)のサイズを確認して、サイズに合った太さのゴムを選ぶことがポイント。太めのゴムがお好みの方は、足の大きいボタンパーツを選びましょう。
とくに、結び目を足に固定する場合や、輪っかになっているゴムを使用する場合は、足にゴムを2本分通す必要があります。小さいとゴムが通らない可能性があるため、必ず足とゴムのサイズを確認しましょう。
やや薄手の生地を選ぶ
厚手の生地は、ボタンパーツをきれいに包みにくく、表にシワが寄ってしまうことがあります。また、薄すぎる生地は、ボタンパーツの土台が見えてしまったり、破けやすくなったりしてしまいます。例えば合皮、厚手のフェルト、ニット、ガーゼなどは、くるみボタンにあまり向いていない生地と言っていいでしょう。
シワなくきれいにボタンパーツを包むには、織目が小さくやや薄手の生地がおすすめです。
薄い生地や穴のあるレース生地などを使いたい場合には、白い生地を下地にし2枚重ねにして使用すると、土台が見えにくく、強度もアップします。
髪の色にあったヘアゴムを選ぶ
髪の色にあったヘアゴムを選ぶと、結んだときにゴムの色が浮くことなく、すっきりとしたきれいな見た目に仕上がります。
反対に、デザインに合わせて華やかな色のヘアゴムを選んだ場合は、ヘアアレンジの指し色として活躍するでしょう。
自由自在なアレンジが嬉しい、くるみボタン
手軽に作れて、ヘアアレンジの幅が広いくるみボタン。作ったヘアゴムは、ヘアアクセサリーとしてだけでなく、お弁当包みや手帳の留め紐として活用するのもおすすめです。
余ってしまったはぎれや捨てられない思い出の服の生地などを使って、おしゃれでかわいいくるみボタンのヘアゴムを作ってみてくださいね。