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衣類をかわいくお直し ダーニングの基本と準備するもの

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靴下に穴が空いてしまったり、大切に着ていたシャツにシミが付いてしまった時、「もう着れない・・」と思ったことがありませんか?そんな靴下や洋服はダーニングで補修し、アレンジをしませんか?基本的なやり方をとともに、ダーニングの作例をご紹介します。制作の参考にしてくださいね。 

ダーニングとは?

ダーニングとは、擦り切れたり穴が開いたりした衣類を補修する、イギリス発祥の修繕方法です。補修跡が目立たないように繕うこともできますが、あえてカラフルな糸を使うことで、かわいらしい装飾にもなります。今回はダーニングの基本と、必要な道具・材料をご紹介します。

ダーニングに必要な材料と道具

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材料

  • ダーニングしたい衣類やインテリア品
    ニットなどの編み物、綿・ウール素材の洋服・下着・クッションカバーなどが適しています。今回はウールの靴下を用意しました。

  • 初心者さんにおすすめなのは「細めの毛糸」です。そのほか刺繍糸、刺し子用糸、ソックヤーン(靴下用の毛糸)も使えますし、ダーニング専用の糸も販売されています。基本的に自分の好きな糸を好きなように使っていただいて構いません。
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道具

  • 針 (毛糸とじ針刺繍針、刺し子針、クロスステッチ針)
    毛糸を使うなら毛糸とじ針、刺繍糸をなら刺繍針、刺し子糸なら刺し子針というように、使う糸に合わせて針を選びましょう。今回は毛糸とじ針を使っています。
    先が丸い毛糸とじ針で生地に通りにくい場合、針穴の大きいクロスステッチ針がおすすめです。また、太い針で生地に穴が開くといった場合には、針と糸を細いものに選び直してみてください。
  • ダーニングマッシュルーム(代用可)
    ダーニングマッシュルームとは、ダーニング用の修繕器具のこと。持っていなければ、お玉やスプーン、ガチャのカプセルなど、つるつるしていてドーム型をしている物で代用できます。今回はおたまを使いました。
  • ヘアゴム
  • 糸切りバサミ
  • 糸通し
    太い糸を針穴に通す時に使います。針穴に入れてから、糸通しの「わ」に糸を入れ、針から糸通しを引き抜いて糸を通します。
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ダーニングで使う糸の選び方

初めての方におすすめなのは「細めの毛糸」です。適度に太さがあるので修繕箇所が埋まるのが早く、短い時間で完成します。「できた!」という達成感は次の作品への意欲にもつながります。

糸の「色」の選び方

生地に合わせた同系色の糸を選ぶとシックな仕上がりになり、また、あえて目立つ色を選んでアクセントにするのもステキです。カラー選びに迷ったら色の変化が楽しい「グラデーション糸」もおすすめ。

 生地とダーニングのなじみを良くするには

仕上がりのなじみを良くするには、ダーニングしたい生地と糸の太さが近いものを選びます。生地は糸を織って作られていますから、糸の太さをそろえることで、フラットでなじみいの良い仕上がりになります。

ふわふわ系の糸は、ダーニングに慣れてから

初心者の方に不向きな糸は「モヘア糸」。ふわふわでかわいい糸は仕上がりも良いのですが、どこを縫っているか見えにくいので難易度高めです。ダーニングに慣れてからチャレンジしてみてください。

基本的なダーニングのやり方

それではダーニングでお直しをしてみましょう。

作り方

  1. 繕う部分にダーニングマッシュルーム(今回はおたまで代用)を裏側からあて、生地をほどよく張ってからゴムでとめます。

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  2. 肩幅くらいの長さにカットした糸を針に通します。この時、お裁縫のように糸を玉結びしません。スタート位置より2cm位離れた所から針を入れ、スタート位置に針を出します。最初の糸は後で処理するため、10cmほど残しておきましょう。

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  3. 繕う部分から5mmほど外側をランニングステッチで囲います。最後はスタート位置の右上から、表側に針を出しておきます。

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  4. 縦糸(たていと)をかけます。
    右上に出した針を下し、右下のランニングステッチの外側を右から左に1~2mmほどすくいます。

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    右上の糸が出ているすぐ隣を、右下と同様に、右から左に1~2mmほどすくいます。糸と糸の間は、使用している糸の幅と同じくらいになるようにするときれいに仕上がります。これを繰り返して、左端のランニングステッチまで進みます。

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    縦糸で修繕する部分を覆えました。

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    糸の最後は2cm位外側に針を出し、10cm位糸を残してカットします。

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  5. 横糸を通します。縦糸と同様に肩幅くらいの長さにカットした糸を針に通し、スタート位置の右下より2cm位離れた所から針を差し、右下のスタート位置に針を出します。
    糸端は後で処理するため10cmほど残しておきます。

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    針穴側を前にして、縦糸を1本おきに、すくい、右から左へ進みます。

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    左下に出した針で、左端の縦糸の外側を1~2mmほどすくいます。

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    折り返します。ダーニングしている靴下を180度回転させ、最初と同じように右から左に進みます。先に通した横糸がよれたりひきつれたりしないよう、針先でまっすぐに整えておきます。これを繰り返し、端まで通します。

