紅茶染めとは、紅茶ならではの柔らかいブラウン色に染められる染色方法のこと。
衣類や布製品を柔らかいアンティーク風に染められるのが魅力で、ティーバッグを使えば、自宅で手軽にチャレンジできます。
今回は、紅茶染めの基本の染め方や、適した素材について紹介します。
基本の紅茶染めの方法
紅茶のティーバッグを使った、基本の紅茶染めの方法を紹介します。茶葉を使用する場合は、クッキングペーパーに包んでゴムで硬く縛っておきましょう。
紅茶染めの色落ちを防ぐために、染めたあとは塩やミョウバンを入れた水に浸けます。浸け終わりの洗濯は、色移りを避けるために他のものと一緒に洗濯しないようにしましょう。
洋服やカフェカーテンなど大きめの布を染める場合は、たっぷりと浸るように深くて大きめの鍋を使用するのがおすすめです。
■所要時間 2~3時間(乾かす時間は含みません)
材料と道具
材料
- 染めたいもの
※今回は綿素材のものを使用しました。
※ポリエステルなどの化学繊維はほとんど染まりません。 - 紅茶のティーバッグ
- 塩、またはミョウバン
道具
- 大きめの鍋
- トング、または菜箸
紅茶染めの染色方法
紅茶染めの手順を解説します。
染めたいものを水に浸しておくことで、染め液が浸透しやすくなり、色がキレイに出やすくなります。
染め方
- 染めたいものを水に30分ほど浸しておきます。新品の場合は、その前に一度洗濯をしてください。
- 染めたいものがたっぷりと浸かるサイズの鍋を用意します。
水1リットルに対して紅茶パック4〜5個を入れて、火にかけます。
- 10分ほど煮出して、しっかりと紅茶の色を出します。
洗うと色が落ちるので、一見濃そうだなと思うくらいでOKです。
- 鍋の火を止めてから、水に浸けておいた染めたいものを軽く絞って、 紅茶液に入れます。
- ムラにならないようにしっかりと全体を浸からせて、トングなどで時々混ぜながら30分〜2時間ほど、好みの濃さになるまで浸します。 この時も危ないので火は使いません。
- 好みの濃さになったら取り出して、一度水洗いします。紅茶液はまだ捨てないでくださいね。
染めムラがないか確認しましょう。ムラがあったり色が薄いと感じたら、もう一度紅茶液を沸かして染め直します。
- 好みの色合いになったら、色止めをします。 大きめの鍋や洗面ボウルなどにぬるま湯をはり、塩かミョウバンを大さじ1杯ほど入れて溶かします。
塩水(もしくはミョウバン水)に1時間ほど浸けます。
- 浸け終わったら普通に洗濯をして、陰干しします。
※色移りする可能性もあるので、色移りしたくないものと一緒に洗濯しないでください。
- 乾いたら完成です。
ナチュラルなベージュ色に染まりました。 真っ白な時より柔らかい雰囲気ですね。
紅茶染めに適した素材
紅茶染めは、布だけでなく紙や毛糸なども染められますが、素材によって染まりやすさが異なります。染まりやすい素材には、以下が挙げられます。
素材 | 染まり方 | |
動物性繊維 | ウール、シルク | 濃いブラウン、ベージュ |
植物性繊維 | 綿、麻 | 淡いベージュ |
化学繊維 | ナイロン | 濃いベージュ |
紅茶染めで染まりにくい素材は、合成繊維のポリエステル、アクリルなどです。
ブラウンやベージュなどキレイな色を出したい場合は、染まりやすい素材を選ぶようにしてください。
染色時間で色合いが変わる
紅茶染めの染色時間を変えると、お好みの色合いに調節することができます。
以下の写真は、左から「染める前」「30分染め」「1時間染め」「2時間染め」の仕上がりとなっています。
▽左から順に、染める前・30分染め・1時間染め・2時間染め
短時間だと、クリームのようなナチュラルなベージュになり、染色時間を長くすると、アンティーク風の深みのある色に仕上がります。
今回は、1時間と2時間の差があまり出ませんでしたが、紅茶液をもっと濃くすればさらに濃い色に染められます。
「コーヒー染め」とも比較してみました。
上の4枚が紅茶染め、下の2枚がコーヒー染めです。
▽上:紅茶染め 下:コーヒー染め
コーヒー染めのほうが短時間でより濃いブラウンに染まります。
こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
とれなくなったシミは、紅茶染めで目立ちにくく
汚れやシミが残ってしまったタオルやハンカチを、紅茶染めで汚れを目立たなくすることもできます。
▽染める前
▽染めた後
紅茶染めでリメイクを楽しもう
ナチュラルなインテリアに馴染みやすい紅茶染め。籐かごのカバーや雑貨の敷物、カーテンやテーブルクロスなど、ナチュラルな風合いに仕上げたいものを染めてみましょう。染める時間を調節しながら、お好みのリメイクを楽しんでみてくださいね。