セーターやマフラー、靴下に手袋。毛糸と編み棒を駆使すれば、あらゆるものが作れてしまうのが編み物の魅力です。とはいえ「複雑そう、難しそう」といったイメージを抱く人も少なくありません。今回ご紹介するのは、初心者さん向けの棒針編みの基礎。基本的な編み方はもちろん、道具や毛糸の選び方もご紹介します。
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棒針編みとは、かぎ針編みとの違い
棒針編みとは、先の尖った棒状の編み棒を使って、編んでいく技法です。編み棒の数は、作る作品によって変わりますが、基本的には2本を使い、場合によっては3本、4本と使用します。
一方、かぎ針編みは、先端がフックのような「カギ」状になっており、糸をひっかけながら編んでいく技法です。
棒針編みの道具
棒針編みには最低限、以下の道具が必要です。ほかにも便利なアイテムがありますので、少しずつそろえていくとよいでしょう。
道具
- 棒針
片方だけ先が尖った「玉つき2本針」、両端が尖っていてどちらからも編める「4本針・5本針」、輪編みするときに便利な「輪針」などがあります。 - ハサミ
手芸用のものをひとつ持っておくとよいでしょう。 - とじ針
編地と綴じたり糸始末をしたりする際に用います。毛糸を扱うために、針先に丸みがあって針穴も大きいのが特徴です。 - 毛糸
毛・アクリル・綿・麻・シルクなど、さまざまな素材があります。糸の太さや形状(モヘア、ラメ、ループヤーンなど)も豊富なので、作品に合わせて選びます。
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編み棒の選び方
棒針の太さは、扱う糸の太さや本数で決まります。極細から極太まで号数によって太さが決まっていて、メーカー問わず共通です。号数が大きくなるほど棒の太さが太くなります。
初心者の方は、扱いやすい10号くらいの太さからスタートするのがおすすめです。
毛糸の選び方
毛糸はさまざまな太さ、形状、素材のものがあり、作りたい作品によって選びます。毛足が長くふわっとした仕上がりになるモヘヤ、キラキラした糸が混ぜられたラメ、芯糸にカール(ループ)した糸が絡めてあるループヤーンなど、糸の形状が違うと仕上がりが全然違ってきます。
手芸店でさまざまな毛糸を実際に見てみると楽しいですよ。初心者の方におすすめなのは、極太・ストレート・毛100%の毛糸です。矢印(赤・青)で示した糸がおすすめです。
棒針の持ち方は「アメリカ式」「フランス式」の2種類
棒針編みには、棒針の持ち方・糸のかけ方によって「アメリカ式」と「フランス式」の2つの方法があります。今回のレシピでは「フランス式」の持ち方で編んでいますが、どちらでもやりやすい方法で構いません。
<アメリカ式>
「右手」の人差し指に糸をかけて、ひと目ずつ糸をかけながら編みます。
<フランス式>
「左手」の人差し指に糸をかけ、小指と薬指の間にはさんで固定します。左にある糸を右の針でかけながら編みます。
棒針編みの基礎 メリヤス編みにチャレンジ!
棒針編みの基本「メリアス編み」を練習してみましょう。今回は「フランス式」ですが、「アメリカ式」でも仕上がりは同じです。やりやすい方法で編んでみてください。
今回は10号の棒針、毛糸は極太の毛100%のものを使用しています。
作り目の編み方
編み始めるときに必要な編み目を「作り目」といいます。ここでは最も一般的な作り目を編んでみましょう。
作り目の編み方
- 最初の1目を作る
まず、赤い矢印で示した糸端を、作りたい編地の3倍ほどの長さにします。今回は10cmほどの幅で編地を作るので、糸端は3倍の30cmを残します。
糸を交差させて、写真の赤矢印のような輪っかを作ります。輪っかより糸玉側で、糸をつまんでループにする(青い矢印)
青矢印のループを、輪っかの中に下から入れて、上から引き出します。
引き出したループに棒針2本を入れて、糸を引っ張って引き締めます。これで最初の1目ができました!
