綿や麻、デニムなどさまざまな布地に色付けできる「布絵の具」。普段使いするTシャツやバッグなどのアイテムにも、自由自在に絵を描くことができます。
水彩絵の具のように、色を混ぜたり、重ねづけしたりとさまざまな方法で塗れるので、デザインの幅も広がりますよ。ぜひ布絵の具で、無地やシンプルな布をアレンジしてみませんか?
お好きなカラーをしっかり密着!布絵の具とは?
布絵の具は、布専用の溶剤を混ぜたアクリル絵の具のことです。通常のアクリル絵の具でも布に絵を描くことはできますが、布用の溶剤が入っていないため、吸着力などは布専用と比べると低くなってしまいます。
その点、布絵の具であれば、布への色接着がしやすく綺麗に発色します。綿・麻・ポリエステル・デニムなど、さまざまな布に絵や模様を描けるので、シンプルな布製品にワンポイントを入れたり、リメイクしたりするときに活躍します。
ただし、繊維の水分量によって綺麗に色が入らないこともあるため、事前にはぎれなどで色の付き方を確認しておくことがポイントです。
布絵の具でTシャツに絵を描いてみよう!
Tシャツに布絵の具でお好きなイラストを描く方法をご紹介します。友人や家族とお揃いで作ったり、イベント時にオリジナルで作るのもおすすめです。自分のイラストがTシャツになったら嬉しいですよ。
■所要時間:約1〜2時間
材料・道具
- 布絵の具(レシピでは青系、赤系、黄色系を使用しています。)
- 無地のTシャツ
- フリクションペンなどの消せるペン
- 筆
- パレット(空き容器でOK)
- 下敷き
- 新聞やチラシ(作業中に絵の具の色移りを防ぐため)
作り方
- Tシャツの中に下敷きを入れます。なければ新聞などでもOKです。
- 書きたいイラストを用意して配置を考えます。今回は子供が書いた猫の絵をTシャツに写したいと思います。
- 配置が決まったら、フリクションペン(消えるペンなど)で絵をなぞります。
- ペン先がTシャツに引っ掛かりやすいので、布をピンと張りながらなぞりましょう。
- 前後でイラストをつなげたい場合は、側面にイラストを書きます。 身幅の厚みがあるので、着た時のふくらみをイメージしながらイラストを書いてください。
- 下書きが書けました。
- 布絵の具を用意します。パレットは、卵や野菜などのパックを活用すると便利です。
- 布を張りながら、ゆっくりと色をつけていきます。
- 胸元のワンポイントが書けました。
- お好みの色や柄を塗ってください。 今回はスポンジを使って柄をつけていきたいと思います。スポンジを丸く切って、絵の具をつけました。
- スタンプのようにポンと色をつけます。
- 水を多めにすると、水彩絵の具のようにぼんやりと色が広がりますよ。
- カラフル模様の猫ができました。
- 絵ができたら乾かします。 表と裏がくっついて色移りしないように、気をつけて干しましょう。
- 下書きの線を消します。今回はフリクションペンを使用したので熱で消える為、ドライヤーを当てました。
- このように綺麗に消えました。
- しっかり乾けば完成です。
こちらは裏側になります。
このように2枚のTシャツを使って、ひとつのイラストになるように描くのもおすすめです。
兄弟やお友達とお揃いで着ると、並んだときにとても可愛いですよ。
ステンシルシートでおしゃれなカフェ風スタイルも
ステンシルシートを使って、文字や模様を転写するアイデアもあります。デザインを転写したい場所にステンシルシートを配置して、布絵の具を浸み込ませたスポンジなどでポンポンと叩くと、おしゃれな図柄を綺麗に転写できますよ。
無地のTシャツやトートバッグにロゴを入れたい場合や、カーテンやティッシュケースなど、布製の家具などのリメイクにもぴったりです。ぜひ布絵の具と合わせて活用してみてください。
布絵の具は洗濯できる?
布絵の具を使うとき、気になるのが「洗濯してもいいの?」という点ではないでしょうか。
布絵の具は、基本的には洗濯できないとされています。ただし、製品によっては洗濯してもOKな絵の具もあるようです。布絵の具を選ぶ際は、洗濯をしても大丈夫な絵の具かどうか、メーカーやパッケージを確認しておくようにしましょう。
布絵の具と布との相性
布の特徴に応じて技法を使い分けることで、綺麗な仕上がりになります。お好みに合わせて挑戦してみてください。
■綿(コットン)
綿(コットン)は布絵の具の接着がしやすく、きれいな色を表現できます。初めて布絵の具を使うという方は、綿から挑戦してみるのがおすすめです。
■麻
麻は、吸水性や通気性などに優れた素材です。布絵の具の水分量を増やすことで、水彩画のようなタッチが描けます。
■ポリエステル
耐久性があり湿気にも強いポリエステルは、布絵の具との相性も抜群です。絵の具の色があざやかに発色するほか、重ね塗りしても綺麗に仕上がります。
■デニム
使うほどに色落ちを楽しめるデニムには、さまざざまな色があります。濃いデニムの場合には、下地に濃い白を塗ってから色を重ねることで、綺麗に発色しやすくなります。
布に描ける絵の具の種類
布に描ける絵の具には、「布絵の具」のほかに「アクリルガッシュ」というものがあります。仕上がりや乾燥の時間も異なるため、使用用途に応じて使い分けると良いでしょう。それぞれの特徴は以下のとおりです。
■布絵の具
布絵の具は、なめらかで色が布に乗せやすいといった特徴があります。絵の具の伸びもいいため、初めて使う人も扱いやすいといえます。乾いた後の質感もやわらかいので、生地の良さをそのまま活かしたペイントが可能です。ただし、乾くスピードは遅いため、完成までに多少時間がかかります。
■アクリルガッシュ
アクリルガッシュとは、不透明性でツヤのない絵の具です。色ムラのない、均一でマットな仕上がりになるのが特徴です。乾くスピードも早く、耐水性や耐久性に優れているという魅力もあります。ただし、布に重ねた絵の具の分だけ厚みが生まれるため、ざらつきや固さが出やすくなります。グラデーションを作りたい、細かい箇所を塗りたいなどの場合は不向きです。
布絵の具で広がるカラフルな毎日
布絵の具を使えば、無地やシンプルなアイテムも思い通りに彩ることができます。お好きなイラストや模様を描いて、自分好みに仕上げられるのが嬉しいですね。洋服のワンポイントとして、家具や小物のリメイクとして、世界に一つだけのオリジナルアイテムを作ってみてはいかがでしょうか。