毎日使う食器は、好きなデザインのものがいい。でも、陶芸教室に通って食器を作るのは少しハードルが高く、時間もかかりますよね。より手軽に食器に好きなデザインを描くことのできる「ポーセラーツ」というクラフトがあります。まずは「ポーセラーツ」がどのようなものかご紹介します。
ポーセラーツとは?
ポーセラーツでは、白い磁器にお気に入りのデザインのシートを貼り付けたり、専用の絵の具を使ってイラストを描いて、オリジナルのマグカップや食器などを作ることができます。
そもそも「ポーセラーツ」という単語は、ポーセリン(磁器)とアートを組み合わせて造られた造語です。
ポーセラーツの主な材料と道具
白磁
白磁とは、真っ白な磁器の食器のこと。その原材料は主に石を細かく砕いて作った粘土・磁土です。この磁土で形を作り素焼きをしたものに、釉薬をかけて高温で焼き上げてあります。強度があるので、ポーセラーツの絵付けの後の高温窯での焼き付けにも耐えられますし、出来上がった作品を長く楽しめます。→白磁の選び方について
電気炉
ポーセラーツ専用の電気炉です。価格はサイズにもよりますが、小さいもので数万円~数十万円ほどが相場です。将来ポーセラーツ教室を開く方であれば必要になってきますが、自宅で初めて作る場合には、焼成を請け負っている体験教室などにお願いしてみましょう。
転写紙
ポーセラーツで使用する転写には、和柄や花柄、かわいいものからカジュアルなデザインまで幅広く販売されています。これらの転写紙をペタッと貼り付けることで、白磁器に簡単に絵付けすることができます。
転写紙はクラフトショップや、オンラインのポーセラーツ専門店などで売っているものを買うのが一般的です。また、自分で描いた絵柄や模様のデザインを印刷してオリジナルの転写紙を作ることができるサービスもあります。
セラミックペンシル
白磁の表面に直接絵を描くことができる、色鉛筆のような道具です。アウトライン転写紙という「なぞり描き専用の転写紙」を使えば手描きの温かみを残したまま、複雑なモチーフも表現することができます。
セラミックマーカー
白磁の表面に、色がついた液を直接乗せられるマーカーです。ティーカップやお皿の縁に細かい装飾デザインを描きたい時などに便利です。
上絵の具
上絵の具とは白磁に上絵付けをするための専用の絵の具です。上絵付けされた絵柄は電気炉を使って高温(800℃ほど)で焼成することで定着します。上絵の具は専用の顔料が使われており、熱による変色に強いという特長があります。
その他、転写紙を切り抜いたり貼り付けたりする道具
材料をうまく扱うための道具も必要です。例えば、転写紙をムラなく貼り付けるためのスキージーやワイプアウトツール、上絵の具をメディウムと混ぜるためのパレットナイフ、転写紙をつまみ上げるピンセットなどです。
そのほか絵筆やパレット、転写紙から絵柄を切り取る時に使うカッターナイフおよびカッターマットや、転写紙のシール部分を台紙からはがすための水入れも準備しましょう。
ポーセラーツで作るオリジナルデザインのマグカップの作り方
作り方
- 白磁の表面の汚れを拭く
まず、専用クリーナーを含ませた布で白磁器の表面の汚れを拭きます。汚れが残っていると仕上がりが悪くなるのでしっかりと拭きます。 - デザインを施す
絵柄を切り取ったら、水に浸してシール部分と台紙部分を分け、シール部分のみを磁器に貼ります。金彩や上絵付けをしたければ、この時にマーカーや上絵の具を使って飾りつけをします。 - 焼成する
最後に、電気炉に入れて800℃で焼けば完成です。上絵の具は温度によっては変色しやすい色もあるため注意しましょう。
まずは体験!教室やサロン選びのポイント
「ポーセラーツをやってみたい!」と思った最初に探すのは体験できる教室やサロンです。体験教室選びは、「もっと作ってみたい」と思えるかどうか、ポーセラーツの継続を決めるきっかけにもなるのでとても大切です。ぜひ、下記のポイントを参考に教室・サロンを探してみてくださいね。
1.立地やレッスンの時間帯