- 2目以降の作り目
続いて糸端側の糸を親指にかけて、糸玉側の糸は人差し指に引っ掛けて、両方の糸を束ねて薬指と小指で軽く握ります。画像のようなフォームになるようにします。
2本束ねた棒針で手前から親指にかかった糸を押し上げるようにして……
そのまま人差し指にかかった糸を引っ掛けて、くぐらせるように手前に持ってきます。
同時に親指にかかっている糸を一度指から外すように抜きます。 2目めが針にできているのが見えますね。
もう一度親指に糸を掛けなおして先ほどかけた目を引き締めると、2目めができました。
- 工程2を繰り返す。
以上を必要な目数分繰り返します。今回は23目にしました。
最後に棒針を1本抜いて、作り目の完成です。棒を抜くとすき間ができて、均一で適度なゆるみがでます。
メリアス編み 裏編みの編み方
先ほどできあがった作り目をつかって、メリアス編みを編んでみましょう。棒針のメリアス編みには「表編み」と「裏編み」があります。最初の作り目は1段目と数え、これが表編みになります。作り目によって表の1段目ができているので、次は裏に返して裏編みを編んでいきます。
編み方
- まずは左手のフォームを作りましょう。
画像のように人差し指に糸を掛け、薬指と小指の間に挟みます。ここでかける糸は玉側の糸です。糸端側ではないのでご注意を。
人差し指は軽く立てて、中指と親指で棒針と作り目をを軽く握ります。右手はナイフを持つように棒針を軽く握りましょう。
- それでは裏編みを編んでいきます。
左針にある1目(ループ)に右針を右から左に刺すようにして手前に出します。
左手の人差し指にかかっている糸を、画像のように右針に引っ掛けます。
引っ掛けた糸を1目にくぐらせて、右針に移し左の棒針から目を外します。
右針に目が移り、1目が編めました。これを繰り返していきます。
最後の目まで編めました。裏編みが編み終わったところです。これで2段目が編めました。次は表編みをします。
メリアス編み 表編みの編み方
編み方
- 表編みの編み方
裏編みが編めたら、次は表に返して表編みをします。
左手のフォームは先ほどの裏編みと同じです。人差し指に糸を掛け、薬指と小指の間に挟みます。
左針にある1目(ループ)に右針を目の左側から向こう側に刺します(左針の下に出します)。
左手の人差し指にかかっている糸を右針に引っ掛けます。
1目にくぐらせて手前に持ってきます。
- 表目が1目編めました。
左の棒針から目を外します。表目が1目編めました。これを繰り返します。
表目が最後まで編めました。
- 裏編み・表編みを繰り返す
また裏に返して裏編みをします。それが終わったら、表に返して表編みをします。表面では表編み、裏面では裏編み、これがメリアス編みです。
画像は5cmほど編めたところです。しばらく編んでいると、編み始め部分がまるまってきます。(赤い矢印の部分)
これは編み方が悪いというわけではなく、メリアス編みの編地の特徴です。仕上げにアイロン(後述)することで、まっすぐに整います。
表編みでの伏せ止め(編み終わり方)
表編みでの伏せ止め
- 表編み(表面)での編み終わり方を説明します。まず表編みを2目編みます。※わかりやすいように糸の色を変えてあります。
- 左の棒針を使って、右の棒針にある最初に編んだ1目を拾って、2目めに被せます。
- 右針には1目ある状態になりました。
- 左針にある1目(3目め)を表編みで編みます。
- 右針に2目ある状態になりました。先ほどと同じように目をかぶせます。これを繰り返します。
- 最後の目は右針に糸をかけて、目をかぶせます。
- 糸端を切って、画像のように棒針を抜きます。
- そのまま糸も引き抜きます。
- 表編みの伏せ止めができました。
裏編みでの伏せ止め(編み終わり方)
裏編みでの伏せ止め
- 裏編み(裏面)での編み終わり方を説明します。まず裏編みを2目編みます。※わかりやすいように糸の色を変えてあります。
- 左の棒針を使って、右の棒針にある最初に編んだ1目を2目めに被せます。
- 右針には1目ある状態になりました。
- 左針にある1目(3目め)を裏編みで編み、先ほどと同じように目をかぶせます。これを繰り返します。
- 最後の目は右針に糸をかけて、目をかぶせ、糸端を切ってそのまま引き抜きます。
- 裏編みの伏せ止めができました。
- 表から見たところ。
糸始末のやり方
やり方
- 裏面のループに何回かくぐらせます。
- 離れてみたところ。あまった糸を切って糸始末は完了です。
できあがりをキレイに! 仕上げアイロンのかけ方
仕上げにアイロンをかけることで、目が整った美しい仕上がりになります。
仕上げアイロンのかけ方
- アイロン台に画像のようにマチ針で軽く固定します。
上からアイロンでスチームを当てます。この時、編地にアイロンが直接触れないようにしますよう。蒸気をたっぷり当てるのがコツです。
メリヤス編みには、棒針編みの基本が詰まっている
棒針編みをはじめるとき、ほとんどの方がまず経験するのがメリヤス編みです。表面では表編み、裏面では裏編と編んでいくと、表がすべて表目でそろうというのが面白いですよね。
棒針編みでは「いま編んでいるのは表面か裏面か」を常に考えながら作業します。どんな編み方に挑戦するときにも、使う考え方ですので今のうちに慣れておくと楽ですよ。
最初は画像とにらめっこしていても、慣れてくれば考える前に手が動いてくれるようになります。糸始末やアイロン仕上げなど、一通りの工程を実際にやってみてくださいね!
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