ヨーロッパで暮らしていると、古いものを大切にする習慣や、古いものにこそ価値があるという考え方が根付いていると感じる機会が多くあります。
そのひとつが、週末はどこかで必ず開かれている蚤の市。特に春から夏にかけては屋外で大規模な蚤の市が数多く開催され、地元の人たちがウキウキしながら掘り出し物を探している姿をあちこちで見かけます。
蚤の市といっても、プロの骨董屋さんが多く出店するアンティーク・ヴィンテージ品がメインのものから、一般の人が家庭の不用品を持ち寄るものまで種類はさまざま。フランスやイギリス、オランダなど国によっても特色があります。
レトロで可愛いものがたくさん見つかるヨーロッパの蚤の市を、国ごとにいくつかご紹介します!
フランスの蚤の市はレトロなインテリアアイテムが大充実
フランスの蚤の市では、絵やジュエリー、小物入れなど、一点だけでもインテリアのアクセントになるレトロで芸術性の高いアイテムがたくさん見つかります。ヴィンテージのリネンやレースなど、布製品も豊富に揃っていることが多いです。
こちらは古い額縁や装飾の欠片。何に使うのかな?と思ってしまいますが、たくさんの人が群がっていました。庭や室内のインテリアパーツとして活用するのかもしれませんね。
フランスの蚤の市といえば、パリのヴァンヴやクリニャンクール、モントルイユの蚤の市が有名で、日本人の姿も多く見かけます。そしてヨーロッパ最大の蚤の市といわれているのが、フランス北部の街リールで年に1度行われる『リール・ブラッドリー』という蚤の市。リールの街全体が蚤の市会場と化し、ありとあらゆるものが売られていました!
ベルギーの蚤の市は宗教色の強いアイテムが目を引く
ベルギーも蚤の市が盛んな地域です。通常週末に行われることの多い蚤の市ですが、ブリュッセルにあるジュドバル広場では、なんと1年365日毎日蚤の市が開かれています。
画像はブルージュで遭遇した蚤の市の様子ですが、カトリック国であるベルギーでは、十字架やマリア像などキリスト教色の強い品物が目立つように感じます。教会内で蚤の市が行われていることもありますよ。
イギリスの蚤の市はアンティーク色強し
イギリスの蚤の市では、陶器、銀器、コイン、家具などアンティーク・ヴィンテージ度の高いものが多く並んでいます。イギリスにはアンティークの個人収集家も多いようで、売り手も買い手も知識が豊富な印象を受けます。
もうひとつイギリスの蚤の市を見ていて感じるのは、イギリスで作られたアンティーク品が多いということ。自分たちの国の文化や歴史に対するイギリス人の誇りを感じます。
オランダの蚤の市にはヨーロッパ各国のヴィンテージ品が
イギリスとは反対に、オランダの蚤の市には色々な国から集まってきた品々が並びます。たとえば陶器だけでもイギリス、フランス、ドイツ、ベルギー、チェコなど多国籍な品揃え。江戸時代~明治時代に日本から輸出された醤油が入っていた陶器の瓶もよく見かけます。
オランダの蚤の市は夏が本番。デルフトやゴーダ(ゴーダチーズの由来の街です)などの小さな街で夏季限定の屋外蚤の市が開かれています。デルフトの蚤の市は運河に沿って店が並んでおり、運河の街オランダならではの風景も一緒に楽しむことができます。
その他スウェーデンやフィンランドなど北欧の国々でも、夏の時期に蚤の市が盛んに行われています。
蚤の市の魅力はなんといってもその「宝探し」感。一見ガラクタのようなものが実は価値あるヴィンテージ品だったり、数百円で自分だけのお気に入り品が見つかったり。自分の手元に来るまでに、その物がどのような歴史を歩んできたのか思いを馳せるだけでもロマンを感じます。
もしヨーロッパに旅行する機会があれば、蚤の市を探して訪ねてみてはいかがでしょうか。きっと素顔のヨーロッパや自分だけの宝物との出会いがあるはずです。