例えば日中にお仕事をされている方なら、会社帰りに立ち寄りやすい立地であることや、比較的遅い時間にレッスンを受けられることが重要なポイントとなります。またお子さんがいる主婦の方なら、自宅からアクセスしやすい立地であることや、レッスンの日程や時間帯が柔軟に選べるかどうかも大切ですね。
どんなに素敵な教室であっても、普段の行動範囲から大きく外れる立地の教室やサロンは、次第に通うことが負担に感じられる可能性もあります。継続して通うからこそ、アクセスの良い教室やサロンがおすすめです。
2.先生との相性
教室やサロンを選ぶ上で、主宰されている先生の技術面や指導力だけでなく、相性も大切です。体験レッスンを受けてみて、「この先生に教わりたい」「この先生のところに通えば、楽しく続けられそう」と思えるような先生であれば理想的です。インストラクターとしての生徒さんへの接し方や、プロならではのポーセラーツに対する情熱など、レッスン内容以外にも見習うべき点が多く見つかるはずです。
3.雰囲気やテイストが合っているか
インテリアを含めた教室やサロンの雰囲気や、習う作品のデザインは、先生の好みが反映されていることが多いものです。可能であれば「センスがいいな、好きなテイストだな」とご自身が思えるお教室の方が、レッスンを受けていて良い刺激を受けられるはずです。
また、他のレッスンを見学する機会があれば、通っている生徒さんの雰囲気もさりげなくチェックしてみてください。自分がそこで実際にレッスンを受けている様子をイメージしてみましょう。教室やサロンに楽しく通うためには、居心地の良さも重要です。
ポーセラーツの資格取得に挑戦!
ポーセラーツをもっと挑戦してみたい、この楽しさを多くの人に伝えたいという情熱が湧いてきた方は、資格取得を目指してみませんか?ポーセラーツの教室を開くためには、日本ヴォーグ社が定める『ポーセラーツインストラクター』の資格が必要です。
インストラクターの資格を得た後は、ご自分で教室やサロンを開業し技術指導を行ったり、受け持った生徒さんのライセンスを発行したりできるようになります。
ポーセラーツに関する資格は3種類
ポーセラーツの資格は決められたカリキュラムを修了し、申請することで資格の取得ができます。資格によって、インストラクターの育成ができるもの、できないものがあるのでよく確認しましょう。
①ポーセラーツメンバー
10の課題を修了することで取得できる資格です。こちらの資格では、ポーセラーツメンバーの育成と技術指導をすることができますが、インストラクターの育成はできません。また電気炉所有の有無は問われません。
②ポーセラーツインストラクター ホワイトライセンス
電気炉をお持ちでない方が「ポーセラーツメンバー」の資格を取得し、規定のカリキュラムを修了すると取得できる資格です。
この「ホワイトライセンス」では、ポーセラーツメンバーの育成と技術指導をすることができますが、インストラクターの育成はできません。
③ポーセラーツインストラクター グリーンライセンス
電気炉をお持ちの方が「ポーセラーツメンバー」の資格を取得し、規定のカリキュラムを修了すると取得できる資格です。
この「グリーンライセンス」では、ポーセラーツメンバーの育成と技術指導、インストラクターの育成ができます。
上記の通り、インストラクターの育成には「電気窯を所有している」という条件が必要になります。電気窯を所有していない場合は、技術指導はできますが、ライセンスの発行はできませんのでご注意ください。
大切なのは、ライセンス取得後の未来をイメージすること
ポーセラーツのインストラクターとして教室やサロンを開いた後も、今度は指導者として、さらに技術力や表現力をさらにアップさせる努力が必要になってきます。また、生徒さんへの気配りやコミュニケーションの能力など、慕われるための人間力も大切です。
ポーセラーツへの情熱を仕事に活かしたい!と真剣に考えている方は、ぜひ教室やサロンに通って、インストラクターを目指してみてはいかがでしょうか?
まずはポーセラーツをワークショップで体験しよう!
まずは体験してみたい!と感じたら、Craftieでワークショップを探してみませんか。専門家によるクラフト体験のワークショップが見つけられます。初心者の方、気軽にものづくりにチャレンジしてみたい方にもおすすめです。