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    横糸が通りました。糸の最後は2cm位外側に針を出し、10cm位糸を残してカットします。

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  6. 裏の糸を始末します。
    一度、ダーニングマッシュルーム(今回はお玉)から生地を外して、生地をひっくり返し裏を表にして、ダーニングマッシュルームにゴムでとめます。4本の糸端を針で持ち上げるように引いて、それぞれ表面に出しましょう。

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    出した糸に針を通し、工程3で縫ったランニングステッチの裏側に出ている糸を割る様に針を通し(画像参照)、端まで通したら糸をカットします。4本とも同様に始末します。

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    糸の始末ができました。衣類や下着の修繕では、ごろごろと当たってしまうので玉結びはしません。ブランケット、エプロン、クッション、バッグなど、インテリア用品などは玉結びで処理してもOKです。

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  7. 完成です。

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    かかと部分は生地と違う色の糸でアクセントに、指先側は近い色の糸を使って目立たないようにしてみました。

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丸くダーニングをしたい時は

今度は丸くダーニングをしてみましょう。リネンのナプキンを使って解説します。

作り方

  1.  「基本的なダーニングのやり方」工程1、2と同じです。
  2. 繕う部分より、5mm位外側をランニングステッチで囲います。針を出したスタート位置の右側から、左周りに縫い進めます(逆回りでも大丈夫です)。最後はスタート位置の右側から、表側に針を出しておきます。

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  3. 縦糸をかけていきましょう。
    右側に出した針を下し、右下のランニングステッチの外側を右から左に1~2mmほどすくいます。その針を上に進み、今縫った糸の隣に、右から左に1~2mmほどすくいます。これを繰り返して、半分まで進みます。

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    半分繕えたところで表側に針を出し、糸を10cmほど残してカットします。

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  4. 残りの半分も同様に縫います。
    針に灰色の糸を通し、先ほどの縫い終わりの糸の横からスタートします。スタート位置より5cm位離れた所から針を刺して縫い始めます。
    ※糸の色替えは好きな場所で行うことができますし、しなくても構いません。糸が足りなくなった時もこの方法で行います。

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    端まで縫えました。最後は表側に針を出し、糸端を10cmほど残してカットします。

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  5. 横糸を通します。
    横糸を中央からスタートすると、きれいな丸になります。
    スタート位置の中心より2cm位離れた所から針を差し、円の中央右の位置に針を出します。糸端は後で処理するため、10cmほど残しておきましょう。針穴側を前にして、縦糸を1本おきにすくい、右から左に向かって進みます。

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  6. 端までいったら、針で左端の縦糸の外側を1~2mmほどすくいます。

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    折り返します。ダーニングしている物を180度回転させ、針穴側を前にして、縦糸を1本おきにすくい、左から右に向かって戻ります。横糸を1本通すごとに、糸を上に押して整えておきます。これを繰り返して端まで通します。

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    半分まで横糸が渡りました。最後は表側に針を出し、10cmほど糸を残してカットします。

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    残りの半円も同様に、中心から外に向かって横糸を渡していきます。この後は「基本的なダーニングのやり方」工程6(糸の処理)に続きます。

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  7. 完成です。

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ダーニングのある暮らし

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くたびれてしまっても捨てたくない! そんなお気に入りをダーニングで補修すれば、ずっと長く使い続けられます。修繕する事で、さらに愛着も増します。

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こちらは糸の色を変えながら繕ったスエットのパンツ。シンプルなパンツがかわいらしいポイント飾り付きになりました。

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カラフルな靴下に、カラフルな糸でダーニング。つま先のステッチはデザインで入れていて、補強の役目もしてくれています。

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薄い布地のバッグは、補強を兼ねて持ち手にダーニング。補強しながら糸でデザインを描くこともできます。

ダーニングは補修だけではなく、デザイン刺繍として入れても可愛いです。丸や三角、四角など、さまざまなパターンにチャレンジしてみてください。

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くたびれた愛用品が、ダーニングでステキに生まれ変わる

最初はお気に入りの靴下に穴が空いてしまい、修繕のためだけに始めたダーニングですが、今では繕い物がとても楽しくなりました。穴があいたから捨てちゃおう……ではなく、穴があいてからもっとかわいらしく、愛着のある物に仕立てられることが、ダーニングの1番の魅力だと思います。
曲がったり、ゆがんだりしてもそれも味になります。慣れてくると20分位でサクサクと繕えるので、スキマ時間でできるようになりますよ。

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このレシピのデザイナー

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現在作家活動をお休みし子育てに専念中。 日々穴のあく子供服に悩まされる中、出会ったのがダーニング。 カラフルな糸とお繕いの面白さに夢中です。

このレシピのデザイナー

コノトガク
コノトガク
服飾学校卒業後、パタンナー、アパレルデザイナー、ミシン講師を勤めたあと、『モノ作りの人』となる。大好きなミシンを踏みながら毎日がうるおう布コモノを製作中。instagram:@konotogaku

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ライター

ときよし
ときよし
銭湯と猫を愛する編集&ライター。ハンドメイドはとつぜん始めてとつぜん休む、浅く広く、今日ものんびりやっています。