きっと誰もが一度は遊んだことがあるプラバン。薄いシート状のプラスチックに絵を描き色を塗って、オーブントースターで焼き上げるだけの簡単な作り方なので、夢中になって色々なものを手作りした人も多いですよね。
そんなプラバンには、立体的に仕上げるテクニックがあるのをご存知でしょうか。この方法を使えばお花モチーフやリボンも、まるでアクセサリーショップで並んでいるような本格的な作品に。今回はプラバン作りがもっと楽しくなる、立体的な加工方法とアレンジアイデアをご紹介します。
花びらが上品なプラバン立体ピアスの作り方
プラバンを使って、花びらが綺麗な大人っぽいピアスを手作りできますよ。今回のレシピでは、色鉛筆やクレヨンで着色できるフロストタイプのプラバンを使用します。
花びらの着色にはお好きな色を選んでみてください。焼いたあとは縮まって色が濃くなるので、淡い色を選ぶのがおすすめです。ティッシュや指などで色の境界をぼかしてグラデーションにすると、より立体感を表現できますよ。
■完成サイズ:約W2×H2.5×D1.5cm
■所要時間:1時間ほど(乾燥時間は含みません)
材料
- プラバン(半透明タイプ)※種類の詳しい選び方については、記事末でも解説しています。
- 下絵
- ピアスパーツ
- デコレーションパーツ
道具
- 水性ペン
- 色鉛筆
- ティッシュ
- ハサミ
- 軍手
- アルミホイル
- クッキングシート
- 接着剤
- トースター
プラバンの立体花びらピアスの作り方
作り方
- まずは下絵を描きます。プラバンは4分の1ほどに縮むので、6cm角くらいの大きめの下絵を用意します。
- 下絵の上に、プラバンのツルツルした面を上にして水性ペンでなぞります。この時、ザラザラした面に描いてしまうと消すことができなくなりますので注意しましょう。
- 線に合わせてハサミで切ります。同じものを2枚作りましょう。
- 水性ペンで描いた線をティッシュで拭き取ります。ザラザラした面を汚さないよう注意しましょう。
- ザラザラした面に、色鉛筆などで色を塗ります。焼くと色が濃くなるので、薄めでOKです。(プラバンへ色鉛筆で着色する方法については、こちらの記事もご覧ください。)
ティッシュや指を使いグラデーションにすると、より立体感が引き立ちます。
このように着色をしました。
- 2枚共色付けが終わったら、トースターにクシャクシャにしたアルミホイルとクッキングシートを敷き、余熱で温めて焼く準備を整えます。
軍手をはめ、火傷に注意しながら温まったトースターへプラバンを置きます。
- 焼くとプラバンが大きく丸まって縮みます。
焦らず、平らになるまで待ちましょう。
- 平らに落ち着いたら取り出します。 直接触ると熱いので、クッキングシートごと取り出してください。
- 熱いうちに軍手をはめた指先で花びらを湾曲させて、お好みの形に仕上げます。ツルツル面を表にするとツヤツヤな仕上がりに、ザラザラ面を表にするとマットな仕上がりになります。
焼き上がったプラバンの表面が美しいですね。
- 接着剤で、パールやラインストーン、花座パーツなどを付けます。
- 裏側にピアスパーツをつけたら完成です。 接着剤かレジン液で硬化して、パーツをつけてもOKです。
【応用編】花びらを3枚重ねたプラバンピアスの作り方
プラバンで作る花びらを重ねると、より華やかな仕上がりなります。基本の工程は花びらピアスと一緒ですが、花びらを重ねることでより立体感がでて、色の濃淡も美しく見せることができます。材料と道具は、先程のレシピと同様です。
作り方
- 大中小の3種類の下絵を用意します。サイズは以下のとおりです。
・大…5cm
・中…4cm
・小…3.5cm - プラバンのツルツル面に水性ペンでなぞります。 ※ザラザラ面に書くと消えないため注意してください。
- 線に合わせてハサミで切ります。大中小のセットを2つ用意しましょう。
このように、プラバンをカットしました。
- カットしたら、ペンの跡をティッシュでふき取り、ザラザラの面に色鉛筆で色を塗ります。3枚の花びらがグラデーションになるよう塗ると、綺麗に仕上がります。(プラバンへ色鉛筆で着色する方法については、こちらの記事もご覧ください。)
- トースターの準備をして、1枚ずつ焼いていきます。
- プラバンが平に落ち着いたら、クッキングシートごと取り出し、軍手をはめた手で熱いうちに形を整えます。
- サイズは下記のように縮みました。小さいプラバンは丸めるように曲げると、3枚重ねた時にまとまりやすくなります。
・大…5cm→約2cm
・中…4cm→約1.5cm
・小…3.5cm→約1cm
- 大中小を花びらが重ならないようにして、順に 接着剤で止めていきます。
