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Story 01. 思い出の花で作った押し花アクセサリー。身につけるたびに楽しい記憶が蘇る。

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小さなブーケを愛用のゴブレットに活けてみる。覚えたてのカリグラフィーでカードを書いてみる。毎日は、小さな「何か」の積み重ねで、一歩ずつ、素敵に近づいていきます。ほんの少し手をかけて迎える明日は、今日よりもっと愛おしい。これは、そんな暮らしのシーンと、心がときめく瞬間を追いかけたショート・ストーリーです。

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親友の結婚式で花をもらった。といっても、ブーケトスではない。閑静な住宅街にある一軒家レストランで開かれたパーティーでは、どのテーブルにも花嫁のリクエストと思われる可憐な花が活けてあった。

秋晴れの祝日は、いかにも結婚式びより。なごやかなパーティー会場は、終わるや否や、次のカップルのための設営モードに切り替わる。

「よかったら、持って帰ってください」。レストランのスタッフが、慣れた手つきでテーブルの花を束ね、帰り際に差し出した。

結婚式でもらった花は、どこか花嫁の彼女に似ていた

持ち帰った小さなブーケ。家で包み紙をほどいてみると、想像以上にたくさん花が入っている。アジサイにアスター、エリンジュームにミシマサイコ・・・。どの花もやわらかな色合いで、控えめな彼女を彷彿とさせた。

さっそくお気に入りのピッチャーに活けてみる。たおやかな花の姿は、草花レースをあしらったウエディングドレスの彼女と重なった。パーティーの余韻に浸りながら、しばらく眺めていたけれど、それだけではもの足らず、写真に撮って、SNSにアップする。

人は楽しかったことを、かたちに残したがるものなのだろうか。ひと昔前ならアルバムに納める写真も、今はインスタグラムにアップしておけば、いつでも「思い出」にタイムスリップできる。

写真だけでなく、花そのものも残したいと思った

ピッチャーに活けた花が日一日と表情を変えていくにつれ、写真に収めるだけなく、花そのものも残しておきたい、と思うようになった。花が枯れてしまわぬうちに、その美しい輪郭を愛でられるうちに。

そうだ、押し花にしてみよう。思い立ったら吉日。大きな顔の花は、茎からそっとはずして平らに、小さな花は茎ごと、丁寧に紙にはさんで、重たい本を積み上げる。

数週間後、本の間からきれいな押し花が現れた。少し色褪せてはいるけれど、花の輪郭が際立って、生花のときよりも、その花らしさを湛えていた。

押し花でアクセサリーづくり。レジンを使おう

紙のように薄くなった押し花は、ひらひらとどこかに飛んでいってしまいそうだった。何かに閉じ込めてしまいたい衝動にかられる。そのとき、親友と一緒にアクサセリーづくりのワークショップに参加したことを思い出した。「シングルライフ最後の一緒のお出かけね」と、照れ笑いした彼女の顔まで浮かんだ。

そのときに使ったのは、レジン。UV-LEDライトで照射すると、透明な液体がみるみる硬くなって、あっというまにアクセサリーができあがった。あのとき買った照射用のライト、まだ持っているはず。どこにしまったかな。

収納棚からレジン用のモールドと照射用ライトを取り出した。さあ、作ってみよう。今度はひとりなので、ちょっと緊張。ピンセットでやさしく押し花をつまみ、レジンを注いだモールドにゆっくりと落とす。ああ、この感覚、思い出した。UV-LEDライトで照射を繰り返し、硬くなったレジンをモールドから取り出す。できた、わたしのアクセサリー。

久しぶりの彼女との再会。身にまとったのは、もちろん・・・

彼女の結婚式に出てから、3年の月日が流れた。結婚後、すぐに彼女はシンガポールに赴任した夫とともに海外暮らし。ほどなく女の子を授かったと便りが届いていた。

3年ぶりに東京で会う彼女。わたしは迷わず、あのときの押し花で作ったピアスをつけた。いつか彼女に会ったらプレゼントしようと、大切に箱にしまっておいたイヤリングとヘアゴムも携えて。

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このストーリーの題材となった、レジンで作るアクセサリーは、「押し花を閉じ込めた ヘアゴム&ピアス」のキットとして、Craftie Homeで販売しています。

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ライター

Craftie Style編集部
Craftie Style編集部
アート・クラフト・ものづくりを通して、日々の暮らしの楽しさ、彩り、新たなコミュニティを生み出すこと。そのきっかけを作るためのコンテンツをお届けします。