- 真ん中にラインストーンなどをデコレーションしても可愛いですよ。
- 花びらの裏側にピアスパーツと付けて完成です。
立体的なリボンで作るプラバンヘアピンのレシピ
きゅっと結ばれたキュートなリボンは、立体的ならさらにかわいく出来上がりますのでヘアアクセサリーにもおすすめです。今回は、ポップなテイストのリボンのヘアピンの作り方をご紹介します。
材料
- プラバン
- お好きな色の油性ペンまたはポスカ
- はさみ
- アルミホイルまたはクッキングシート
- 軍手
- 接着剤またはグルーガン
- 台座つきヘアピン
作り方
- プラバンを下の写真のような形でカットし、色を付けます。上のパーツはリボンの両端部分、下のパーツは中央の結び目部分になります。プラバンを焼く前にパーツの周りにやすりをかけてなめらかにしておくと、リボンの結び目が再現しやすくなります。
- プラバンにドットやストライプなどお好みの柄を描きます。
- まずは上のパーツ(リボンの両端になる部分)をアルミホイルに乗せ、オーブントースターで加熱します。
- 縮み終えたら軍手をはめた手で取り出し、すぐに両端部分を中央に合わせるようにして折り曲げ、リボンの形を作ります。
- 次に下の結び目のパーツもオーブントースターに入れて焼き縮めます。取り出したら、リボンの中央部分に巻き付けるようにして形を整えます。
- 冷めて硬くなるまでしばらく置き、リボンの裏面をヘアピンの台座に接着剤またはグルーガンで取り付けたら完成です!
同じプラバンでも、平面と立体にアレンジするのではイメージがガラリと変わりますよね。ぜひ、素敵に仕上げるテクニックを覚えて、自分だけのオリジナルのアクセサリーを作り上げてみてください。
立体的なプラバンアクセを上手に仕上げるコツ
プラバンを立体的に仕上げるには、焼いた後の形成が重要なポイントです。プラバンを焼いたあとは、温かく柔らかいうちに形を整えましょう。完成形をはじめにイメージしておくと、焦って失敗してしまうのを防げます。
また、形を整えるときに失敗してしまった場合、再度焼いて温め直すと修正することができます。ただし、何度もやり直すと思い通りの形状にならず、歪んでしまうこともあるため注意しましょう。
厚みの選び方
プラバンの厚さは「0.2mm」「0.3mm」「0.4mm」のものが主流です。
作るモチーフによっておすすめの厚みは異なりますが、何枚も重ねて作る花びらや、華奢なアクセサリーにしたい場合には0.2mmがちょうどよいサイズといえるでしょう。
厚みがのあるアクセサリーにしたい場合には、0.3mmや0.4mmのプラバンを選ぶのもおすすめです。ただし、厚みのあるものは焼いた後に成形することが難しく、硬化に時間がかかるといった注意点もあります。そのため、厚みのあるプラバンは、シンプルな形状でボリューム感を出したい場合いおすすめです。
種類の選び方
プラバンの種類には、「透明タイプ」「フロストタイプ」「不透明タイプ」があります。プラバンの種類によって透け感やアレンジ方法などが異なるため、どのようなアクセサリーにしたいか、デザインのイメージから選ぶことがポイントです
■透明タイプ
透明タイプのプラバンはもっとも一般的なタイプで、手芸屋さん以外にも100円ショップなどで手軽に入手できます。油性ペンで絵を描いたり、縮めた後にアクリル絵の具やマニキュアで着色したりとシンプルで作りやすいため、初めてプラバン加工にチャレンジする方にもおすすめです。また、透明素材のため、下絵のデザインを書き写すことができるのも魅力です。
■フロストタイプ
フロストタイプは、透明のタイプのプラバンにヤスリをかけたような加工がされているプラバンです。ざらざらした形状のため、色えんぴつやパステル、水性ペンでの加工ができるといった特徴があります。グラデーションをつけたり、色の強弱をつけたりと色彩豊かに作品を作ることができます。
■不透明タイプ
不透明タイプのプラバンは、透過性がなく白色になっているのが特徴です。透明タイプと使い方は同じですが、背景を塗装する必要がありません。完成した作品の色彩がハッキリと映えるので、作品に白を多く取り入れたい場合におすすめです。
プラバンで透明感のあるオリジナル立体アクセサリーを
プラバンは、使用する厚みや種類によってアレンジの幅が広がります。繊細でシンプルなアクセサリーを作りたい場合は、2mmと薄いプラバンを使用するのがポイント。単色やグラデーションなど着色を付けたい場合は、透明タイプやフロストタイプのプラバンがおすすめです。
今回紹介した花びらのピアスは、色づけや形づくりひとつでニュアンスが変わるのが素敵なところです。プラバンを使って、一点もののアクセサリーを手作りしてみてはいかがでしょうか。